2017年6月15日木曜日

韓国上場株式の1/3は外国人が保有:内4割はアメリカ’系

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6/14(水) 17:38配信 中央日報日本語版
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170614-00000027-cnippou-kr

外国人が保有している韓国の株式、
約581兆ウォンで過去最高

 外国人が保有している韓国内上場株式の規模が約581兆2000億ウォン(約56兆8088億円)で過去最高を更新した。

 14日、金融監督院によれば、先月外国人は上場株式2兆1350億ウォンを買い越した。
 昨年12月以来、月間基準で6カ月連続買い越している。
 これを受け、外国人は韓国内上場株式の「32.9%」である581兆1730億ウォンを保有することになった。
 先月の上場債権は2兆1360億ウォンを買い越した。
 外国人が保有している全体の上場証券(株式+債権)の規模は683兆4090億ウォンで、やはり過去最高となった。

 4月に3110億ウォンを売った米国系資金が先月には1兆9660億ウォンを買い、買い越しに転じた。
 先月末を基準に
★.米国系資金が保有している韓国の株式は241兆730億ウォンで、全体外国人の41.5%を占めている。

 4月に停滞していた米国系資金が再び国内株式を買い始め、今後の証券市場の上昇に対する期待を高めている。
 証券業界では米国系資金の場合、年金基金が多く中長期的な株価上昇と年末配当を狙う長期投資の色合いが濃い資金に分類される。
 一方、英国やフランス、ルクセンブルクなど欧州系は、少数の投資家から資金を集めて運営する一種の私募ファンドであるヘッジファンド中心の短期投資資金に分類される。
 すなわち、米国系資金の流入が増えるというのは市場の長期上昇に対する期待感を高めることを意味する。

 米国系資金は2010年、約15兆ウォンの韓国株式を買い、証券市場の上昇をリードした。
 2010年初めに1600台だったKOSPI(韓国総合株価指数)指数は上昇の勢いを受け、2011年5月には2200台まで上昇した。
 しかし、2011年米国系資金は5兆ウォン台に韓国株式の買収規模を減らし、2012年には1兆ウォン台に買い越しの規模をさらに減らした。
 欧州系資金は2011年に売り越しで一貫し、外国人全体では韓国株式約10兆ウォンを売った。
 外国人資金が離脱し、KOSPI指数は2011年9月には再び1600台まで落ちたこともある。

 また、観光の証券市場はボックス圏に閉じ込められている。
 韓国のファンド資金は離脱している一方で、外国人による大規模の買収傾向が現れなかったためだ。
 米国系資金も2014年までは年間買い越しの規模が5兆ウォンにも及ばなかった。

 2015年から変化が現れた。
 米国系資金が約10兆ウォンの韓国株式を買った。
 一方、他の欧州系資金は国内株式を売り、外国人全体では約3兆5000億ウォンの売り越しを記録した。
 米国系資金は2016年にも7兆7000億ウォン分を買い、今年に入っては先月まで買収規模だけで9兆ウォンを上回る。
 今年に入って全体の外国人買収金額(9兆1360億ウォン)の大部分が米国系資金だ。







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2017年6月14日水曜日

AI・ロボット(2):暮らしに浸透する日本のロボット

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人民網日本語版配信日時:2017年6月13日(火) 23時10分
http://www.recordchina.co.jp/b181002-s10-c20.html

暮らしに浸透する日本のロボット、
科学技術をどう利用?―中国メディア

 日本はロボットを「日本経済を救う明日の光明」の一つと考えている。
 中国日報網がシンガポールの中国語紙「聯合早報」の報道として伝えた。

 日本では企業が政府よりも早くロボットの無限の可能性を見抜いていた。
 早くも1986年、自動車のホンダは初の人型ロボットを密かに開発し、日本でのモーターショーでお披露目すると、人を模倣した生き生きした動きでたちまち世界中を魅了した。

 労働力が不足し円高が進んだ1980年代後期、日本の寿司産業も寿司を握るロボットを構想し始めた。
 当時すでに回転寿司のシステムはあり、産業全体で少なくとも人件費の20%カットに成功していた。
 今の寿司ロボットはさらにパワーアップしている。
 寿司産業は常に「人とロボットの戦い」が行われているようなもので、スピードでは人は絶対にロボットにかなわないことがたびたび明らかになっている。
 今後、寿司ロボットの力を借りれば、寿司の価格は1皿80円まで下げることが可能とみられる。

 硬いロボットをどうやって「軟化」させるかが、日本での研究の目下の重点だ。
 日本ロボット工業会が今年4月に設立した関連団体は、ロボットに適した柔らかい素材の研究を進めており、ロボットをより人間に近づけ、よりよく人間に奉仕させることを目指している。
 日本の科学研究界はロボットをさらにパーソナル化させようと努力しており、材質だけでなく、人間のような触覚をもつことも目指している。
 慶應義塾大学が開発したロボットハンドには触覚があり、物の大きさを見て、どれくらいの力で持てばよいかを判断することができる。
 グラスを持つ、ポテトチップスをつまむなどはお茶の子さいさいだ。

 2015年には長崎県佐世保市に、宿泊者への対応をすべてロボットで行う「完全自動化」ホテルが誕生した。
 2年の試行期間を経て、このスタイルでの経営が可能と判断された。
 創業者の澤田秀雄さんは、
 「初めてこのスタイルを導入した時は、お客様がロボットにびっくりしないか心配していたし、セキュリティの問題も懸念していた。
 その後、当ホテルのオリジナリティをお客様に喜んでいただけることがわかった。
 当ホテルは未来世界のイメージに満ちており、ロボットがサービスするというのが徐々に売りになってきている」
と話す。

 ロボット利用の最大のメリットは人件費の節約だ。
 このホテルは客室が144室もありながら、社員は6人しかいない。
 もう1つのメリットは言葉の問題を解決することだ。
 日本ではロボットに外国語システムを搭載するのにかかるコストは外国語ができる人材を雇うコストよりも相当安い。

 だが今では人工知能(AI)が「人類から職業を奪う存在」になるのではないか、雇用が奪われ、空前絶後の失業ラッシュが起きるのではないかと懸念され始めている。
 また「無人化」した社会がどのようなものになるのか、人を雇うこととロボットを利用することの間でどのようにバランスをとるかが、ロボットの普及後に人類が考えなければならない問題になっている。

 東京大学で新メディアを研究する水越伸教授は、
 「産業革命と新科学技術にはメリットとデメリットがあり、ちょうど携帯電話とインターネットが登場した後、その長所と短所が現れてきたのと同じようなことだ。
 だが技術革新は人類の主導の下で行われるのであり、カギはどう応用するかにある。
 ロボットに仕事をさせることは、ロボットが人に取って代わるということではない。
 科学技術の革新に際して、人類は科学技術をうまく利用するにはどうしたらよいか、暮らしの中でより意義あるものにするにはどうしたらよいかを考えなければならない。
 AIとロボットの時代がもつ意義は人類がこれから考えなければならない主要テーマだ」
との見方を示す。

