日本と中国がアジアで空母巡行合戦を繰り広げている。
いずもと遼寧、これはハード合戦ではあるが、問題は空母を使ってソフト的に周辺諸国にどう対応できるかである。
そのあたりでは、日本の方が一枚役者が上ということになるかもしれない。
遼寧に各国のオエライさんを招待して、戦闘機の離着・発着の様子を見学させることは結構なパフォーマンスになると思うが、果たして中国にそれができるか。
そんな中で事故でも起こしたらメンツ丸つぶれということにもなる。
そこまでのレベル能力はもっていないようである。
難しい判断である。
「いずも」はヘリ空母であるが、早晩「F35B」を離発着させることになるだろう。
そのあたりを見据えての日本政府の周辺諸国への巡行ということであろう。
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JB Press 2017.6.29(木) 北村 淳
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50363
FONOP参加よりはるかに効果的な「いずも」の活躍
ASEAN各国の士官を招待して南シナ海を航行
●海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」(写真:防衛省)
南シナ海、そしてインド洋方面に長期にわたって展開中の海上自衛隊のヘリコプター空母「いずも」が、先週、ASEAN諸国の若手将校を乗艦させて南シナ海を航海した。
中国が一方的に「主権的海域」と主張している九段線内海域へは乗り入れなかったようではあるが、中国による軍事的コントロール態勢が強化されつつある南シナ海情勢を睨んで、日本とASEAN諸国との協力関係を少しでも促進するための努力として大いに評価されるべき軍艦の運用であった。
●南シナ海に中国が設定している九段線(太い点線)
■揺れ動くトランプ大統領の対中姿勢
中国による南シナ海の覇権確保政策に対して、これまでアメリカは軍事的威嚇を含んだ強圧的な対抗策を実施してこなかった。
本コラムでも繰り返し触れてきたように、中国に対して融和的であったオバマ政権時代に中国による南シナ海支配態勢は飛躍的に進展し、もはや戦争以外に突き崩すことができない状態に立ち至っている(公に口にされることはないが、国際常識になっていると言ってよい)。
トランプ大統領は、大統領選挙期間中から政権発足後しばらくの期間は、南シナ海問題を含めて中国に対して強硬な姿勢を示していた。
しかし、北朝鮮問題が急浮上したため、習近平政権に対して融和的な姿勢を示さなければならなくなってしまった。
マティス国防長官やティラーソン国務長官は、中国の南シナ海での拡張主義的行動に対して警鐘を鳴らしてはいるものの、オバマ政権後期の対中牽制的ポーズと五十歩百歩といったレベルに留まっている。
ただし中国は、トランプ政権が期待していたような効果的圧力を北朝鮮にかけていない。
そのことに対してアメリカ側ではいらだちが募っており、ある程度は中国に対して強硬な立場を取らないと、北朝鮮に対する圧力も反故にされかねないとの懸念も高まってきている。
そこで、米国はようやく南シナ海でのFONOP(公海航行自由原則維持のための作戦)を再開し、FONOP以外にも軍艦や偵察機なども派遣するようになったのである。
■FONOPしか手がないアメリカ
しかし、たとえトランプ大統領が再び中国に対して強硬な姿勢を取るようになったとしても、南シナ海(それに東シナ海)を巡ってのアメリカによる対中牽制行動は、現在のレベルから飛躍的に強硬になることは考えにくい。
なぜならば、アメリカには「第三国間の領有権紛争には直接関与しない」という外交原則が伝統的に存在しているからだ。
そのため、これまで実施された南シナ海でのFONOPも、対象国が関与している領域紛争に介入したり、領有権の主張を真っ向から否定することは決してない。
あくまでも「国際海洋法の重要な原則の1つである『公海での航行自由原則』を侵害している(あるいは脅かす恐れがある)国家に対して、航行自由原則を尊重させる」ために軍艦や軍用機を派遣して示威活動を行っているのである。
実際に南シナ海でのFONOPでは、中国が人工島化したり武装を固めつつある島嶼環礁の周辺海域に軍艦を派遣してはいるものの、それらの海域での中国、フィリピン、ベトナムなどによる領域紛争に関して触れることはない。
■外交方針を転換しても効果は見込めない
今後、もしもトランプ政権がアメリカ外交の伝統を打ち破って、「アメリカの国益を守るために第三国間の領域紛争にも関与する」という立場へ方針転換するならば、中国が建設した7つの人工島などでの中国領有権を否定することができるようになる。
しかし、南沙諸島は中国とフィリピン、あるいは中国とベトナムといったように2カ国間での領有権紛争ではない。
いずれの島嶼環礁も、中国、フィリピン、ベトナム、マレーシア、台湾、そしてブルネイによる多国間で領有権紛争が続いているため、アメリカが中国の領有権を認めないといっても紛争が収束するわけではない。
さらに、南沙諸島に軍事拠点を築いているのは中国だけではなく、台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシアも拠点を確保している(規模の大小は様々であり、いずれも中国の足下にもおよばないが)。
