大統領選挙の予想で全米の大手メデイアはとんでもない失態をやらかした。
これにより、メデイアへの信用は急落した。
でも「間違っていました」とは言わない。
「我々は正しい」として、新政権にキバをむいている。
少々大人げないが、メデイアだって立場がある。
なかなか、間違ってしまってごめんなさい、とは言い切れない。
国民の世論を正しくつかんでいるのは自分たちだ、という自負がある。
それがアメリカをいまのようにしてしまった根本原因であるとは認めにくいだろう。
アメリカ社会をこれまでとは違った大きな波が襲っていることは確かだろう。
それが反映されるかどうかはわからないにしても、既存の体制に若干の反省を促すことにはなるだろう。
『
[ワシントン 22日 ロイター]2017年1月23日(月)08時50分
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/01/post-6787.php
トランプ政権、就任式めぐる報道批判
メディアを「全力で反撃する」
●1月22日、米ホワイトハウスは、トランプ大統領の就任式の観客数をめぐるメディア報道について、政権に対する不当な攻撃だと批判し、「全力で」戦う姿勢を示した。写真はトランプ大統領を映すテレビ画面、台北で21日撮影(2017年 ロイター/Tyrone Siu)
米ホワイトハウスは22日、トランプ大統領の就任式の観客数をめぐるメディア報道について、政権に対する不当な攻撃だと批判し、「全力で」戦う姿勢を示した。
トランプ大統領も21日、米中央情報局(CIA)を訪問し、観客数を少なく報じたとして報道関係者を批判、
「私はメディアとの戦いを続けている」
と言明した。
大統領は、自身と米情報機関の間の確執をメディアがでっちあげていると非難し、「不誠実」と攻撃した。
就任式の観客数をめぐっては、スパイサー大統領報道官が21日、観客数を少なく見せるためにメディアが写真を加工したと主張、「過去の就任式で最多だった」と断言し、メディアなどが反論している。
プリーバス大統領首席補佐官はフォックス・ニュース・サンデーで報道官の主張を繰り返した上で、
「問題は観客の数ではなく、
大統領を攻撃し、
大統領の正当性を否定しようとする行為であり、
われわれは容認しない」
と発言、「全力で反撃する」と述べた。
』
『
yahooニュース 1/31(火) 20:34 山田順 | 作家、ジャーナリスト
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamadajun/20170131-00067205/
トランプはたった2週間で歴史に名を残す「偉大なる大統領」になった!
就任してまだ2週間。なんと、トランプが歴史に名を残す“偉大なる大統領”だということが、もう確定した。
いまや、トンデモ大統領令の連発で、世界中が大混乱しているが、よくよく考えてみれば、これらはすべてわかっていたことだ。
なぜなら、トランプは少しもブレていない。
前から言っていたことを、忠実に、猛スピードでやっているにすぎないからだ。
こんな大統領は、アメリカ史上初めてである。
「難民の受け入れ凍結」と「イスラム圏7か国の出身者の入国禁止」を指示した大統領令に、いまさら驚くことなどない。
むしろ、トランプが人種差別主義者、白人優位主義者ということを思えば、この程度なら「軽い」ほうである。
「なにをやってくるかわからない」と言っている評論家、メディアがあるが、そんなことはない。
彼のやっていることは単純だ。
これからも、選挙戦で言ってきたことをやるだけだ。
この2週間ではっきりしたことが3つある。
(1):選挙戦で言ったことをそのままやること。
大統領になったからといってなんら変わらない。
公約は実行するのだ。
この点で、公約をすぐ破る某国政治家は足元にも及ばない。
本当に偉大な大統領だ。
(2):彼の頭の中には、
自由、正義、民主主義、法の支配、人権、平等といった、アメリカの国家としての理念や普遍的価値観がまったくない。
おそらく、アメリカ人なら必ず暗唱できる「The Pledge of Allegiance」(忠誠の誓い)を暗唱できないかもしれない。
独立宣言になにが書いてあるのかも知らないだろう。
とすれば、偉大すぎて言葉を失う。
(3):トランプは資本主義を知らない。
だから、思ったまま言える。
メキシコ国境の壁の建設費用をメキシコが払わないなら、メキシコ製品に関税20%を課して費用を捻出するという。
となると、費用はアメリカ人が払うことになるが、この矛盾に気づかない。
本当に偉大だ。
しかし、こんなことが起こるとは、昨年の11月まで、夢にも思わなかった。
それまでは、仕事とはいえ、世界情勢、経済情勢を真面目に分析していた。
しかし、いまや、そんなことはする気も起こらない。
民主主義が完全に機能すると、こういうことが起こるということなのだろう。
トランプは、アメリカ人の「知性」を代表している。
アメリカは低度情報化社会、集合愚の社会になった。
見ていて、面白くてたまらない。
アメコミより面白い。
敬虔な英国教会司祭の娘である英メイ首相と会談後、「おて手」つないで歩いてしまうのだ。
ところで、こうしたトランプによる混乱で、経済情勢も混乱するという見方が一般化している。
お利口評論家は、口を揃えて「トランプ大統領は不確実要素」と言う。
しかし、これは嘘である。トランプがこれまで言ってきたこと、たとえば大減税や大規模公共投資をやれば、不確定要素などない。
短期的にアメリカ第一主義は大勝ちし、NY株価は上がり、ドルはますます強くなり、石油価格は下がるだろう。
投資家に愛国心など必要ない。
儲けさせてくれればいいのだ。
この点でも、トランプは偉大なる大統領だ。
』
『
yahooニュース 2/1(水) 18:17 小林恭子 | 在英ジャーナリスト
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kobayashiginko/20170201-00067158/
政治とメディアは「ずれている」か?
―英国のEU国民投票、米大統領選の後で
(新聞通信調査会発行の「メディア展望」1月号掲載の筆者記事に補足しました。)
昨年1年間、筆者が出席したメディアをテーマにした国際会議の中で、最も刺激を受けたある会議をご紹介したい。
***
昨年末、英米両国は2つの政治事件で大きく揺れた。
英国では国民投票で欧州連合(EU)からの離脱(「ブレグジット」)が決定され、米国では数々の暴言で知られるトランプ共和党候補が大統領選で当選した。
どちらの場合も、反対側つまり英国ではEU加盟残留派、米国ではクリントン民主党候補が最後には勝つのではないかと予想されており、世論調査や専門家の分析が大きく外れた結果となった。
両国の国民は既存体制の存続あるいは既存体制に似た体制の成立よりも、変化を望んだことになる。
世論調査や専門家の言説を報道することで「最後には残留が勝つだろう」あるいは「クリントン有利」と報道したメディアは大きな反省を迫られた。
メディアは現実をしっかりと掴み、市民のために報道を行う役割を果たせたのだろうか?
一体、ジャーナリズムは何のためにあるのだろう?