(提供/人民網日本語版・編集/KS)



CBCテレビ 6/13(火) 18:48配信 CBCテレビ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170613-00003043-cbcv-soci

来月のロボット競技の世界大会の見どころは



 ロボット競技の世界大会「ロボカップ」が、来月、名古屋市で開かれます。
 その気になる内容が13日、明らかになりました。
 「ロボカップ」は、人工知能を搭載したロボットの性能やプログラミングの技術などを競う大会で、ことしで21回目となり、世界各国から、およそ3000人が出場します。

 今回の競技種目は、第一回大会から続くサッカーをはじめ、災害救助や生活支援など、合わせて5種目にのぼります。
 特にサッカーについては、2050年までにロボットがサッカーワールドカップの優勝チームに勝つことが、国際的な目標になっていて、来月の名古屋大会でも、ロボット同士の白熱した試合が見られそうです。
 「この地域は圧倒的な産業力を持っている。30年間のロボットの人工知能と人間の死闘が始まるよと」(名古屋市 河村たかし市長)

 「ロボカップ」は、来月27日から4日間、港区の「ポートメッセなごや」などで開かれます。



人民網日本語版配信日時:2017年6月16日(金) 14時20分
http://www.recordchina.co.jp/b181239-s10-c20.html

ロボットは日本の人手不足を救うのか?―中国紙

  日本の宅配最大手の「ヤマト運輸」はこのほど突然、基本料金を全面的に5〜20%引き上げると発表した。
 原因は深刻な人手不足だ。
 人民日報が伝えた。

 人手不足に苦しむ業界は宅配便だけではない。
 データをみると、中小企業の70%が「人手不足」を切実に感じており、多くのスーパーやレストランは営業時間を短縮せざるを得なくなり、閉店に追い込まれるところも出ており、日本は人手不足の波に飲み込まれている。
 日本政府のデータもこの問題の深刻さを裏付ける。
 今年4月の有効求人倍率は1.48倍で、1972年2月以来の高い水準になった。

 日々深刻化する少子高齢化を克服することが、日本の歴代政権の重要課題だ。
 現在の日本政府が打ち出した「ロボット新戦略」や2017年の「成長戦略素案」などは、いずれも「ロボットが人の代わりになって」労働力不足の問題を解決する構想を示す。
 安倍晋三首相は、
 「少子高齢化社会の特徴は、新技術がもたらす失業問題を懸念する必要がないということだ」
と特に指摘する。
 野村総合研究所とオックスフォード大学の15年の共同研究によると、人工知能(AI)とロボットが日本の労働の49%を人に代わって担うようになるという。
 マッキンゼー・アンド・カンパニーの研究でも、日本はロボット導入の可能性が最も大きな国との見方が示された。

「日本経済新聞」の調査によると、17年度の日本国内の設備投資は前年同期比13.6%増と大幅に増加する見込みだ。
 コンビニチェーン「セブン-イレブン」を運営するセブン&アイ・ホールディングスは前年度の2.1倍にあたる額を投資するという。
 この影響により、日本の産業ロボットの受注が前年に続いて2けたの伸びを達成し、一連のホテル、レストラン、物流センターは相次いでロボットやドローンといった新技術を導入することが予想される。

 だがロボットが人の代わりになるのは現在の人手不足への有効な対症療法薬ではない。
 コストなどの点を踏まえ、日本社会で雇用の70%を引き受ける中小企業では、情報技術(IT)化に向けた投資を行うとしたところは18%しかないからだ。
 また物流ネットワークなどの新技術の普及を背景として、日本国内では専門的人材の不足がますます顕在化しており、2030年には59万人の不足が予想される。
 より重要なことは、今回の人手不足には次のような一連の新しい特徴があるということだ。

★.第1に、今回の人手不足を招いた主な原因は需要の拡大であって、労働力の供給不足ではない。
 日本の生産年齢人口(16〜64歳)は95年にピークの8720万人を迎えたが、15年は7730万人で、10年の間に約1000万人減少したことになる。
 だが労働力の供給が同じテンポで減少したわけではなく、日本の労働人口(就業者+失業者)は減少を続けた後、05年に減少ペースが鈍化し、12年からは4年連続で増加している。

★.第2に、現在の人手不足には構造的な失業の問題がある。
 有効求人倍率は産業ごとの開きが大きい。
 たとえば倍率が最も高い建設採掘産業の3.54倍をはじめ、介護産業は3.13倍、輸送産業は2.09倍と高いが、ビル管理、機械加工、一般事務などは1倍を切っている。
 16年に日本の失業者数は大幅に減少したが、構造的な失業率が完全失業率を超えてしまった。

★.第3に、正社員と非正規雇用との給与格差がこのたびの人手不足の重要な原因だ。
 日本では正社員の平均給与は非正規より50%以上高く、多くの企業は人件費削減のため非正規の雇用を拡大しようとしている。
 16年には働く人全体に占める非正規の割合が37.5%に達し、パートの収入と社会保障費の負担を抑えるため、一部の企業はパートの労働時間をわざと抑制し、人手不足の状況を人為的に作り出している。

 そこでロボットが人に代わっても、せいぜい全要素の生産効率を引き上げる手段にしかならない。
 日本経済が人手不足から抜け出したいなら、まずは構造改革に手をつけるべきだ。

(提供/人民網日本語版・編集KS)

中国の「月の土壌」のサンプル・リターン計画:

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Record china配信日時:2017年6月14日(水) 5時20分
http://www.recordchina.co.jp/b181032-s0-c30.html

「月の土壌」のサンプル・リターン
関係者が「嫦娥5号」の飛行概要を発表―中国

 12日、中国青年報は、中国の月探査機である嫦娥5号の飛行概要を紹介した。
 中国航天科技集団の技術責任者である孫為鋼(ソン・ウェイガン)総工程師によるもので、嫦娥5号の飛行概要が発表されたのは初めて。
 嫦娥5号は無人で、月の土壌の試料を地球に持ち帰る「サンプル・リターン」を試みる。

 北京市内で6日から9日まで開催された国際宇宙探査会議(GLEX2017)での発表だったという。
 嫦娥5号の打ち上げは文昌航天発射場(衛星打ち上げセンター)で行う。
 同発射場は中国が海南省文昌市に建設した新しい施設で、第1回の衛星打ち上げは2016年6月に行われ成功を収めた。

