2017年6月22日木曜日

中国は今(5):外資撤退がもたらす「失業の嵐」そこにメリットはあるのか

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サーチナニュース 2017-06-22 07:12
http://news.searchina.net/id/1638262?page=1

外資撤退がもたらす「失業の嵐」
・・・そこにメリットはあるのか=中国

 世界の工場として、世界中のメーカーが進出していた中国だが、近年は人件費の高騰などを背景に、中国から工場を東南アジアなどに移転する動きが進んだ。
 外資メーカーの工場は中国にとって雇用の受け皿となってきたため、撤退は雇用の喪失につながると懸念が高まっている。
 
 中国メディアの今日頭条はこのほど、中国から外資企業が相次いで撤退していることについて、
 「中国で失業の嵐がかつてないほど吹き荒れている」
と伝える一方、長期的に見れば外資の撤退は中国にとって悪いことではないと主張する記事を掲載した。
 
 記事は、中国でも広く知られた日本企業が相次いで撤退したり、欧米のメーカーが中国国内の工場を閉鎖したりする動きが見られると紹介し、中国国内では外資撤退に対して懸念が高まっていると指摘。
 
 さらに、中国経済の成長率が鈍化し、中小企業が不景気に喘ぐなか、外資撤退は確かに中国経済にマイナスの影響を及ぼすものであり、ただでさえ税収の伸びが鈍化しているのに、外資が撤退すれば地方政府の税収はさらに減少することになると論じた。
 
 一方で、外資撤退は必ずしも悪いことばかりではないとし、各メーカーは今後、中国で製品を販売するためには輸送費をかけて中国に製品を持ち込まねばならず、コスト競争で不利になるため中国国内における中国製品の競争力が相対的に向上すると指摘。
 また、外資企業で働いていた優秀な人材が中国企業に流れることになるため、中国企業の経営力も向上することになると主張した。
 
 また、外資が中国から撤退するのは、
 中国の人件費や物価、不動産価格の高騰や環境汚染といった問題が背後にあるのは事実であり、
 外資撤退は中国政府に対策を取るよう促すことにもつながると指摘。
 中国が今後、ハイテク企業を誘致するためには、
 投資環境をめぐる諸問題を解決する必要があると指摘し、
 外資撤退は現在の中国に「失業の嵐」という問題をもたらしているが、長期的に見ればメリットも多いと指摘している

 「落ち目のいいわけ」というか「やせ我慢のつっぱり」というか、そんな風にみえる。


6/25(日) 6:07配信 朝鮮日報日本語版
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170623-00001578-chosun-kr

【コラム】中国の最低賃金引き上げに見る価格統制の問題点

 2012年夏、中国・吉林省にある韓国系の中小企業を訪れた。
 当時中国では最低賃金引き上げの動きが盛んだった。
 大都市の住宅賃貸料と物価上昇で都市に移住した農村労働者の生活環境が悪化すると、2010年から官営メディアは「最低賃金を大幅に引き上げるべきだ」という報道を展開した。
 これを「党中央」の方針と受け止めた地方政府は毎年最低賃金の引き上げ競争を展開した。
 1年で30%以上引き上げた地方もあった。

 この中小企業の社長に「人件費のせいで苦しくないか」と話しかけたのだが、答えは意外なものだった。
 「全然心配していない」というのだ。
 この企業が位置する都市の市長と投資誘致局長が外資系企業の代表と会うたびに、
 「上の方針なので最低賃金を引き上げているが、違反しても取り締まらない。雇用を減らさないでほしい」
と懇願されたという。

 中国の大都市における勤労者の賃金は、2004年から毎年上昇している。
 10年からはペースが急になった。
 1980年に始まった一人っ子政策で労働市場に流入する若者が増えなくなったことが一因だった。
 内陸への投資が活発化し、農村労働者があえて沿海部の工業地帯まで出てこなくても、故郷の近くで働き口が見つかることになった点も重要な理由だった。
 人材需要はあるが労働力の供給は足りないので、都市労働者の賃金は自然に上昇した
 中国政府の最低賃金引き上げはそうした流れに乗った側面がある。

 毎年上昇する最低賃金には副作用が少なくない。
 最低賃金を守らない企業が続出したほか、名目上の最低賃金を支給し、巧妙に労働時間を増やす脱法もはびこった。
 地方政府にはそれを取り締まる意思も余力もなかった。
 雇用規模が大きい沿海部の大企業は、雇用を減らし、ロボット導入で生産を自動化する方向へと向かった。