そんな疑問が頭に浮かんでいた時にコペンハーゲンで開催されたのが、 ニュースのテレビ会議「News Xchange(ニュース・エクスチェンジ)」だ。
正面から、メディアの役割を取り上げたのである。
最初のセッション「メディアは現実からずれているか?」でのやり取りを紹介しながら、会場の雰囲気を伝えてみたい。
News Xchangeは欧州放送連合(EBU)傘下にある組織ユーロビジョンが主催者となり、毎年開催されている。
2016年は11月30日から2日間の日程となり、放送を中心としたニュースメディアの関係者約630人が参加した。
■「ジャーナリズムの再定義の時」
11月8日の米大統領選の結果が出たのは翌9日。
トランプ氏当選の衝撃がまだ醒めやらない中で開催された会議は、これまでのメディア報道を反省するメッセージで開始された。
「私たちメディアは市民に信用されなくなってきている。
これまでのやり方ではだめだ」(デンマーク放送協会=DR=のニュース部門統括者ユーリック・ハーゲラップ氏、オープニング・スピーチで)。
同じスロットで、EBUのメディア・ディレクター、ジャンフィリップ・ド・テンダー氏は「ジャーナリズムとは何か、何ができるのかを再定義するべき」と主張した。
ジャーナリズムについて考えるには「絶好の機会が訪れている」というのは会議のマネジング・ディレクター、エイミー・セルウィン氏だ。
「米国では44%の市民がフェイスブックを通してニュースに接している。
過去10年間で、米メディア界で働く人は40%減少している」
と指摘。
産業的にも既存メディアは危機的状態にある、という認識だ。
筆者はこの数字を聞いて、頭がガーンとなった。
40%もー。
何が事実に基づいたニュースで何がそうでないのかの線引きも、揺らいでいるという。
真実ではないニュースをあたかも真実であるかのように拡散する、いわゆる「フェイク・ニュース」が広がっているからだ。
また、「82%のティーンエイジャーたちは記事の体裁をした広告と通常の記事の区別がつかない」という。
セルウィン氏は、メディアで働く人にとっては身の引き締まるような状況を描いて見せた。
オープニング・メッセージの後に、いよいよ最初のセッション「私たちメディアは現実からずれているか?」が始まった。
「私たちは間違えた。間違ってばかりだ」
司会役として登場したのは英BBCで30年間政治記者を務めたニック・ロビンソン氏とDRのニュース・プレゼンター、ティネ・ゴーチェ氏だ。
ロビンソン氏はEU国民投票や大統領選挙の報道で
「私たちメディアは(正しく現実を掴めなかったという点で)間違った。
間違ってばかりだ」
と述べた。
ゴーチェ氏は
「今まで何十年も事実を積み上げてニュース報道を行ってきた。
この頃は、視聴者は事実かどうかを気にかけていないのではないかと思う」
という。
画面中央のスクリーンで動画が始まった。この1年を振り返り、トランプ氏が1年半前に大統領選に出馬すると発表した時メディアがその現実性に半信半疑であったこと、投票日直前には
専門家が「96%以上の確率でクリントンが勝つ」と予想していた
ことを映し出す。
離脱派の英政治家マイケル・ゴーブ氏が、「人々は専門家の言うことをもう信じていない」と述べる場面も出た。
動画終了後、舞台に登場したのは英国独立党(UKIP)の元党首ナイジェル・ファラージ氏だ。
同氏は25年にわたり英国のEU(およびその前身)からの離脱を主張してきた。
昨年6月に行われた国民投票でブレグジット側を勝利に導いた最大の功労者だが、反移民の政党を率いる「ポピュリスト政治家」とも言われている。
ファラージ氏は、自分が政治活動を始めたのは英国の政治家たちが「普通の市民からかけ離れた存在」となっていると思ったからだという。
「多くの市民は、政治家もそしてメディアも自分たちの意見に耳を傾けていないと感じている。」
同氏によると、英メディアに勤める人の大部分が
「中流階級出身で、大学教育を受け、大都市圏に住んでいる 」。
このため、ファラージ氏が言うところの「普通の市民の声」を代弁していないという。
EU域内の「人、モノ、サービスの自由な行き来」の原則の下、無制限に英国にやってくるEU移民の流入に対する人々の不安感を十分に報道することができなかったのもそのせいだ、と同氏は分析する。
「メディアはEU脱退を主張するUKIPをほとんど無視してきた」。
既存メディアにとって移民を否定的文脈で捉えることはタブーであり、EU脱退は「過激的思想」だった。
ファラージ氏はソーシャルメディアなどネットを利用して自説をアピールし、支持者を増やすしかなかったという。
その成果は徐々に出た。UKIPは2014年の欧州議会選挙で英国では第1党となった。
2015年の総選挙では議席数こそ少なかったものの(1議席獲得のみ)、得票率(12・6%)では第3位となった。
「2016年はアウトサイダーが勝利した年だった。
メディアはリセットボタンを押すべきだ」。
■「トランプを過剰に取り上げたメディア」
午後に行われた「トランプ現象」と題されたセッションの様子を手短に振り返る。
トランプ氏が立候補宣言をすると、テレビ局は連日同氏の一挙一動を報道してきた。
身体障害者、イスラム教徒、女性に対する暴言があっても過熱報道は変わらなかった。
米サイト「デモクラシー・ナウ!」を主催するエイミー・グッドマン氏は「すべてのテレビ局が『トランプ・テレビ』になった」と指摘する。
「トランプ氏は大手テレビ局が作ったのだと思う。
米CBSの経営幹部が『トランプは米国にとって良くないが、CBSにとっては(視聴率が上がるので)良い』と発言したのが典型的だ」。
トランプ支持の米サイト「ブライトバート・ニュース」のマット・ボイル氏はトランプ氏の勝利は
「衝撃ではなかった。私たちは国民の不安感を報道してきた」
という。
ただ、拮抗していた両陣営の支持率の
「読み方には苦労した。状況をより正確に反映する新たな手法が求められている」。
パネリストらの間で共有されたのが
「両候補者のパーソナリティーや世論調査の結果に一喜一憂する報道が多すぎた。
投票の決め手となる問題の分析が少なかった」
点だった。
米ジャーナリストのセラ・ケンジオール氏は、
「トランプ氏は世界の独裁政権の指導者と同じと見るべきだろうと思う。
その行動に説明責任を持たせるため、調査報道を果敢に続けるべき。
懸念は、メディアが新大統領へのアクセス権を得るために媚をうる存在になるのではという点だ」。
グッドマン氏は、
「アクセスを得るために真実を報道しないといったことがあってはならない」
と警告する。
会見から締め出されたジャーナリストが出たら、
「ジャーナリスト全員が会見をボイコットするべきだ」。
果たしてメディアは「全員がボイコット」の気概を示すことができるだろうか。
トランプ氏の大統領就任は1月末だが、昨年来すでに世界の要人らによる「トランプ詣で」が続々と発生している。
メディア自身が試される年になりそうだ。(この原稿を書き終えたのは12月だった。トランプ大統領就任後の2月1日現在、米メディアはいい勝負をしていると思う。「もう一つの事実」に負けてはいけない。)
*トランプ氏とメディア報道については、朝日新聞の「Web Ronza」(有料サイト)をご覧ください。
すべてが「トランプ・テレビ」になった
メディアは今後、独立した報道や論評を貫けるだろうか?