 嫦娥5号の打ち上げを行うのは長征5号型ロケットで、総重量8トンの探査機を地球から月に向かう軌道に乗せる。
 月に接近した探査機は軌道を修正して月周回軌道に乗る。
 探査機は着陸ユニットと帰還軌道ユニットから成る。
 着陸ユニットだけが月に軟着陸し、月面の土壌サンプルを収集する。

 着陸ユニットはさらに二つに分かれ、
 上昇機だけが月面周回軌道に戻り、帰還軌道ユニットとドッキングする。
 その後、採取した土壌サンプルは帰還軌道ユニットに組み込まれている地球帰還機内に移される。
 月面からの上昇機は切り離され、
 帰還軌道ユニットだけが地球に戻る軌道に乗る。

 地球に近づいた時点で、帰還軌道ユニットは地球帰還機を分離する。
 地球帰還機は大気圏の上層部で一度バウンドさせて速度を落とした上で、改めて大気圏に突入させる。

 中国は14年10月に再突入実証機を打ち上げ、月を周回させた上で地球に戻して地球帰還機を予定の場所に着陸させることに成功している。
 孫総工程師は、同実証実験の成功で地球帰還機を大気圏上層部でいったんバウンドさせてから再突入させる方式については有効なデータが得られていると説明したという。

 日本は宇宙航空研究開発機構が(JAXA)が03年に打ち上げ小惑星のイトカワの微粒子を地球に持ち帰るサンプル・リターンに成功した。
 嫦娥5号は地球からより近い月を対象にしたものだ。
 しかし重力の面では極めて微弱なイトカワに比べれば、月は相当に大きい。
 そのため、分離やドッキングを繰り返して
 「各段階で可能なかぎり身軽になりつつ地球に帰還」
という方式を採用したと考えられる。
 米国が1960−70年代に実施した有人月探査のアポロ計画に似た方式だ。

 中国は月探査を
 第1期の「繞(ラオ=月周回)」、
 第2期の「落(ルゥオ=月面軟着陸)、
 第3期の「回(フイ=月面に軟着陸した上での地球への帰還)」
の3期に分けて実施している。
 第1段階の「繞」は07年打ち上げの嫦娥1号と10年打ち上げの嫦娥2号で成功。
 第2期計画としては13年に打ち上げた嫦娥3号は月面に軟着陸させ、月面ローバー(月面車)の玉兎を活動させることにも成功した

 次の打ち上げは嫦娥5号で、中国メディアの中国新聞社によると、中国の
 第3期月探査の責任者である胡浩氏は3月に、打ち上げは17年内と説明した。

 嫦娥4号は第2期探査の一環だが、地球から見て月の裏側に軟着陸させるため、地球から見て月よりもさらに遠い宇宙空間にある、重力と遠心力のバランスが取れているために物体が安定してとどまることのできるラグランジュ2と呼ばれる場所に中継器を同時に送り込むなど、計画がやや複雑だ。
 打ち上げは18年とされている。

2017年6月12日月曜日

「一帯一路」とAIIB(5):日本協力を表明

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日本の一帯一路構想協力に親中派歓喜! 20170606 #富坂聰



Record china配信日時:2017年6月14日(水) 22時20分
http://www.recordchina.co.jp/b181137-s0-c10.html



  安倍首相の「一帯一路」協力発言で、台湾・蔡英文総統に緊張―台湾専門家

 2017年6月13日、香港メディア・中評社によると、安倍晋三首相が先日、中国主導の「一帯一路」構想に協力の意向を示したことについて、台湾の専門家が「蔡英文(ツァイ・インウェン)総統を緊張させた」と語っている。

 5日に日本で開かれた国際交流会議「アジアの未来」の晩餐会で、安倍首相が「一帯一路」構想について条件付きながらも協力の意向を示した。
 この発言について、台湾の日本外交戦略研究者である陳俊昇(チェン・ジュンション)氏は
 「安倍首相が『一帯一路』に前向きな姿勢を示したことは、蔡政権を緊張させた。
 蔡政権が東南アジアやインドとの関係強化を目指して進めている『新南向政策』には日本の支持が戦略上必要。
 その日本が『一帯一路』に加入したいとなれば、穏やかではない」
と指摘している。

 陳氏はまた、注目に値するという台湾当局の2つの動きを紹介。
★.1つは、5月31日に行われた中国で活動する台湾商人のイベントで林全(リン・チュアン)行政院長が
 「『新南向政策』は対抗でもなければ、中国との経済協力の放棄でもない。中国との協力を持続したうえで、他地域との協力の機会を増やすものだ」
と発言したこと。

★.もう1つは、安倍首相の「一帯一路」発言後に、台湾日本関係協会の張淑玲(ジャン・シュウリン)代理秘書長が
 「日本政府が引き続き台湾との友好関係を維持すると信じている」
 「日台関係と両岸(中台)関係がゼロサムの関係にならないことを望む」
とコメントしたことだ。

 上記2点を挙げたうえで
 「日本は情勢の変化を察知し、対中政策を調整し始めた。
 蔡政権にとって重要な支柱である米国と日本が中国との関係改善を図るなか、蔡政権も両岸政策の変更を迫られている」
との見方を示した。



Record china配信日時:2017年6月17日(土) 22時40分
http://www.recordchina.co.jp/b181467-s0-c20.html

日本のAIIB加盟、一帯一路構想への参加はいつか―中国メディア

 2017年6月16日、米外交情報サイトのディプロマット・マガジンは「日本のアジアインフラ投資銀行(AIIB)加入、中国の現代版シルクロード経済圏構想『一帯一路』への参加はいつか」とする記事を掲載した。
 参考消息網が伝えた。

 安倍晋三首相はこのほど、「一帯一路」について条件付きながら「協力していきたい」と表明。
 構想に一定の協力を進める意向を示した。
 その上で、同構想に基づくインフラ整備については「透明で公正な調達による整備が重要だ。借り入れをして整備する国にとって、債務が返済可能で、財政の健全性が損なわれないことが不可欠だ」と指摘。
 中国にクギを刺すことも忘れなかった。

 「一帯一路」へは米国加入の可能性も伝えられており、日本の関心も一層高まっているとみられる。
 同構想をめぐって日本の立場は非常に微妙だ。
 まず日本は中国の経済発展を懸念している。
 さらに、米国の姿勢が不透明な状況の中で、中国との関係改善を進める必要がある。
 中国が安倍首相の方針を歓迎したのは、夏にも開催される日中首脳会談への布石といえる。

 中国外交部の華春瑩(ホア・チュンイン)副報道局長は安倍首相の発言を受け「一帯一路は両国がともに発展する新たな舞台になりうる。日本が中国と一緒に協力発展を検討することを歓迎する」と語った。







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AI・ロボット(1):桁外れの成長達成の意味するもの

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ロイター 2017年 06月 10日 10:06 JST  James Saft
http://jp.reuters.com/article/column-outsized-economy-growth-macro-mic-idJPKBN1900QU?sp=true

