2017年6月22日木曜日

自衛隊この不思議な存在(3):「9条の2」、「わが国を防衛するための必要最小限度の実力組織」

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   これまで「解決先送り法」で辻褄を合わせてきた自衛隊だが、中国での2012年の反日デモでそれができなくなってしまった。
 解決先送り法でこのところ有名なのはオバマの北朝鮮に対する「戦略的忍耐」であろう。
 だがその結果は惨めなものであった。
 逆に日本はオバマの結果をうまく利用して、解決先送りを解消してしまおうともくろんでいる。
 北朝鮮は日本にとって「いま、そこにある危機」としてアピールしやすい。
 絶好のチャンスをつかんでいる、ということであろう。
 もし、金正恩がなんらかの形で排除されるようなことがあったら、千載一遇のチャンスを逃すことになる。
 金正恩が権力を把握しているあいだに一歩踏み出しておきたい、というのが政府の意図であろう。


ロイター 2017年 06月 22日 02:00 JST
http://jp.reuters.com/article/idJP2017062101001688

自衛隊「防衛の実力組織」

 自民党の憲法改正推進本部が、憲法9条に自衛隊の存在を明記する安倍晋三首相(党総裁)提案を踏まえ、今後の議論のたたき台とする条文案が21日、判明した。
 現行9条と別立ての「9条の2」を新設し、自衛隊について
 「わが国を防衛するための必要最小限度の実力組織」
と規定。
 戦力不保持などを定めた現行9条2項を受ける形で「自衛隊を設けることを妨げるものと解釈してはならない」と明示した。
 首相が自衛隊の指揮監督権を持つことも盛り込んだ。
 党関係者が明らかにした。

 自民党は年内の改憲案策定を目指しており、早ければ秋にも具体的な条文案を巡って公明党との調整に着手したい意向。



6/24(土) 14:47配信 時事通信
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017062400384&g=pol

安倍首相、年内に自民改憲案提出
=「歴史的一歩」に決意

 安倍晋三首相(自民党総裁)は24日、神戸市内で講演し、憲法改正について
  「来るべき臨時国会が終わる前に、衆参の憲法審査会に自民党案を提出したい」
と述べ、年内提出を目指す方針を明らかにした。

 首相は9条を改正して2020年の施行を目指す意向を示しているが、今秋に想定する臨時国会への提出に言及したのは初めて。

 自民党の憲法改正推進本部は首相の指示を受け、年内をめどに改憲原案を取りまとめる方針だが、衆参憲法審への年内提出までは明言していなかった。
 首相は既に、内閣改造・党役員人事を8月上旬にも前倒しする方向で調整。
 改憲の国民投票と衆院解散・総選挙の同時実施も視野に置いているとみられ、改憲案の策定を急いで解散時期の選択肢を広げる狙いもありそうだ。

 首相は講演で
 「憲法施行70年の節目である本年中に、わが党が先頭に立って歴史的一歩を踏み出す決意だ」
と表明。
 教育も「避けて通れない重要なテーマ」との認識を示し、「人づくり、教育の重要性をもう一度確認すべき時だ」と指摘した。
 教育無償化の改憲案への明記が念頭にある。



Record china配信日時:2017年6月24日(土) 18時10分
http://www.recordchina.co.jp/b182080-s0-c10.html

支持率に陰りの安倍首相、
「応援団」は中国と北朝鮮、
日本への「風圧」が政権の求心力下支え、韓国も仲間入り?

 2017年6月23日、加計学園問題などを抱え、最新の各種世論調査で支持率に陰りものぞく安倍晋三首相。
  そんな安倍政権の「応援団」は皮肉にも中国と北朝鮮だ。
 日本への「風圧」が政権の求心力を下支えしている。
 文在寅政権の誕生で慰安婦問題が再燃している韓国も応援団に仲間入りしそうな雲行きだ。

 まず中国。
 東シナ海の沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺では中国公船による領海侵入が常態化している。
 広範な領有権を主張する南シナ海でも軍事拠点化を緩める気配はない。
 防衛省によると、昨年4月〜12月末までの間に航空自衛隊が領空侵犯に備えて緊急発進(スクランブル)した回数は838回で、前年同時期と比べて316回増えて過去最多となった。
 国別では中国機に対する発進が644回と、前年同時期から271回も増えた。

 日本人を標的にした攻勢も目立つ。
 「スパイ活動」の疑いで、この2年間に中国で拘束された日本人は12人にも上る。
 中国当局が詳細を明らかにしていないため、事の真偽は不明だが、中国網は「12人はどんな活動をしていたのか」との記事を掲載。
 「日本は最近、海外情報に力を入れるため、政府内に新たな機関を設置。スパイ活動を行うチームを拡充させている」などと敵対視している。

 核・ミサイル開発に突き進む北朝鮮から吹く風はさらに強烈だ。
 今年なってからも、日本海に向けて弾道ミサイル発射を繰り返し、一部は日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾した。
 核攻撃をちらつかせながら、「有事には米国より先に日本列島が丸ごと焦土になり得る」「米軍の兵たん、発進、出撃基地になっている日本が真っ先に(核爆発による)放射能雲で覆われる」などとも威嚇している。

 安倍首相は日本を取り巻く安全保障環境の変化を理由として野党の反対を押し切り、一定の条件下で集団的自衛権の行使は認められるという14年7月の憲法解釈変更の閣議決定や、15年9月の「平和安全法制」の制定などを積み重ねてきた。
 日本に圧力を強める中朝両国の動向を目の当たりにすると一連の取り組みは説得力を持ち、日本国内のナショナリズムとも相まって政権を少なからずアシストしている。

 一方、韓国の文大統領は米紙とのインタビューで、15年末に日本との間で「不可逆的に解決」したはずの慰安婦問題について「日本政府の公式謝罪」に言及した。
 「ゴールポスト」が動く事態になれば日本国内の反発を招き、韓国に譲らない態度を取る安倍政権の追い風になりそうだ。

 安倍首相の応援団は国内にもいる。
 民進党だ。
 共同通信社が17,18両日に実施した世論調査によると、内閣支持率は加計学園問題などが響き、44.9%と前回5月から10.5ポイントも急落。
 不支持率は8.8ポイント増の43.1%になったが、支持する理由は「ほかに適当な人がいない」が46.1%と最多だった。
 NHKの6月の世論調査でも「他の内閣より良さそうだから」が50%を占めた。
 迷走を続けた旧民主党政権3年間のツケは大きい。