*フェイスブックとノルウェーの新聞のバトルについては、以下の記事をご覧ください。(朝日新聞の「Web Ronza」)
フェイスブックと闘ったノルウェーの新聞
フェイスブックとニュースメディアの衝突は来年も続くだろう
小林恭子
在英ジャーナリスト
英国、欧州のメディア状況、社会・経済・政治事情を各種媒体に寄稿中。新刊『フィナンシャル・タイムズの実力』(洋泉社)、『英国メディア史』(中央公論新社)、『日本人が知らないウィキリークス(新書)』(共著、洋泉社)。
』
『
ロイター 2017年 02月 2日 19:53 Steve Adler
http://jp.reuters.com/article/blog-reuters-steve-adler-idJPKBN15H0ZX?sp=true
ブログ:「ロイター流」のトランプ報道
● 1月31日、トランプ大統領が率いる米国の新政権に対し、ロイターはどのような報道姿勢で臨んでいるのか。スティーブン・アドラー編集主幹(写真)は、トランプ氏に関するロイター報道のあり方について、以下のように社員にメッセージを送った。2013年ニューヨークで撮影(2017年 ロイター/Carlo Allegri)
トランプ大統領が率いる米国の新政権に対し、ロイターはどのような報道姿勢で臨んでいるのか。
スティーブン・アドラー編集主幹は31日、トランプ氏に関するロイター報道のあり方について、以下のように社員にメッセージを送った。
トランプ政権が始動してからの12日間(そう、まだそれしかたっていない)は、誰にとっても印象深いものとなったが、とりわけ報道に携わるわれわれにとっては、チャレンジングだった。
米国大統領がジャーナリストを「地球上で最も不誠実な人間の類い」と呼んだり、大統領の首席戦略官がメディアを「野党」と言い放ったりすることは、よくあることではない。
トランプ新政権をどのように報道するべきなのか、疑問や意見が充満していても驚くにはあたらない。
では、これに対するロイターとしての答えは何か。
政権をなだめることか。
ブリーフィングをボイコットすることか。
われわれのプラットフォームを使って、メディアへの支持を集めることなのか。
そうした巷にある考え方は、一部の報道機関には正しいことかもしれない。
しかし、ロイターには当てはまらない。
日々、それを世界中で行っているからだ。
分かりきったことだが、ロイターは独立した中立的な立場で、100カ国以上からニュースを伝える世界的な報道機関である。
そのなかには、メディアを歓迎せず、度々攻撃にさらされる国も多く含まれる。
トルコ、フィリピン、エジプト、イラク、イエメン、タイ、中国、ジンバブエ、ロシアといった国々での仕事を私は常に誇りに思っている。
こうした国々では、ジャーナリストは検閲、訴追、査証(ビザ)発給拒否、時には身体的な脅威にも見舞われることがある。
ジャーナリストを守るため、このようなことすべてに対しわれわれは最善を尽くして対応する。
そのためにわれわれは、公正かつ誠実な報道を行うことを改めて決意し、忍耐強く入手困難な情報を集め、そして中立の立場を維持する。
われわれは自分たちのことや自分たちの問題についてはめったに書かないが、ビジネスの世界や読者や視聴者の生活に影響を与えるような問題については頻繁に報道している。
トランプ政権による攻撃が今後、どのように先鋭化するか、あるいは、そうした攻撃によって、われわれの取材活動がどれほど法的な制限を受けるのかはわからない。
だが、確実にわかっているのは、われわれが常に、どこにおいても、自分たちの仕事を支配している同じルールに従わなくてはならないということだ。
そのルールとは、すなわち、以下の通りである。
■<やるべきこと>
●人々の生活にとって重要であることを報道する。
そして、人々がより良い判断ができるよう、必要な事実を提供する。
●より賢く、精力的に動く。情報を得るためのドアが1つ閉ざされたなら、別のドアを開く。
●発表資料に頼ることは止め、情報への公式なアクセスがあるかどうかにはこだわらないようにする。
どのみち、本当に貴重だったことはないのだから。
ロイターのイラン報道は傑出しているが、われわれには事実上、公式に取材する手段はない。
だが、われわれには情報源がある。
●人々がどのように暮らし、いかに考え、何が彼らに役立ち、彼らを傷つけているのか。
そして、政府とその行動が、われわれにではなく、彼らにどう受け止められているのか。現地に入り、さらに理解を深める。
●トムソン・ロイターの「信頼の原則」を手元に置き、「高潔さ、独立性、偏見からの自由を完璧に維持する」ことを忘れない。
■<すべきではないこと>
●決して臆することなく報道する。
●ただし、不要なけんかは売らない。
あるいは、自分たちについての記事は書かない。
われわれは自分たちの内輪の話を気にするかもしれないが、世間一般はそうではなく、たとえそうだとしても、われわれを支持しないかもしれない。
●フラストレーションを毎日のようにかきたてると思われることについても、表立って怒りを爆発させるのは避ける。
他の、数えきれないほど多くの国においても、われわれは個人的憎悪から記事を書いたと疑われないよう、自分たちの考えは内にしまっている。
米国でも同様にそれを行う必要がある。
●報道活動が置かれている環境について、悲観的すぎる見方をしない。
そうした状況は、われわれがより過酷な世界で学んだスキルを実践し、模範を示し、どの報道機関よりも新しく、有益で啓発的な情報や洞察を提供する機会であるのだから。
米国において、そして世界のどこであっても、これがわれわれのミッションである。
世界に影響を与えることができるのは、われわれが勇敢で中立の立場を守るプロフェッショナル・ジャーナリズムに徹しているからだ。
間違いを犯した場合(実際に犯すことはある)、直ちに完全に訂正をする。
何か知らないことがあれば、正直にそう言わなくてはいけない。
うわさを聞いたなら、それを追跡し、事実に基づくものだと自信が持てる場合にのみ報道する。
スピードは重んじるべきだが、性急ではいけない。
さらに確認が必要なときは、確認に時間をかける。
最も早かったとしても、間違っている「スクープ」は回避しなくてはならない。
落ち着きある高潔さをもって仕事に向かわなければならない。
それは、われわれのルールブックにそうあるからということだけが理由ではない。
これまで165年にわたり、それがロイターとしての最高かつ最良の仕事を可能にしてきたからだ。
』
『
ニューズウイーク 2017年02月21日(火)15時45分 冷泉彰彦
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2017/02/post-896.php
トランプはなぜメディアを敵視し、叩き続けるのか?