コラム:桁外れの成長達成、
鍵はマクロよりミクロか

●6月6日、スタグネーション(景気停滞)懸念はさておき、3Dプリンターや人工知能(AI)といったテクノロジーがボトムアップ式に普及していけば、グローバルな生産性向上や成長加速のために必要な追い風となるだろう。北京のハイテク国際見本市で8日撮影(2017年 ロイター/Jason Lee)

[6日 ロイター] -
 スタグネーション(景気停滞)懸念はさておき、3Dプリンターや人工知能(AI)といったテクノロジーがボトムアップ式に普及していけば、グローバルな生産性向上や成長加速のために必要な追い風となるだろう。

 過去20年間、先進諸国の経済成長は、標準以下にとどまるか、借金と資産バブルによって人工的に、そして多くの場合、危険を伴いつつ支えられたものだった。
 こうした弱さの背後にある重要な要因の1つは、生産性成長率が着実に低下傾向にあることで、ある著名エコノミストは、現代は「長期停滞(secular stagnation)」の時代に突入していると論じるに至っている。

 米国の労働1時間あたりの生産は、過去5年間、平均して年0.6%しか成長していない。
 これに対して、2000年代初頭は3%以上の伸びだった。
 その原因をめぐる議論は白熱している。
 「テクノロジーの改良において実現しやすいものはすべて達成してしまったから」
という説もあれば、
 「人口の高齢化のために低投資・低成長という状況から抜け出せないでいる」
という説もある。

 だが、投資運用会社PIMCOは、コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーが提供する裏付けデータをベースに、
 「すでに発見されたテクノロジーに適応していくことで、じきに生産性が劇的に増大することになる」
と主張している。
 「生産性向上にけん引されて、世界のGDP成長率が『かつての標準』である4%強を回復する状況も、ここ数年のうちに視野に入ってくるだろう。
 そのためには、既存のテクノロジーが拡散(普及)すればいいだけだ」
とPIMCOのヨアヒム・フェルズ氏とマシュー・トレーシー氏は書いている。

 彼らは、こうした展望は自分たちが基準とする見方ではないが、その可能性はわずかだが高まっていると警告している。
 しかし、超低金利・低成長率に慣れ切った投資家にとって、そのような変化がどれほどの驚きと刺激を与えるか、的確に表現するのは難しい。
 超低金利(あるいはマイナス金利)と量的緩和にもかかわらず、成長率は低いという現在の経済状況に見られる難問・特性の多くは、構造的な生産性改善により解消されるか、少なくとも緩和されるだろう。
 また、皮肉ではなく、ここで論じているのは、ここ数年失敗を重ねている、あるいはわずかな成果しか上げていないトップダウン式のソリューションではない。
 新たなテクノロジーが適応し、これまでにない形で互いに連携することによってアウトプットを増大させるという、ボトムアップ式の物語なのだ。

 もちろん、こうした物語といえども、必ずしもハッピーエンドになるとは限らない。
 ロボット工学からコンピューター制御のプリンターによる3D製造に至るまで、こうしたテクノロジーの多くは雇用を破壊し、所得格差を増大させる可能性がある。
 だが、もしそのような状況が生じるとしても、テクノロジーの適応は加速させる必要があるだろう。

■<医学分野でも生産性向上>

 マッキンゼーは2015年の研究のなかで、過去半世紀にわたって生産性の成長率は年平均1.8%だったが、この2倍以上に加速する可能性があると述べている。
 マッキンゼー・グローバル研究所のリポートは、
 「5部門(農業、食品加工、自動車、小売、医療)に関するケーススタディーからは、(G20からEUを除いた)G19およびナイジェリアにおける2025年までの年間生産性成長率は最高で4%に達するとみられ、(少子高齢化という)人口動態のトレンドを相殺して余りある」
と述べている。
 この予測の大前提は、既存のテクノロジーが適切に普及することであり、潜在成長率の4分の3は、単に、すでにかなり実践されている「ベストプラクティス」がさらに広い範囲で用いられることによるものだ。

 その一部は、たとえば韓国や日本のような場所における、既存の小売在庫管理手法の利用に比べて特に複雑というわけでもない。
 なかには、アマゾンがAIとロボット工学を利用して倉庫・出荷管理の効率を向上させるなど、もっと未来的なテクノロジーもある。
 米国における医療の例も見てみよう。
 この分野では、面倒なIT技術のせいで医師や看護師がコンピューターの画面に向かう時間が長くなり、患者からもっと有意義な情報を集めることが犠牲になっている。
 一方、新たなテクノロジーのコストが低下していることから、歯科医院が3Dプリンターを備えることも現実的になっている。

 こうした動きは、テクノロジーが新興市場により深く浸透していくなど、地理的(水平的)な意味を持つ場合もあれば、アマゾンのような大企業に潰されることを防ごうと小規模な企業が巻き返しを図るなど、垂直的な意味を持つ場合もある。

 テクノロジーの普及は雇用を破壊し、知財・金融両面で投資家に利益をもたらす傾向があるため、格差を拡大し、社会的・政治的緊張を高める。

 製造業はこれまで長年にわたり、人件費の安さから得られる利益を求めて世界各地に広がっていったが、
 消費市場に近い場所へと引き寄せられていくようになるだろう。
 製造の労働集約性は低下していき、製品価値に占める独自ソフトウエア/プロセスの比率が高まるからである。
 こうなると、反グローバリズムを掲げることの多いポピュリスト的な政治家がこのところ台頭しているように、テクノロジーの適応が政治的に阻害される可能性が出てくる。
 もっともPIMCOのフェルズ、トレーシー両氏は、ハイテク主導の生産性向上は必ずしもゼロサム・ゲームにはならないため、競争と雇用を活性化させる可能性があると主張している。

 成長の加速が確実に意味することの1つは、市場がより正常なイールドカーブへと修正されるにつれて、債券価格が打撃を受けるということだ。
 とはいえ、債券投資家にとってさえ、より深刻な問題があるというのが現在の状況なのである。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)



IOTtoday 2017.06.12 BY 朝岡 崇史
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50209

風雲児アンダーアーマーが描く野心的な未来予想図
IoT時代、<企業のビジネスモデル>が変わる


●アンダーアーマーのケビン・プランクCEO(2014年3月撮影)。 Photo by University of Delaware Alumni Relations, under CC BY-ND 2.0.
 今年(2017年)1月に米ラスベガスで開催されたCES(家電見本市)。