 見かねた中国社会科学院は15年の報告書で、「最低賃金は低賃金勤労者を保護するための制度であって、所得分配の手段ではない」とし、最低賃金引き上げには慎重になるべきだと政府に勧告した。
 政府は賃金の下限を定めたり、生活必需品の価格に上限を定めたりすることを価格統制という。
 政府にとっては価格統制は常に魅力的なカードだ。
 統制で恩恵を受ける大衆は歓呼し、当面は問題が解決されたように見える。
 しかし、市場の流れに逆行する価格統制は持続不能で、逆効果を生みかねない。
 代表的な例がフランス革命当時のジャコバン派を率いたロベスピエールによる牛乳価格の統制だった。

 ロベスピエールは牛乳が高騰しているという市民の不満を受け、牛乳価格に上限を設けた。
 貧しい親も子どもたちに牛乳を飲ませることができるようにする趣旨だった。
 いったんは価格が下落し、市民が歓呼したが、その後は市場に出回る牛乳が激減した。
 乳牛農家がコスト割れで牛乳を生産した結果、乳牛を肉牛として売り払ったり、牛乳の代わりにバターやチーズを生産したりしたからだ。
 それまでは高くても牛乳を買うことができたが、カネがあっても牛乳を買えない状況になってしまった。

 文在寅(ムン・ジェイン)新政権が雇用創出、二極化解消を名分に発表するさまざまな政策は価格統制と関連しており、利害当事者が強く反発している。
 「何かをする」ということと同じくらい大切なことが「どのようにやるか」だ。
 現実に見合ったアクションプラン不在で無理に推し進めれば、ロベスピエールの牛乳騒動が繰り返されかねない。



Record china配信日時:2017年6月25日(日) 6時40分
http://www.recordchina.co.jp/b181231-s0-c30.html

日本は低コストで大きな発展を遂げた国、
ただ、中国が参考にできない理由がある―中国メディア

 2017年6月22日、中華網は
 「中国はなぜ日本の経験を参考にしてはいけないのか?」
と題し、中国の発展において日本を参考にできない理由について中国の経済学者・温鉄軍(ウェン・ティエジュン)氏の見解を紹介した。

 日本の1991年以降は「失われた20年」と表現されるなど、低迷のイメージが強いが、
★.失業率の異常な上昇や社会的な動乱もなかった安定期
ともいえる。
 日本は20年間ゼロ成長にもかかわらず社会的な動乱が起きなかった珍しい国である。
 政治も、首相がころころ代わったものの、比較的安定していると言える。
 日本の政治や経済、社会など中国は研究を進める必要がある点が多い。
 ただ、研究しても参考にできるとは限らない。

 日本は明治維新以降、西欧文化を取り入れ発展を続けたが、西欧のやり方をまねるだけではいけないと感じ、植民地を広げ世界に進出した。
 日本の対外進出によって成し遂げられた工業化は、アジアの「内向的で蓄積型」の典型的な工業モデルとは大きく異なる。
 周知のとおり日本はその後戦争に負けるのだが、ここで日本は欧米に依存した発展モデルに転換する。

 「完全な主権」を犠牲に、欧米から軍事的な援助を受け、政治的、軍事的な労力を大きく省くことに成功した。
 欧米は植民地を広げることで資源や市場を占有してきたが、こうした場合、植民地での反発が予想され、戦争や大きな衝突が起きる。
 だが、日本は欧米の支援があるため反発も少なく、世界でのイメージも悪くならない。
 日本は低コストで大きな発展を遂げたといえるのだ。

 ではなぜ日本の経験は参考にできないのか。
 それは日本のように世界第2位の座に座り続ける限り、1位のボスに相応の対価を支払う必要があるからだ。
 米国はアジアで中ロをけん制するため日本の存在を利用しているため、日本が世界2位の座に座ったとしてもたたくことはない。
 しかし、中国となると状況は違ってくる。
 中国は日本に比べ比較的主権が整っている国で、中国の発展は世界のボスにとって敵とみなされる。
 中国は今や日本を抜き世界2位の強国にまで成長したが、こうした違いから日本の発展モデルは参考にできないのだ。







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