<まるで選挙期間中のようにラリーで演説を行うトランプ。
そこにはメディアを「敵」に仕立ててトランプ劇場を続けざるを得ない事情が>
先週以降、トランプ政権の周辺は大荒れになっています。
マイケル・フリン大統領補佐官(国家安全保障担当)が13日に辞任し、その後大統領自身が単独記者会見に臨んだものの、メディアとの確執がエスカレートするばかりの結果に終わりました。
先週末は「プレジデント・デイ」という国民の祝日で、多くの職場や学校は3連休になりました。
そこで、というわけかどうかは分かりませんが、トランプ大統領はこの週末もフロリダ州の「マー・ラーゴ」リゾートで過ごしました。
この、週末ごとのフロリダ滞在は、移動の費用をはじめ、警備の費用もバカにならないようで、これまでの3回の合計が1000万ドル(約11億3000万円)という莫大な経費がかかっていることから大きな批判を浴びています。
そんな中、今週は「大統領がゴルフをしたかどうかは秘密」というコメントがありました。
ホワイトハウスとしては、何とか批判を沈静化したいようです。
安倍首相の訪米は、この「政権が一気に批判にさらされる」前に行われたことで、極めてラッキーであると共に、はるか昔のような感覚さえあります。
批判を沈静化したい政権側は、ここで奇抜な策に出ました。
トランプ大統領は、まるで2015年~16年のような「選挙戦」を再開したのです。
【参考記事】トランプ「メディアは国民の敵」、独裁につながる=マケイン議員ら
まず先週17日の金曜日、大統領はサウスカロライナ州のノースチャールストンにあるボーイング社の工場を訪れ、それこそ選挙戦のような演説を行いました。
「自分はアメリカの雇用を最優先にすると約束して当選した。
だから国内雇用を改善する。
工場を海外に移転したら罰する」
などと威勢よくブチ上げたのです。
また19日の日曜には、フロリダ州のメルボルンという大西洋岸の街に登場して演説会を開催しました。
場所はオーランド=メルボルン空港という地方空港で、そこの格納庫を借り切って大勢の支持者を集め、その横の格納庫の大扉は開けておいて、そこに「エアフォースワン」を駐機させるという趣向でした。
昨年の選挙戦の時は「TRUMP」というロゴを派手にペイントしたボーイング757でしたが、大統領になって「専用機」にアップグレードしたというわけです。
ですが、演説のスタイルは昨年と同様で、全くのアドリブ、しかも一方的にメディアを攻撃する「コア支持者だけ」を対象としたものでした。
中でも物議を醸したのは「スウェーデンで何かが起きた」という言い方で、まるでスウェーデンでテロ事件が発生したかのように思わせぶりなコメントをした部分です。
これについては、スウェーデンの外交当局が抗議するなどの騒ぎとなり、ホワイトハウスは「北欧でイスラム系移民の流入増加によって様々な問題が起きている」という「FOXニュースの報道について言及しただけ」だと、火消しに躍起になっていました。
このように本人の発言に「フェイク」がかなり入っているのにも関わらず、演説の中では「多くのメディアはフェイク」であり「国民の敵」だというメディア攻撃を相変わらず繰り返しています。
この演説スタイルですが、何が目的なのか、実はよく分からないのです。
なにしろ2020年に再選を目指す選挙戦を始めるには全くもって早すぎます。
また2018年の中間選挙を目指すにしても、こんないい加減な演説を、しかも巨額の公費を使ってやられては、共和党の議員たちからすればいい迷惑だと思います。
事実、共和党の議員団からは、大統領のメディアとの確執について厳しい批判が出ています。
昨年11月まで続いた選挙戦の期間中は、多少事実に反することや政敵への徹底した攻撃が入ったとしても、基本的に敵味方の「戦いの勢い」という枠組みから理解することができます。
ですが、実際に合衆国大統領に就任した現在もなお、事実かどうか怪しい話を含めて、アドリブで面白おかしくメディアを叩くような演説を行うのは、一体何のためにやっているのか、という疑問が湧いてきます。
【参考記事】トランプのアメリカで反イスラム団体が急増
一つは、選挙戦の時と同じように「敵」を叩いてコアの支持層を熱狂させれば、その支持がジワジワと拡大していく、そのような効果を狙っているという可能性です。
選挙戦の際には憎い敵としてオバマ&ヒラリーという具体的な存在がありました。
その「敵」が消えた現在、大統領もコアの支持層も熱狂を続けるためには新たな敵が必要で、それがメディアだというわけです。
例えば、入国禁止となって困っているイスラム圏からの旅行客や強制送還措置で引き裂かれる不法移民の母子といった、公約の実現した光景を見て、心の底から「良かった」とか「もっとやってくれ」という感情を抱くほど、トランプのコア支持者は歪んではいないと思います。
そのような不健康で嗜虐的な感性は、さすがに大統領自身にも支持層にもないと思います。
そうではなくて、あくまで「敵」を作ってそれを叩く、しかもその敵は「強ければ強いほどいい」という中で、今は、大手メディアを敵に回しているということなのでしょう。
本来は、一刻も早く人事と組織を固め、連邦議会と相談しながら着実に政策を実行するという実績を積み上げることが、支持率アップ、そして中間選挙勝利へのシナリオであるはずです。
ですが、「それが簡単にできない」現実の中では、劇場型の政治を続ける必要があり、そこには「敵」が必要で、現在はメディアとの確執を演ずるしかないということなのだと思います。
』
『
Record china配信日時:2017年2月25日(土)
http://www.recordchina.co.jp/a167321.html
「トランプ政権」で進む米国社会の分断
=議会やメディアへの国民の支持率が激減―元共和党職員の早稲田大学准教授
2017年2月23日、米国政治事情に詳しい中林美恵子早稲田大学准教授が日本記者クラブで「トランプ政権と米議会」と題して講演した。
2大政党制の中で取り残された人々が独断的なトランプに熱狂したと指摘。
議会やメディアへの国民の支持率が激減し、このままでは米国社会の分断が進行進み、民主主義は危機的状況に陥ると警告した。
米国で既存メディアへの不信感が高まり、ギャラップ社の世論調査で
「メディアを信頼する」と答えた割合は、2015年の40%から、16年には32%に激減した。
共和党支持者に限ると、15年の33%から16年には14%と半減。
2002年には50%と過半の支持があったが、この14年間で4分の1に落ち込んだことになる。
米国の2大政党制の中でメディア批判が組み込まれ、共和党の大統領が誕生した。
その人(大統領)が言うのだからそうじゃないか(メディアは信頼できない)と感じる側面がある。
お互いに火をつけあって回転してしまっていることがあるのではないか。
一方で社会の中での不満もある。
今まで共和党を支持してきた、宗教とか米国が立脚すべき自助努力などピューリタン的な発想などを信じている人たちの反発がある。
お金がどんどん海外やカリフォルニア、大都市などに持ち出され自分たちは疎外されていると考える人たちを政党は吸い上げてこなかった。
共和党だけでなく民主党支持者にもそういう考え方を持つ人が増えている。
大統領候補となったサンダース氏に人気が集まったのはその典型だ。
メインストリーム(中枢)や議会に対する支持率も19%ぐらいしかしかない。
国民の不信不安が高まっている。
2大政党制のせいで民主党か共和党かで、どちらかに含まれない考え方の人の選択肢が制限される。
★.2大政党制の負の部分であり、自分の意見を体現してもらえない。
★.2大政党制は「政権交代」や「チェック&バランス」が可能となるなどメリットもあるが、取り残された人たちが出る。
政治家もかなり腐敗している。
議員たちは利益団体との癒着がなければ次の選挙もままならない。
ワシントンの既存政治家が嫌われるゆえんだ。
トランプを生んだのもメディアであり、対決姿勢を取ることによって両方が利益を得ている。
社会は分断されつつある。
マスメディアは違う意見や見方を吸い上げて示すなど、市民に対するバランスのとれた情報発信が大事だと思う。
議会とメディアは民主主義の基盤だが、(尖鋭的な)対立は互いのダメージにつながる。
昨今、ソーシャルメディア(SMS)で一人一人が発信するようになっている。
自分のためにではなく、正確に見通した上で、他者のために発信しているか、見定めるべきだ。
「戦争」という「ちゃぶ台返し」に巻き込まれないよう対応しなければならない。
既存メディアは果たすべき役割があり、重要性は増すだろう。
(トランプ大統領弾劾の可能性について)米国大統領は法律的な違反事項がなければ弾劾されない。
クリントン氏は不倫疑惑の際、偽証罪、でかけられた。
刑事的な要素があるかどうか。
米国の国益を毀損するような明らかな事実があったか。
道徳とか国民から反感が起こるとかなければ弾劾されない。
(八牧浩行)
』
【2017年 大きな予感:世界はどう変わるか】
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yahooニュース 1/31(火) 20:34 山田順 | 作家、ジャーナリスト
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamadajun/20170131-00067205/
トランプはたった2週間で歴史に名を残す「偉大なる大統領」になった!