 ショーの主役交代を強烈に印象付けたキープレーヤーがGPU(画像チップ)メーカーのエヌビディア(NVIDIA)とスポーツ用品製造業のアンダーアーマー(UNDER ARMOUR)の2社であることは広く衆目の一致するところであろう。
 かつて液晶テレビやスマートフォンが花形だった家電の見本市の大舞台において、エヌビディアは独自開発した人工知能(以下AI)を武器に自動運転サービス市場へ、アンダーアーマーは「IoTを活用したウェルネスとフィットネスサービス業」へ参入することを、それぞれの基調講演の場で高らかに宣言したのである。
 両社に共通する点は、本来は「家電」というコンシューマを相手とする業界とは距離のある存在でありながら、ともにAIやIoT技術を活用することで企業の「なりわい」を大胆に転換することを経営トップの強い意思で推進しようとしているところにある。

 エヌビディアについては今年3月に寄稿した「自動運転とAIの到来が描く『製造業に不都合な未来』」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49411)で詳しく書いたので、今回はアンダーアーマーの「なりわい」変革について追いかけてみることにしたい。

■「売り切り型ビジネス」から「新たなタイプのサービス業」へ

 米国メリーランド州ボルチモアに本社を置くアンダーアーマー社。
 わずか創業20年でスポーツ用品企業としてナイキ、アディダスに次いで世界のトップ3に成長した。
 その名の通り、ユニフォームの下に着る、身体に密着したタイプのアンダーシャツ(ユニフォームの下に着る鎧=アンダーアーマーがブランド名の由来)を流行らせたことで、スポーツ用品業界でもひときわ異彩を放つ存在だ。

 MLBのクレイトン・カーショー、テニスのアンディ・マリー、水泳のマイケル・フェルプス、アメフトのトム・ブラディなど数多くのトップアスリートと専属契約を結ぶなどマーケティング活動もアグレッシブである(2020年にはMLB全チームの公式ウエア企業になることでも知られている)。
 ちなみにアンダーアーマーのブランドビジョンは「I WILL WHAT I WANT」(自分が望む存在になる:和訳は筆者)であり、お客さま自身の成長実感というエクスペリエンス(ブランド体験)がブランド提供価値のエッセンスになっているところがポイントである。
 CESの基調講演でケビン・プランクCEO(かつてはアメフトの花形プレイヤーだった)が熱く語ったキーメッセージは「Data is The New Oil」(データこそが事業成長の新しいエネルギーだ)。

 アンダーアーマーは自社製品にセンサーチップを内蔵し、お客さまの生体データ(心拍数や血圧など)とAIを連携させることで、お客さまの運動量や体調の把握・管理・活動支援までをワンストップで行うことで「ウェルネスとフィットネスを提供する企業」という新たな「なりわい」を構築しようというのである。

■アンダーアーマーのIoT新サービスの理想像「Connected Life」



 ケビン・プランクCEOが基調講演のプレゼンテーションで披露した「ウェルネスとフィットネスを提供する企業」の「ありたき姿」(理想像)についてはYouTube上で閲覧することができる。

 お客さまはUA HealthBox機器(睡眠中と日中の生体データを測定するリストバンド、トレーニング中の生体データを測定するハートレート、トレーニングの進捗を確認する体重計/体組成計の3点)と呼ばれるギアを使って生体データを24時間・365日、アンダーアーマーに提供する。
 アンダーアーマーは収集したデータを外部データ(ビッグデータ)と統合してAI で解析し、スマートフォンの専用アプリを通じて「お客さまの近未来のエクスペリエンスの予測と改善提案」という形の情報サービスに加工してお客さまにフィードバックする。
 何はさておき、このサービスで秀逸なのは、「お客さまの気持ちの変化」(どんなに良い気分で一日を過ごせるか)がKGI(Key Goal Indicator)として中核に位置付けられており、そのためのKPI(Key Performance Indicator)として「睡眠」「栄養」「フィットネス」「日常活動」があるというひも付けがなされていることである(図1参照)。


図1:UA Healthboxのアプリ画面。

 お客さまの気持ちの変化に寄り添うことがブランドの差別化の最大のドライバーになる時代、
 「いかに良い気持ちで毎日を送るか」
にフォーカスしたアンダーアーマーのこのサービスは、エクスペリエンス・デザインの観点でも見習うところがある。
 競合でもあり、この分野では先行していた「Nike+」(ナイキプラス)が目指す、“フィジカルのパフォーマンス向上”といった機能的なベネフィットを提供するサービスとは、一線を画したものであることを強調しておきたいと思う。

 なお、UA HealthBoxと呼ばれるギアは、米国内ではアマゾンならわずか約220ドルで手に入れることができる。アンダーアーマーがハードウエアの販売で、儲ける気がないことは明白と言えるだろう。
 お客さまの全員会員化が前提の、サブスクリプション型(会員課金型)ビジネスへの展開がアンダーアーマーの野望である。

■なぜアンダーアーマーは自らゲームチェンジャーになったのか

 それではなぜ、スポーツ用品企業として進境著しいアンダーアーマーが、リスクを冒してまで、IoT技術を活用したウェルネスとフィットネスのサービスに打って出るのであろうか。
理由はおそらく3つある。

★.1つ目の理由はお客さまとの関係性の問題である。

 スポーツ用品企業としてのアンダーアーマーのビジネスの実態が、実はBtoCというよりもBtoB企業に近い体質であるということは、あまり知られていない事実だ。
 世界的に、スポーツ用品企業のビジネスモデルは大手のスポーツ用品流通企業に対する製造卸業であり、直営店のようなレアケースを除けば、直接のお客さまはエンドユーザーではない。
 米国内では、スポーツオーソリティやディックス(DICK’S)のような大型店舗を構えるスポーツギア専門店や、ウォルマートなどのGMS(総合スーパー)、アマゾンのような通販サイトが、彼らの最重要顧客に相当する。
 お客さま情報はスポーツ用品流通企業が囲い込み、アンダーアーマーにはフィードバックされるケースは少ないので、中長期視点でマーケティング戦略を考える場合、どうしても3C分析のCustomerの領域で死角ができる。
 そう、お客さまと直接つながり、お客さまの行動データをビジネスに活用することは、アンダーアーマーならずとも多くのスポーツ用品企業にとって喫緊の課題であったのである。

★.第2の理由は、企業の成長性に対する課題意識である。

 世界3位(年間売上高4500億円)のスポーツ用品企業になったとはいえ、米国と日本を主要市場とするアンダーアーマーは、文字通りグローバル展開を行っている1位のナイキ(年間売上高3.8兆円)や2位のアディダス(同2兆円)と比較すると、大きく水を開けられている。
 そればかりか、売上高はここ2〜3年、1000億円/年ペースで伸びているが、営業利益・純利益は全く伸びていない。
 製造業である以上、スポーツ用品というすでに成熟化したマーケットでより多くの量を売ろうとすれば、在庫や値引き販売のリスクは常に伴うのが宿命だ。
 企業としての明確な成長戦略を描くためにも、本業のスポーツ用品業が健全なうちに、次なる事業の柱を構築すべきタイミングに来ているということではないだろうか。