したがって、アメリカが南沙諸島での中国だけの領有権を否定するということは、国際法的には全く説明がつかない対中国挑発行動に過ぎなくなる。
このように、アメリカが中国に対して融和的姿勢を取るにせよ、強硬姿勢を取るにせよ、中国の南シナ海政策に対して取り得る牽制行動は、結局のところこれまでどおりにFONOPの域を出ないということになってしまうのだ。
■海自の予算増加は必然
かねてよりアメリカ政府は、南シナ海でのFONOPに、日本の海上自衛隊やオーストラリア海軍などを参加させたい意向を表明してきた。
しかし、すでに中国が南沙諸島に7つもの人工島を建設してしまい、それらの人工島や西沙諸島などでの防衛態勢を強化しつつある状況では、アメリカ海軍によるFONOPの効果はゼロに等しい。
ただ単に「アメリカは南シナ海問題に関心を持っている」というポーズを示しているだけの状態と言っても過言ではない。
そのような効果が見込めないFONOPに海上自衛隊艦艇を参加させるのは、日本国民の血税の無駄使いにもなりかねない。
とはいえ、南シナ海はアメリカ以上に日本にとって「生命線」とも言える重要な海上航路帯が横たわっている海域だ。
中国の横暴に対して、アメリカだけに牽制行動を任せておくわけにはいかないのは当然である。
そこで、今回の「いずも」の“ASEAN取り込み作戦”が大きな意味を持つ。
日本の外交的協力関係を南シナ海周辺諸国へ拡大強化していくこうした努力は、効果がほとんど見込めないFONOPへの参加よりも、はるかに賢い軍艦の運用法であると言えよう。
●「いずも」と同行した護衛艦「さざなみ」(写真:防衛省)
ただし、このように軍艦を南シナ海など外洋に派遣するには、当然のことながら燃料をはじめとして莫大な費用がかかる。
日本の国民経済にとって生命線ともいえる南シナ海での日本の国益を維持するためには、今後ますます海上自衛隊艦艇や航空機を南シナ海やインド洋などに展開させる機会が増加するのは必至だ。
そのためには、国防費(とりわけ海上自衛隊)を飛躍的に増加させなければ、日本周辺警備や基本的訓練などに関連する費用などを削減せざるを得なくなり、自衛隊自身が弱体化してしまうという本末転倒の結果となりかねない。
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Record china配信日時:2017年6月27日(火) 6時10分
http://www.recordchina.co.jp/b182400-s0-c10.html
中国空母「遼寧」香港寄港へ、
台湾警戒「台湾東部南下なら挑発行為」―中国メディア
●25日、中国軍初の空母「遼寧」が母港の山東省青島を出港した。7月1日の香港返還20周年記念行事の一環として香港に寄港するとみられ、台湾ではその針路に注目が集まっている。写真は空母「遼寧」。
2017年6月25日、中国軍初の空母「遼寧」が母港の山東省青島を出港した。
7月1日の香港返還20周年記念行事の一環として香港に寄港するとみられ、台湾ではその針路に注目が集まっている。
中国台湾網が伝えた。
23日付の香港・星島日報によると、台湾国防部は「周辺での中国軍の動向の把握を継続し、規定に従い対応処理する」と表明し警戒を強めている。
台湾の軍当局者は、遼寧が香港へ向かう針路は2通りあるとし、「台湾海峡を通過するなら台湾への影響は少ない。
だが(昨年12月の)訓練のように、(沖縄本島と宮古島の間の)宮古海峡を通過し、台湾東部を経由し、(台湾とフィリピンの間の)バシー海峡から香港へ向かうなら、それはわれわれに対する挑発行為だ」と述べた。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は23日、専門家の話を引用し
「遼寧が香港に寄港する可能性は非常に大きい」
と伝えている。
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Record china配信日時:2017年6月29日(木) 9時0分
http://www.recordchina.co.jp/b179908-s0-c10.html
日本の専門家の「『いずも』は30分で中国の『遼寧号』を撃沈できる」
に中国専門家が反論―中国メディア
中国国防部の公式サイトによると、中国の空母「遼寧号」は毎年恒例の訓練を行うため25日に青島から出港した。
現在南シナ海では日本の海上自衛隊最大級の護衛艦「いずも」が長期派遣中で、これに関連して中国メディア・環球時報は「いずも」に関する中国専門家の見解を紹介した。
「遼寧号」の動向について台湾メディア・中時電子報は
「『遼寧号』は7月に香港に寄港し、香港返還20周年を祝うと思われる。
艦艇を開放し市民に見学させる予定で、中国海軍に実力を示すのだが、日本の軍事専門家は30分もあれば『いずも』を沈められると語っている」
とする記事を掲載した。
記事では日本の専門家に関する説明はなく、
「『いずも』はF35B戦闘機を搭載することができ、中国海軍のレーダーは同機をキャッチできない。
加えて対艦艇で高い戦闘力を持つため遼寧号を撃沈できる可能性が高い」
との意見を日本の専門の見解として紹介した。
この報道を受け中国の海軍専門家である李傑(リー・ジエ)氏は25日に取材に応え、「誇張している」と反論した。