就任してまだ2週間。なんと、トランプが歴史に名を残す“偉大なる大統領”だということが、もう確定した。
いまや、トンデモ大統領令の連発で、世界中が大混乱しているが、よくよく考えてみれば、これらはすべてわかっていたことだ。
なぜなら、トランプは少しもブレていない。
前から言っていたことを、忠実に、猛スピードでやっているにすぎないからだ。
こんな大統領は、アメリカ史上初めてである。
「難民の受け入れ凍結」と「イスラム圏7か国の出身者の入国禁止」を指示した大統領令に、いまさら驚くことなどない。
むしろ、トランプが人種差別主義者、白人優位主義者ということを思えば、この程度なら「軽い」ほうである。
「なにをやってくるかわからない」と言っている評論家、メディアがあるが、そんなことはない。
彼のやっていることは単純だ。
これからも、選挙戦で言ってきたことをやるだけだ。
この2週間ではっきりしたことが3つある。
(1):選挙戦で言ったことをそのままやること。
大統領になったからといってなんら変わらない。
公約は実行するのだ。
この点で、公約をすぐ破る某国政治家は足元にも及ばない。
本当に偉大な大統領だ。
(2):彼の頭の中には、
自由、正義、民主主義、法の支配、人権、平等といった、アメリカの国家としての理念や普遍的価値観がまったくない。
おそらく、アメリカ人なら必ず暗唱できる「The Pledge of Allegiance」(忠誠の誓い)を暗唱できないかもしれない。
独立宣言になにが書いてあるのかも知らないだろう。
とすれば、偉大すぎて言葉を失う。
(3):トランプは資本主義を知らない。
だから、思ったまま言える。
メキシコ国境の壁の建設費用をメキシコが払わないなら、メキシコ製品に関税20%を課して費用を捻出するという。
となると、費用はアメリカ人が払うことになるが、この矛盾に気づかない。
本当に偉大だ。
しかし、こんなことが起こるとは、昨年の11月まで、夢にも思わなかった。
それまでは、仕事とはいえ、世界情勢、経済情勢を真面目に分析していた。
しかし、いまや、そんなことはする気も起こらない。
民主主義が完全に機能すると、こういうことが起こるということなのだろう。
トランプは、アメリカ人の「知性」を代表している。
アメリカは低度情報化社会、集合愚の社会になった。
見ていて、面白くてたまらない。
アメコミより面白い。
敬虔な英国教会司祭の娘である英メイ首相と会談後、「おて手」つないで歩いてしまうのだ。
ところで、こうしたトランプによる混乱で、経済情勢も混乱するという見方が一般化している。
お利口評論家は、口を揃えて「トランプ大統領は不確実要素」と言う。
しかし、これは嘘である。トランプがこれまで言ってきたこと、たとえば大減税や大規模公共投資をやれば、不確定要素などない。
短期的にアメリカ第一主義は大勝ちし、NY株価は上がり、ドルはますます強くなり、石油価格は下がるだろう。
投資家に愛国心など必要ない。
儲けさせてくれればいいのだ。
この点でも、トランプは偉大なる大統領だ。
』
『
yahooニュース 2/1(水) 18:17 小林恭子 | 在英ジャーナリスト
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kobayashiginko/20170201-00067158/
政治とメディアは「ずれている」か?
―英国のEU国民投票、米大統領選の後で
(新聞通信調査会発行の「メディア展望」1月号掲載の筆者記事に補足しました。)
昨年1年間、筆者が出席したメディアをテーマにした国際会議の中で、最も刺激を受けたある会議をご紹介したい。
***
昨年末、英米両国は2つの政治事件で大きく揺れた。
英国では国民投票で欧州連合(EU)からの離脱(「ブレグジット」)が決定され、米国では数々の暴言で知られるトランプ共和党候補が大統領選で当選した。
どちらの場合も、反対側つまり英国ではEU加盟残留派、米国ではクリントン民主党候補が最後には勝つのではないかと予想されており、世論調査や専門家の分析が大きく外れた結果となった。
両国の国民は既存体制の存続あるいは既存体制に似た体制の成立よりも、変化を望んだことになる。
世論調査や専門家の言説を報道することで「最後には残留が勝つだろう」あるいは「クリントン有利」と報道したメディアは大きな反省を迫られた。
メディアは現実をしっかりと掴み、市民のために報道を行う役割を果たせたのだろうか?
一体、ジャーナリズムは何のためにあるのだろう?