★.第3の理由は、お客さまと企業がデータを媒介にして24時間365日つながるIoTのビジネスは先手先手と常に他社に先駆けないと勝ち残ることが難しいという特有のゲームルールによるものだ。

■.IoT時代の勝者の条件は「学習能力の速さ」と「オープンな企業連繋」

最初はシンプルに小さな間口でサービスを導入し、
 お客さまのフィードバックを得ながらアジャイル(迅速な)改善を繰り返して、
 成功の糸口が掴めたら規模を拡大する「リーン・スタートアップ」と呼ばれる導入戦略が、IoT時代の勝利の方程式である。
別の表現で言えば、IoT時代の競争優位は、従来のような「ヒト・モノ・カネ」といった内部リソースの配分ではなく、まさに「学習速度の速さ」なのである。

 一番乗りの企業が、試行錯誤を繰り返しながらサービスの受益者であるお客さまをいち早く囲い込み、ロイヤルティの高い顧客基盤を作り上げる。
 そしてゲームルールを自由に設定する(サービスのスキームや料金体系など)ことができるだけではなく、フォロワー企業に安易に模倣されないように、特許や商標で防御網を張り巡らすことも可能になる。
 加えて、アンダーアーマーの戦略で先見性を感じるのは、「IoTを活用したウェルネスとフィットネスのサービス業」へとなりわいを転換するにあたり、オープンな企業連繋により、企業内部で調達できない専門的なナレッジやスキルをいち早く調達していることだ。

 図2で見るように、基幹システムはSAP、AIはIBMのワトソン、スマホアプリはサムスン、UA HealthBox機器はHTCという具合に、アンダーアーマー自身が指揮者の役割を演じる「オーケストラ型の連携」を実現しようとしていることに注目したい。


図2:アンダーアーマーの「オーケストラ型の連携」。

 2015年のCESのパネルディスカションで、シスコシステムのCEO(当時)のジョン・チェンバースは
 「IoTによって全ての企業はハイテク企業になる。
 フォーチュン500企業の中で生き残れる企業は40%に過ぎない。
 そしてDisruption(破壊的イノベーション)は今、そこに起きている現実であり、
 ベンチャー企業ではなく、大企業こそがDisruptor(破壊者)にならないと生き残れない
と看破した。

【参考】「巨大企業をなぎ倒していくIoTの凄まじい衝撃」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47868)

 エヌビディアがデジタライゼーションを象徴するベンチャー企業の代表者なら、アンダーアーマーこそがDisruptor(破壊者)に変貌しようとしている、リアルライフに軸足を置いた大企業の先駆けであるといえよう。

 生き残る40%の企業のリストにその名を残すために、われわれ日本の大企業に残された時間は実はあまり多くはない。


ダイヤモンドオンライン 2017.6.12
http://diamond.jp/articles/-/131396

「AIは脅威」は間違い、
人事部で広がるデータ活用

 人工知能と聞くと無機質で威圧的な印象だが、実際には人間の“作業”を負担してくれる優秀な存在だ
 人がAIに仕事を奪われる時代が来ると言われている。
 しかし企業の人事部門にとって、AIはかけがえのないパートナーとなる可能性がある。
 ダイヤモンド・オンライン「経営×人事」企画の本特集では、人事パーソンがAIを活用し、企業経営を劇的に変えて行くためのヒントを探る。
(ダイヤモンド・オンライン編集部 松野友美)

■AIは人間の仕事を奪うのか?
独り歩きする「人工知能」の怖い印象

 「AI人事部」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか。
 高度な知性を持つコンピュータが企業で働く人間の仕事を監督し、データを拠り所にして隙のない判断を下す。
 採用、評価、給与、人事異動などは機械が瞬時に決め、それに従う従業員たち。
 正確で公平な判断だが、それは膨大なデータから見出した人間には理解できない法則に乗っ取っている…。
 まるでSFのような話だが、そんなことが部分的には現実になろうとしている。

 企業の人事事務員が、将来、AI(人工知能)にとって代わられる可能性があるという研究結果が存在する。
 2015年12月に野村総研と英オックスフォード大学の共同研究によって発表されたものだ。その中では、人事事務員をはじめ、2030~40年頃には国内の601の職業のうち約49%が、人工知能やロボットに代替される可能性があるという見通しが語られている。

 こうした話を聞くと、今の職業から追われるのではないかと不安を覚える人事パーソンも少なくないだろう。
 しかし、世間で言われていることを鵜呑みにして、AIを人間に代わる働きをする「脅威」としてばかり捉えることは間違いだ。
 実はAIは、これからの人事パーソンにとって、かけがえのないパートナーとなる可能性がある。
 本連載で追っていくのは、人事部門がAIを活用し、企業経営を劇的に変えて行く未来の姿である。

 AI活用が進む欧米では「人工知能=とても優秀な計算機のようなもの」として捉えられており、人知を超えるものでは当然なく、あくまでツールだときちんと認識されている。
 AIに商機を見出すスタートアップベンチャーも続々と生まれている。
 小売店の店舗で、来客予測と売り上げを上げるために接客スタッフの立ち位置をAIで指南するシステムを開発したPercolata (パコラタ)や、営業マンの営業成績を入社時に予測するCangrade(キャングレード)などだ。

■人事に“作業”はいらない
「採用」から始めるAI活用

 日本でもそうしたAIの有用性が意識され始めている。
 とりわけ人事は、企業がグローバル競争を戦う中で社員にクリエイティブかつ生産的な働きを促す上で、さらなる戦略性が求められる領域だ。
 これまでの人事部は、少人数で労務管理から給与計算、採用、育成・人材開発まで幅広い業務に1年中追い立てられる多忙な部署、というイメージが強かった。

 どこの会社のどの部署にも言えることだが、
 「仕事が多くて回らない」状況では、無駄の改善によって生産性が向上するだけでは、新しい価値を創造することにはつながらない。
 “作業”的な業務を効率化し、より経営目線の働き方へと移行する必要性がある。

 そのため、人事部でもHRテクノロジー(人事で使われる最新技術)を使う動きが加速している。
 クラウド、ビッグデータ解析、
 RPA(システムが異なっても膨大なデータ入力作業を自動化できる仕組み)、
 スマートデバイスと並び、
 AIはHRテクノロジーの中の1つの技術ではあるものの、その存在感は日に日に強まっている。
 では、人事の領域では、実際にどんなAI活用が試みられているのか。具体的に見ていこう。