李氏は、
「日本がF35Bを導入する動きはない。
仮にF35Bを導入するとしても、巨額の費用や『いずも』の甲板の改造など問題は多い。
さらに、対艦ミサイルは大きく、機体内に収納することはできない。
外付けした場合ステルス効果は下がるためレーダーに捕まりやすい。
確かにF35Bは中国の戦闘機に比べ優れた点を持っているのは事実だが、自国の力を誇張し日本の優勢を他国に示すやり方は日本の専門家の常とう手段だ」
と述べた
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Record china配信日時:2017年7月1日(土) 8時0分
http://www.recordchina.co.jp/b182936-s0-c10.html
南シナ海で日中両国の駆け引きが活発化、
日本は「いずも」長期派遣し中国けん制、
フィリピン支援でも競争
2017年7月1日、中国が軍事拠点化を進める南シナ海で、日本と中国の駆け引きが活発になっている。
日本は海上自衛隊のヘリコプター搭載型で最大級の護衛艦「いずも」を付近の海域に長期派遣して中国をけん制。
フィリピンへのインフラ建設などの支援をめぐっても日中両国が競争を繰り広げている。
「いずも」は5月初めに日本を出港。同月中旬にシンガポールで国際観閲式に参加後、フィリピンのスービック湾に寄港してドゥテルテ大統領を艦上に招待した。
さらに米原子力空母「ロナルド・レーガン」との共同訓練をこなし、シンガポールへ戻って6月19日から23日まで報道陣と東南アジア諸国連合(ASEAN)10 カ国の士官を乗せ、南沙(スプラトリー)諸島近くを航行した。
ロイター通信によると、中国が南シナ海で広範な領有権の根拠とする「九段線」付近に差し掛かったところで、レーダーが同国軍のものらしき機影をとらえる場面があった。
艦内のスピーカーからは「レーダー探知」の声が流れ、緊張が走ったという。
「いずも」について、台湾メディアは「中国の空母『遼寧』を30分で撃沈できる可能性が高い」との日本の軍事専門家の見解を紹介。
その理由としては「米国製のF35B戦闘機を搭載することができ、中国海軍のレーダーは同機をキャッチできない。
加えて対艦艇で高い戦闘力を持つ」などを挙げている。
中国メディアによると、この見解に中国の海軍専門家は「誇張している」と反論。
「日本がF35Bを導入する動きはない。
仮にF35Bを導入するとしても、巨額の費用や『いずも』の甲板の改造など問題は多い。
さらに、対艦ミサイルは大きく、機体内に収納することはできない。
外付けした場合ステルス効果は下がるためレーダーに捕まりやすい」
などと指摘している。
南シナ海問題の当事国であるフィリピンの抱き込みでも日中両国はしのぎを削っている。
日本は国際協力機構(JICA)を通じて44億ドル(約4926億円)を投じ、マニラ首都圏中心部を走るフィリピン初の地下鉄網「メガマニラサブウェー」を整備する。
ドゥテルテ大統領の中国傾斜を止める狙いとされ、11月に安倍晋三首相と同大統領が覚書を締結する予定だ。
日中両国の支援競争に関して、台湾の中国時報電子版は北京大学国際関係学院の梁雲祥教授が「日本に勝ち目はない」と論じたと伝えた。
この中で同教授は
「日本は政治的に際限なくお金を費やして中国と戦略的な競争を進めるのは不可能」
と指摘。
「日本企業のための経済的な争いという点から見ても、中国ほど多くの資金を持っていない上に、中国が提示している条件が非常に良いものであることから中国に勝つのは難しい」
と説明している。
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Record china配信日時:2017年7月3日(月) 18時20分
http://www.recordchina.co.jp/b183274-s0-c10.html
中国本土で一般公開されていない空母「遼寧」、
香港で2000人に公開へ―米華字メディア
2017年7月3日、米華字メディアの多維新聞によると、中国本土で一般公開されていない空母「遼寧」が、香港で8、9日の両日、計2000人に公開される。
中国海軍の報道官は2日、遼寧が7日から11日までの5日間、香港の昂船洲軍港に寄港すると発表した。
中国人民解放軍の香港進駐20年を記念する行事の一環として、8、9日の2日間、香港永住権の保有者計2000人に一般公開される。
艦上の戦闘機J15(殲15)やヘリコプターなども同時公開される。
遼寧は2011年に黄海での試験航行に成功し、12年9月25日の正式就役と同時に「遼寧」と命名された。
13年と16年に2回、南シナ海で遠洋訓練を実施し、中国軍は16年末、遼寧を中心に形成される艦隊が作戦能力を有するようになったと発表した。
遼寧はこれまで、中国本土で一般公開されていない。
香港メディアは、遼寧の香港寄港について、消息筋の話として、習近平(シー・ジンピン)国家主席の直接の指示によるものであり、その目的は香港市民の「民族一体感」を高めることにあると伝えている。
また香港に到着する7日は盧溝橋事件80周年に当たることから「国辱を忘れないため」との特別の意味合いがあるとの分析も出ている。
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