そんな疑問が頭に浮かんでいた時にコペンハーゲンで開催されたのが、 ニュースのテレビ会議「News Xchange(ニュース・エクスチェンジ)」だ。
正面から、メディアの役割を取り上げたのである。
最初のセッション「メディアは現実からずれているか?」でのやり取りを紹介しながら、会場の雰囲気を伝えてみたい。
News Xchangeは欧州放送連合(EBU)傘下にある組織ユーロビジョンが主催者となり、毎年開催されている。
2016年は11月30日から2日間の日程となり、放送を中心としたニュースメディアの関係者約630人が参加した。
■「ジャーナリズムの再定義の時」
11月8日の米大統領選の結果が出たのは翌9日。
トランプ氏当選の衝撃がまだ醒めやらない中で開催された会議は、これまでのメディア報道を反省するメッセージで開始された。
「私たちメディアは市民に信用されなくなってきている。
これまでのやり方ではだめだ」(デンマーク放送協会=DR=のニュース部門統括者ユーリック・ハーゲラップ氏、オープニング・スピーチで)。
同じスロットで、EBUのメディア・ディレクター、ジャンフィリップ・ド・テンダー氏は「ジャーナリズムとは何か、何ができるのかを再定義するべき」と主張した。
ジャーナリズムについて考えるには「絶好の機会が訪れている」というのは会議のマネジング・ディレクター、エイミー・セルウィン氏だ。
「米国では44%の市民がフェイスブックを通してニュースに接している。
過去10年間で、米メディア界で働く人は40%減少している」
と指摘。
産業的にも既存メディアは危機的状態にある、という認識だ。
筆者はこの数字を聞いて、頭がガーンとなった。
40%もー。
何が事実に基づいたニュースで何がそうでないのかの線引きも、揺らいでいるという。
真実ではないニュースをあたかも真実であるかのように拡散する、いわゆる「フェイク・ニュース」が広がっているからだ。
また、「82%のティーンエイジャーたちは記事の体裁をした広告と通常の記事の区別がつかない」という。
セルウィン氏は、メディアで働く人にとっては身の引き締まるような状況を描いて見せた。
オープニング・メッセージの後に、いよいよ最初のセッション「私たちメディアは現実からずれているか?」が始まった。
「私たちは間違えた。間違ってばかりだ」
司会役として登場したのは英BBCで30年間政治記者を務めたニック・ロビンソン氏とDRのニュース・プレゼンター、ティネ・ゴーチェ氏だ。
ロビンソン氏はEU国民投票や大統領選挙の報道で
「私たちメディアは(正しく現実を掴めなかったという点で)間違った。
間違ってばかりだ」
と述べた。
ゴーチェ氏は
「今まで何十年も事実を積み上げてニュース報道を行ってきた。
この頃は、視聴者は事実かどうかを気にかけていないのではないかと思う」
という。
画面中央のスクリーンで動画が始まった。この1年を振り返り、トランプ氏が1年半前に大統領選に出馬すると発表した時メディアがその現実性に半信半疑であったこと、投票日直前には
専門家が「96%以上の確率でクリントンが勝つ」と予想していた
ことを映し出す。
離脱派の英政治家マイケル・ゴーブ氏が、「人々は専門家の言うことをもう信じていない」と述べる場面も出た。
動画終了後、舞台に登場したのは英国独立党(UKIP)の元党首ナイジェル・ファラージ氏だ。
同氏は25年にわたり英国のEU(およびその前身)からの離脱を主張してきた。
昨年6月に行われた国民投票でブレグジット側を勝利に導いた最大の功労者だが、反移民の政党を率いる「ポピュリスト政治家」とも言われている。
ファラージ氏は、自分が政治活動を始めたのは英国の政治家たちが「普通の市民からかけ離れた存在」となっていると思ったからだという。
「多くの市民は、政治家もそしてメディアも自分たちの意見に耳を傾けていないと感じている。」
同氏によると、英メディアに勤める人の大部分が
「中流階級出身で、大学教育を受け、大都市圏に住んでいる 」。
このため、ファラージ氏が言うところの「普通の市民の声」を代弁していないという。
EU域内の「人、モノ、サービスの自由な行き来」の原則の下、無制限に英国にやってくるEU移民の流入に対する人々の不安感を十分に報道することができなかったのもそのせいだ、と同氏は分析する。
「メディアはEU脱退を主張するUKIPをほとんど無視してきた」。
既存メディアにとって移民を否定的文脈で捉えることはタブーであり、EU脱退は「過激的思想」だった。
ファラージ氏はソーシャルメディアなどネットを利用して自説をアピールし、支持者を増やすしかなかったという。
その成果は徐々に出た。UKIPは2014年の欧州議会選挙で英国では第1党となった。
2015年の総選挙では議席数こそ少なかったものの(1議席獲得のみ)、得票率(12・6%)では第3位となった。
「2016年はアウトサイダーが勝利した年だった。
メディアはリセットボタンを押すべきだ」。
■「トランプを過剰に取り上げたメディア」
午後に行われた「トランプ現象」と題されたセッションの様子を手短に振り返る。
トランプ氏が立候補宣言をすると、テレビ局は連日同氏の一挙一動を報道してきた。
身体障害者、イスラム教徒、女性に対する暴言があっても過熱報道は変わらなかった。
米サイト「デモクラシー・ナウ!」を主催するエイミー・グッドマン氏は「すべてのテレビ局が『トランプ・テレビ』になった」と指摘する。
「トランプ氏は大手テレビ局が作ったのだと思う。
米CBSの経営幹部が『トランプは米国にとって良くないが、CBSにとっては(視聴率が上がるので)良い』と発言したのが典型的だ」。
トランプ支持の米サイト「ブライトバート・ニュース」のマット・ボイル氏はトランプ氏の勝利は
「衝撃ではなかった。私たちは国民の不安感を報道してきた」
という。
ただ、拮抗していた両陣営の支持率の
「読み方には苦労した。状況をより正確に反映する新たな手法が求められている」。
パネリストらの間で共有されたのが
「両候補者のパーソナリティーや世論調査の結果に一喜一憂する報道が多すぎた。
投票の決め手となる問題の分析が少なかった」
点だった。
米ジャーナリストのセラ・ケンジオール氏は、
「トランプ氏は世界の独裁政権の指導者と同じと見るべきだろうと思う。
その行動に説明責任を持たせるため、調査報道を果敢に続けるべき。
懸念は、メディアが新大統領へのアクセス権を得るために媚をうる存在になるのではという点だ」。
グッドマン氏は、
「アクセスを得るために真実を報道しないといったことがあってはならない」
と警告する。
会見から締め出されたジャーナリストが出たら、
「ジャーナリスト全員が会見をボイコットするべきだ」。
果たしてメディアは「全員がボイコット」の気概を示すことができるだろうか。
トランプ氏の大統領就任は1月末だが、昨年来すでに世界の要人らによる「トランプ詣で」が続々と発生している。
メディア自身が試される年になりそうだ。(この原稿を書き終えたのは12月だった。トランプ大統領就任後の2月1日現在、米メディアはいい勝負をしていると思う。「もう一つの事実」に負けてはいけない。)
*トランプ氏とメディア報道については、朝日新聞の「Web Ronza」(有料サイト)をご覧ください。
すべてが「トランプ・テレビ」になった
メディアは今後、独立した報道や論評を貫けるだろうか?