 人事におけるAI活用の代表的な場となっているのは「採用」だ。
 適性検査の結果が数値化できることや、面接の評価基準が一定であるため、分析しやすいデータが得られるからだ。
 日本では新卒一括採用が一般的であり、インターネットの浸透により学生たちは簡単な操作で複数の企業に入社希望のエントリー(応募)をすることができるが、エントリーを受けた企業は、大量の入社希望者の中から採用者を選別しなくてはならず、非常に手間がかかる。
 限られた人材で採用以外の業務もこなす人事部では、作業の効率化のために書類審査におけるAIを使った絞り込みシステムが重宝されている。

 仕組みを簡単に説明すると、予めその企業の優秀な社員(ハイパフォーマンス人材)の集団を統計手法を用いて分析し、優秀者の思考や行動の傾向をAIが導き出し、「傾向の塊のようなもの」をつくる。
 それを応募者のエントリーシートから読み取れる傾向と照らし合わせる(パターンマッチングする)ことで、「将来有望な新入社員」だと考えられる人を探し出し、ピンポイントで面接するという方法だ。
 エントリーシートが紙ではなく電子化されていれば、それをAIに読み込ませて勝手に計算させ、結果がパソコン画面に表示されるイメージだ。
このような取り組みを実際に始めている企業もある。
 日立製作所の技術系の新卒採用では、以前の採用ではあまり採れていなかった積極性や活動性が高い傾向にある学生をAIで抽出し、積極的に採用した。
 同社では今年4月に“AI採用”の1年生として新卒採用全体の3分の2を占める約200名が入社した。

 また、インターネット広告大手のセプテーニHDも新卒採用にAI(機会学習)を活用している。
 選考で応募学生のパーソナリティを問うテストを実施すると共に、学生を良く知る周囲の人による評判情報を回収し、データをAI(機会学習)で分析する。
 すでに同社で活躍している社員のデータと照合し、どんな仕事でどんな上司と働くと成長するのかを予測して、合否の参考にしている。

 欧米では、こうしたAIを使った採用選考は日本よりも一般化している。
 中には面接の様子をビデオ撮影して、受験者の表情、言葉遣いから家庭環境や思考を分析することもある。
 受験者の観察ではなく面接官の質問の質や態度の向上にAIを活用することさえある。

 ただし、課題も出てきている。
 「テンプレートに合う人を採るということなので適切と言えば適切。
 しかし、結果的に差別につながるという問題もある」(KDDI総研リサーチフェロー・小林雅一氏)。
 米国ではアファーマティブアクションと呼ばれる差別撤退措置が厳格に働くが、AIは人種や年齢、性別などに意図的ではないにせよ偏りを出してしまうため、それを是正するための配慮も必要になるという。
 日本企業の人事も、AI活用を進めるにあたって、今から心得ておくべきことだろう。

■人に関するデータを社内で連携できれば
採用以外でもAIは活用できる

 まだ研究段階の企業が多いが、採用以外の人事領域でもAI活用は動き出している。
 育成、配置転換、研修などがその対象だ。
 日本企業は企業内の組織連携が柔軟ではないところが多く、人に関するデータは人事、労務、事業部など各所に散らばっており、効率的に分析できていなかった。
 それらを繋ぎ合わせて社員全員のデータを揃えた(クレンジングした)うえでAIに読み込ませ、一元管理・分析すれば、人間には思いつかない関連性を見出すことができる。

 人に関するデータの分析は「ピープルアナリティクス」と呼ばれ、企業で働く個人の能力や経験にまつわるデータを収集し、人材開発や“適材適所”の配属を最適化するタレントマネジメントに役立つ。
 労務・総務に関わる給与や健康管理も、同一人物に関する人事データと突き合わせれば、機械の手を借りて適切に扱うことができるだろう。
 こうした仕事はデータサイエンティストが専門とするが、多数の従業員を抱え人に関するデータが豊富にある大企業だけでなく、中小企業もAIを活用することができる。

 実際、少人数のデータでも分析が進んだ事例がある。
 慶應義塾大学ビジネス・スクールの岩本隆・特任教授は、カシオ計算機と協力した実験で、ハイパフォーマー人材30名のデータから、優秀者の多くが持ち合わせている特性を参考値として使えるレベルで見出すことに成功したという。
 こうして人事にAIを取り入れれば、やがて「人事の仕事は『戦略的な育成』しか残らなくなるかもしれない」と岩本氏は語る。

 人事の専門媒体『日本の人事部』の長谷波慶彦編集長も、AIの活用により、人事の仕事はむしろ機械ではフォローできないところに特化してゆくと予測する。
 「エスノグラフィ(行動観察)という手法を用いるなどして、社員とじっくり向き合いコミュニケーションをとるという、泥臭いところが人事部の仕事になるのではないか」。

 そうなれば、営業やマーケティングなど各部署(ライン)のマネジャーが労務管理を行うことができるようになり、人事部は経営者に組織強化や人事管理のノウハウ(現在の人事の仕事)を教え、社員のマネジメントを補佐する立場に変わる。
 これからの人事部は戦略的な人材育成を構想するなど、専門性を磨くことに存在意義を見出すことになるだろう。

 まだ人事部にAIを活用することで「企業業績が向上した」など具体的な成果が報告されているケースはないが、AIによって人事パーソンの事務作業の負担を減らすことで、経営に資する戦略的な提案を行う時間が生まれれば、業績によい影響が出ることも想像に難くない。
 それを実現するために、AIやHRテクノロジーについて人事部の現場担当者はもちろん、経営者も興味を持ち、動き始めている。

「AI人事部」特集では、第2回で「K(勘)K(経験)D(度胸)」に頼らない採用や退職者予測技術の開発背景について、第3回「AIを導入した人事部」では新卒採用の最前線やAI活用のための組織づくりの苦労と経営者の期待について扱う予定だ。


IOT today 2017.06.13 BY Kayo Majima (Seidansha)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50237

執筆から配信までわずか2分 脅威のスピードを誇るAI記者
「AWS Summit Tokyo 2017」特別講演レポート

 人工知能(AI)の技術が日進月歩を続けている現代、“AIに仕事を奪われる職業はコレ!”といった報道も少なくない。
 新聞記者やライターもAIに取って代わられる職業としてあがることも多い。
 そんななか、先日開催された「AWS Summit Tokyo 2017」(Amazon主催)にて、日本経済新聞社・デジタル事業BtoBユニットの藤原祥司氏による講演「“AI記者”の生みの親〜『テクノロジーメディア』への挑戦」が実施された。
 AIに取って代わられる可能性もある新聞社が生み出したAI記者とは、一体どんな記者なのだろうか……。
 藤原氏の講演に足を運んだ。

■第3次AIブームのなか、生み出された“AI記者”

 日本経済新聞社は、2017年1月25日に人工知能(以下、AI)が文章を生成するサービス「決算サマリー」を公開。
 これは、上場企業が発表したデータをもとに、AIが文章を作成し「業績速報」として配信するサービスだ。
 記事公開まで、人の手は一切加えられないという。

 まずはじめに、『ゴルフ・ドゥの17年3月期、純利益12.5%増8100万円』という記事をスライドに映し出した。
 その内容はというと、前年比などの推移はもちろん、同社の売上高が前年を上回った理由を「直営店およびフランチャイズ加盟店への業績に貢献している」ことなど、しっかり要点を捉えた記事となっている。
 この記事こそが、AI記者によって作られた記事だという。
「日経のデジタル事業の中でもっとも力を入れているのが、このAIサービス」
と語る藤原氏。
 第3次AIブームと呼ばれている今、同社が開発したAI記者への反響も大きかったという。
 はたして、AI記者はどのようなプロセスで業績速報を配信しているのだろうか?