*フェイスブックとノルウェーの新聞のバトルについては、以下の記事をご覧ください。(朝日新聞の「Web Ronza」)
フェイスブックと闘ったノルウェーの新聞
フェイスブックとニュースメディアの衝突は来年も続くだろう
小林恭子
在英ジャーナリスト
英国、欧州のメディア状況、社会・経済・政治事情を各種媒体に寄稿中。新刊『フィナンシャル・タイムズの実力』(洋泉社)、『英国メディア史』(中央公論新社)、『日本人が知らないウィキリークス(新書)』(共著、洋泉社)。
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ロイター 2017年 02月 2日 19:53 Steve Adler
http://jp.reuters.com/article/blog-reuters-steve-adler-idJPKBN15H0ZX?sp=true
ブログ:「ロイター流」のトランプ報道
● 1月31日、トランプ大統領が率いる米国の新政権に対し、ロイターはどのような報道姿勢で臨んでいるのか。スティーブン・アドラー編集主幹(写真)は、トランプ氏に関するロイター報道のあり方について、以下のように社員にメッセージを送った。2013年ニューヨークで撮影(2017年 ロイター/Carlo Allegri)
トランプ大統領が率いる米国の新政権に対し、ロイターはどのような報道姿勢で臨んでいるのか。
スティーブン・アドラー編集主幹は31日、トランプ氏に関するロイター報道のあり方について、以下のように社員にメッセージを送った。
トランプ政権が始動してからの12日間(そう、まだそれしかたっていない)は、誰にとっても印象深いものとなったが、とりわけ報道に携わるわれわれにとっては、チャレンジングだった。
米国大統領がジャーナリストを「地球上で最も不誠実な人間の類い」と呼んだり、大統領の首席戦略官がメディアを「野党」と言い放ったりすることは、よくあることではない。
トランプ新政権をどのように報道するべきなのか、疑問や意見が充満していても驚くにはあたらない。
では、これに対するロイターとしての答えは何か。
政権をなだめることか。
ブリーフィングをボイコットすることか。
われわれのプラットフォームを使って、メディアへの支持を集めることなのか。
そうした巷にある考え方は、一部の報道機関には正しいことかもしれない。
しかし、ロイターには当てはまらない。
日々、それを世界中で行っているからだ。
分かりきったことだが、ロイターは独立した中立的な立場で、100カ国以上からニュースを伝える世界的な報道機関である。
そのなかには、メディアを歓迎せず、度々攻撃にさらされる国も多く含まれる。
トルコ、フィリピン、エジプト、イラク、イエメン、タイ、中国、ジンバブエ、ロシアといった国々での仕事を私は常に誇りに思っている。
こうした国々では、ジャーナリストは検閲、訴追、査証(ビザ)発給拒否、時には身体的な脅威にも見舞われることがある。
ジャーナリストを守るため、このようなことすべてに対しわれわれは最善を尽くして対応する。
そのためにわれわれは、公正かつ誠実な報道を行うことを改めて決意し、忍耐強く入手困難な情報を集め、そして中立の立場を維持する。
われわれは自分たちのことや自分たちの問題についてはめったに書かないが、ビジネスの世界や読者や視聴者の生活に影響を与えるような問題については頻繁に報道している。
トランプ政権による攻撃が今後、どのように先鋭化するか、あるいは、そうした攻撃によって、われわれの取材活動がどれほど法的な制限を受けるのかはわからない。
だが、確実にわかっているのは、われわれが常に、どこにおいても、自分たちの仕事を支配している同じルールに従わなくてはならないということだ。
そのルールとは、すなわち、以下の通りである。
■<やるべきこと>
●人々の生活にとって重要であることを報道する。
そして、人々がより良い判断ができるよう、必要な事実を提供する。
●より賢く、精力的に動く。情報を得るためのドアが1つ閉ざされたなら、別のドアを開く。
●発表資料に頼ることは止め、情報への公式なアクセスがあるかどうかにはこだわらないようにする。
どのみち、本当に貴重だったことはないのだから。
ロイターのイラン報道は傑出しているが、われわれには事実上、公式に取材する手段はない。
だが、われわれには情報源がある。
●人々がどのように暮らし、いかに考え、何が彼らに役立ち、彼らを傷つけているのか。
そして、政府とその行動が、われわれにではなく、彼らにどう受け止められているのか。現地に入り、さらに理解を深める。
●トムソン・ロイターの「信頼の原則」を手元に置き、「高潔さ、独立性、偏見からの自由を完璧に維持する」ことを忘れない。
■<すべきではないこと>
●決して臆することなく報道する。
●ただし、不要なけんかは売らない。
あるいは、自分たちについての記事は書かない。
われわれは自分たちの内輪の話を気にするかもしれないが、世間一般はそうではなく、たとえそうだとしても、われわれを支持しないかもしれない。
●フラストレーションを毎日のようにかきたてると思われることについても、表立って怒りを爆発させるのは避ける。
他の、数えきれないほど多くの国においても、われわれは個人的憎悪から記事を書いたと疑われないよう、自分たちの考えは内にしまっている。
米国でも同様にそれを行う必要がある。
●報道活動が置かれている環境について、悲観的すぎる見方をしない。
そうした状況は、われわれがより過酷な世界で学んだスキルを実践し、模範を示し、どの報道機関よりも新しく、有益で啓発的な情報や洞察を提供する機会であるのだから。
米国において、そして世界のどこであっても、これがわれわれのミッションである。
世界に影響を与えることができるのは、われわれが勇敢で中立の立場を守るプロフェッショナル・ジャーナリズムに徹しているからだ。
間違いを犯した場合(実際に犯すことはある)、直ちに完全に訂正をする。
何か知らないことがあれば、正直にそう言わなくてはいけない。
うわさを聞いたなら、それを追跡し、事実に基づくものだと自信が持てる場合にのみ報道する。
スピードは重んじるべきだが、性急ではいけない。
さらに確認が必要なときは、確認に時間をかける。
最も早かったとしても、間違っている「スクープ」は回避しなくてはならない。
落ち着きある高潔さをもって仕事に向かわなければならない。
それは、われわれのルールブックにそうあるからということだけが理由ではない。
これまで165年にわたり、それがロイターとしての最高かつ最良の仕事を可能にしてきたからだ。
』
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ニューズウイーク 2017年02月21日(火)15時45分 冷泉彰彦
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2017/02/post-896.php
トランプはなぜメディアを敵視し、叩き続けるのか?
<まるで選挙期間中のようにラリーで演説を行うトランプ。
そこにはメディアを「敵」に仕立ててトランプ劇場を続けざるを得ない事情が>
先週以降、トランプ政権の周辺は大荒れになっています。
マイケル・フリン大統領補佐官(国家安全保障担当)が13日に辞任し、その後大統領自身が単独記者会見に臨んだものの、メディアとの確執がエスカレートするばかりの結果に終わりました。
先週末は「プレジデント・デイ」という国民の祝日で、多くの職場や学校は3連休になりました。
そこで、というわけかどうかは分かりませんが、トランプ大統領はこの週末もフロリダ州の「マー・ラーゴ」リゾートで過ごしました。
この、週末ごとのフロリダ滞在は、移動の費用をはじめ、警備の費用もバカにならないようで、これまでの3回の合計が1000万ドル(約11億3000万円)という莫大な経費がかかっていることから大きな批判を浴びています。
そんな中、今週は「大統領がゴルフをしたかどうかは秘密」というコメントがありました。
ホワイトハウスとしては、何とか批判を沈静化したいようです。
安倍首相の訪米は、この「政権が一気に批判にさらされる」前に行われたことで、極めてラッキーであると共に、はるか昔のような感覚さえあります。
批判を沈静化したい政権側は、ここで奇抜な策に出ました。
トランプ大統領は、まるで2015年~16年のような「選挙戦」を再開したのです。
【参考記事】トランプ「メディアは国民の敵」、独裁につながる=マケイン議員ら
まず先週17日の金曜日、大統領はサウスカロライナ州のノースチャールストンにあるボーイング社の工場を訪れ、それこそ選挙戦のような演説を行いました。
「自分はアメリカの雇用を最優先にすると約束して当選した。
だから国内雇用を改善する。
工場を海外に移転したら罰する」
などと威勢よくブチ上げたのです。
また19日の日曜には、フロリダ州のメルボルンという大西洋岸の街に登場して演説会を開催しました。
場所はオーランド=メルボルン空港という地方空港で、そこの格納庫を借り切って大勢の支持者を集め、その横の格納庫の大扉は開けておいて、そこに「エアフォースワン」を駐機させるという趣向でした。
昨年の選挙戦の時は「TRUMP」というロゴを派手にペイントしたボーイング757でしたが、大統領になって「専用機」にアップグレードしたというわけです。
ですが、演説のスタイルは昨年と同様で、全くのアドリブ、しかも一方的にメディアを攻撃する「コア支持者だけ」を対象としたものでした。
中でも物議を醸したのは「スウェーデンで何かが起きた」という言い方で、まるでスウェーデンでテロ事件が発生したかのように思わせぶりなコメントをした部分です。
これについては、スウェーデンの外交当局が抗議するなどの騒ぎとなり、ホワイトハウスは「北欧でイスラム系移民の流入増加によって様々な問題が起きている」という「FOXニュースの報道について言及しただけ」だと、火消しに躍起になっていました。
このように本人の発言に「フェイク」がかなり入っているのにも関わらず、演説の中では「多くのメディアはフェイク」であり「国民の敵」だというメディア攻撃を相変わらず繰り返しています。
この演説スタイルですが、何が目的なのか、実はよく分からないのです。
なにしろ2020年に再選を目指す選挙戦を始めるには全くもって早すぎます。
また2018年の中間選挙を目指すにしても、こんないい加減な演説を、しかも巨額の公費を使ってやられては、共和党の議員たちからすればいい迷惑だと思います。
事実、共和党の議員団からは、大統領のメディアとの確執について厳しい批判が出ています。
昨年11月まで続いた選挙戦の期間中は、多少事実に反することや政敵への徹底した攻撃が入ったとしても、基本的に敵味方の「戦いの勢い」という枠組みから理解することができます。
ですが、実際に合衆国大統領に就任した現在もなお、事実かどうか怪しい話を含めて、アドリブで面白おかしくメディアを叩くような演説を行うのは、一体何のためにやっているのか、という疑問が湧いてきます。
【参考記事】トランプのアメリカで反イスラム団体が急増
一つは、選挙戦の時と同じように「敵」を叩いてコアの支持層を熱狂させれば、その支持がジワジワと拡大していく、そのような効果を狙っているという可能性です。
選挙戦の際には憎い敵としてオバマ&ヒラリーという具体的な存在がありました。
その「敵」が消えた現在、大統領もコアの支持層も熱狂を続けるためには新たな敵が必要で、それがメディアだというわけです。
例えば、入国禁止となって困っているイスラム圏からの旅行客や強制送還措置で引き裂かれる不法移民の母子といった、公約の実現した光景を見て、心の底から「良かった」とか「もっとやってくれ」という感情を抱くほど、トランプのコア支持者は歪んではいないと思います。
そのような不健康で嗜虐的な感性は、さすがに大統領自身にも支持層にもないと思います。
そうではなくて、あくまで「敵」を作ってそれを叩く、しかもその敵は「強ければ強いほどいい」という中で、今は、大手メディアを敵に回しているということなのでしょう。
本来は、一刻も早く人事と組織を固め、連邦議会と相談しながら着実に政策を実行するという実績を積み上げることが、支持率アップ、そして中間選挙勝利へのシナリオであるはずです。
ですが、「それが簡単にできない」現実の中では、劇場型の政治を続ける必要があり、そこには「敵」が必要で、現在はメディアとの確執を演ずるしかないということなのだと思います。
』
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Record china配信日時:2017年2月25日(土)
http://www.recordchina.co.jp/a167321.html
=議会やメディアへの国民の支持率が激減―元共和党職員の早稲田大学准教授
2017年2月23日、米国政治事情に詳しい中林美恵子早稲田大学准教授が日本記者クラブで「トランプ政権と米議会」と題して講演した。
2大政党制の中で取り残された人々が独断的なトランプに熱狂したと指摘。
議会やメディアへの国民の支持率が激減し、このままでは米国社会の分断が進行進み、民主主義は危機的状況に陥ると警告した。
米国で既存メディアへの不信感が高まり、ギャラップ社の世論調査で
「メディアを信頼する」と答えた割合は、2015年の40%から、16年には32%に激減した。
共和党支持者に限ると、15年の33%から16年には14%と半減。
2002年には50%と過半の支持があったが、この14年間で4分の1に落ち込んだことになる。
米国の2大政党制の中でメディア批判が組み込まれ、共和党の大統領が誕生した。
その人(大統領)が言うのだからそうじゃないか(メディアは信頼できない)と感じる側面がある。
お互いに火をつけあって回転してしまっていることがあるのではないか。
一方で社会の中での不満もある。
今まで共和党を支持してきた、宗教とか米国が立脚すべき自助努力などピューリタン的な発想などを信じている人たちの反発がある。
お金がどんどん海外やカリフォルニア、大都市などに持ち出され自分たちは疎外されていると考える人たちを政党は吸い上げてこなかった。
共和党だけでなく民主党支持者にもそういう考え方を持つ人が増えている。
大統領候補となったサンダース氏に人気が集まったのはその典型だ。
メインストリーム(中枢)や議会に対する支持率も19%ぐらいしかしかない。
国民の不信不安が高まっている。
2大政党制のせいで民主党か共和党かで、どちらかに含まれない考え方の人の選択肢が制限される。
★.2大政党制の負の部分であり、自分の意見を体現してもらえない。
★.2大政党制は「政権交代」や「チェック&バランス」が可能となるなどメリットもあるが、取り残された人たちが出る。
政治家もかなり腐敗している。
議員たちは利益団体との癒着がなければ次の選挙もままならない。
ワシントンの既存政治家が嫌われるゆえんだ。
トランプを生んだのもメディアであり、対決姿勢を取ることによって両方が利益を得ている。
社会は分断されつつある。
マスメディアは違う意見や見方を吸い上げて示すなど、市民に対するバランスのとれた情報発信が大事だと思う。
議会とメディアは民主主義の基盤だが、(尖鋭的な)対立は互いのダメージにつながる。
昨今、ソーシャルメディア(SMS)で一人一人が発信するようになっている。
自分のためにではなく、正確に見通した上で、他者のために発信しているか、見定めるべきだ。
「戦争」という「ちゃぶ台返し」に巻き込まれないよう対応しなければならない。
既存メディアは果たすべき役割があり、重要性は増すだろう。
(トランプ大統領弾劾の可能性について)米国大統領は法律的な違反事項がなければ弾劾されない。
クリントン氏は不倫疑惑の際、偽証罪、でかけられた。
刑事的な要素があるかどうか。
米国の国益を毀損するような明らかな事実があったか。
道徳とか国民から反感が起こるとかなければ弾劾されない。
(八牧浩行)
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【2017年 大きな予感:世界はどう変わるか】
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