●AI、IoT、ビッグデータに関する記事数の変化をまとめたグラフ。

 2017年はAIの記事数がダントツに多く、注目度も高い
「まず『東京証券取引所適時開示情報サービス』が開示した『決算短信』というデータを取得します。
 決算短信とは、売上や利益などの数字と、決算状況に至った背景が書かれたPDFとXBRL形式のデータのこと。
 この決算短信を日経のサーバーに取り込んで、Amazon Web Serviceで構築したシステムに読み込みます」
 読み込まれたPDFから項目ごとにテキストを抽出し、文章の各構造を解析。
 原因と結果の文書ペアを見つけ出して、ネガティブ文とポジティブ文を分析。
 そこから、業績要因とそれ以外の文を分類する。
 分類された文章は、日経が定めた基準をもとに、さらに業績要因を選択してから、文章を読みやすく要約して整えた後、記事が公開される。

 こうして、分析と解析を重ねて生成された記事は『日経電子版』と『日経テレコン』上に配信。
 なんと、配信までにかかる時間は2分ほど! 
 とてつもない速筆記者だ。
 「AIが書いた記事には、内容が非常にコンパクトという特徴があります。
 そのため、人間が書いた記事と見比べると違いがわかります。
 見分けるポイントは『なぜこの業績結果につながったか』という文章の書き方です」
 
 藤原氏が例にあげたのは、雪印メグミルクの決算に関する記事。
 人間記者の文章には「自宅で酒をたしなむ『家飲み』が広がり、おつまみ用のチーズ商品が好調だった」などの補足情報がある一方で、AIの記事には「チーズは市場が伸長する中で好調に推移した」というように、原因と結果を端的にまとめている。


●向かって右がAI記者の記事。少々淡白な印象があるが、その内容になんら問題はない

■決算ピーク時にも2分で1本の記事を作成
 同プロジェクトは、2015年3月にデジタル部局の若手エンジニアたちが社内チャットでの雑談がきっかけとなった。
 そして同年冬には、東京大学の松尾研究室との共同研究開発を開始したという。
 「2016年の夏頃にはプロトタイプが完成し、徳島大学発のベンチャー企業・言語理解研究所(ILU)の技術協力を得て開発に着手。
 同年12月にはベータ版が完成し、2017年の1月にはベータ版サービスを公開しました」
 1月25日のサービス開始から5月26日まで、公開されたAI記者による記事は、6787本とのこと。

 一方で日経の記者は、1人につき上場企業50〜70社を担当し、決算発表時期には定型原稿を作成する。
 しかし、1人の記者がどんなにがんばったとしても1日に5社の業績速報を書くのが限界だとか。
 そのため、年に4回訪れる決算ピーク時には、毎分300社が決算を開示するが、速報として執筆できるのは、注目度の高い大企業に限られてしまうという。
 「ただ、どんなに小さな会社でも企業情報を求めているユーザーは必ずいます。
 AI記者による記事の大量生成は、そうしたユーザーのニーズに応えるサービスとなるはずです」

■AI記者と人間の記者、それぞれの強みを生かすサービスへ

 より多くの決算情報を瞬時に届けてくれるAI記者。
 この新たな仲間に対して、編集部員たちはどう受け止めているのだろうか?
 「AIの導入によって、業務の変更は起きてくると思います。
 ただ、編集部員たちも仕事を取られるという意識はまったくなく、好意的に受け止め『あんなことはできないの?』など、いろいろな提案してくれます。
 AI記者が業績速報などの定型業務を行うことで、人間の記者の負担が減るため、サポーターとして非常に期待してくれているようです」
 これまで、人の手で作られてきた速報や定型業務をAI記者に任せることで、記者は自分の足を使って取材ができるため、記事内容の“付加価値”を高めることにつながるという。
 「文章の流暢さや創造性などの課題が残るものの、
 数字の正確性と、記事の大量生成、処理速度は、AI記者の最大の“強み”になります。
 人間の記者は、負担が軽くなったぶん、業績速報で特徴的な決算をした企業に後追い取材を続け、どんどん情報を掘り下げていくことで、きちんとした報道をすることができるはずです」

 今後は文章力をチューニングしつつ、業績速報のほかにも市場速報や、統計記事、社長交代、プレスリリースなどの“パターン化された記事”の執筆もAI記者に任せていく予定、と藤原氏。
 まさに、人とAIが共存する時代の幕開けを感じるスピーチだった。
 数年後には「AIに仕事が奪われる!」という考え方のほうが、時代遅れになっているのかもしれない。







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2017年6月11日日曜日

“アジア・アフリカ大動脈構想”?:そんなのあったんだ!

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6/11(日) 8:00配信 日刊工業新聞電子版
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170611-00010000-nkogyo-ind

中国「一帯一路」の対抗軸となるか、
日本とインドの“アジア・アフリカ大動脈構想”

■「負の遺産」脱却へ推進役

 アフリカ開発銀行(AfDB)の第52回年次総会が先月下旬(5月22-26日)、初めてアフリカの地を離れ、インドのグジャラート州の州都・ガンディーナガルで開かれた。
 そのサブイベントとして、各種の会合・セミナーなども行われ、日本はAfDBアジア代表事務所と「アフリカの発展に向けた日印協力」に関するセミナーを開催した。

 この中で、日印両国政府が進めようとしている「アジア・アフリカ成長と繁栄の大動脈構想(Asia-Africa Growth Corridor =AAGC)」に関し、インドのナレンドラ・モディ首相によって、そのビジョン骨子が表明された。

 インド紙などの報道によると、モディ首相はその直前に北京で開かれた中国の「一帯一路」構想に関する国際会議への招待を断っていただけに、その発言は注目されたようだ。
 AfDBの総会総括についての新聞発表でも、AAGCに言及された。

 アフリカは第二次世界大戦後も長らく、欧州の植民地時代からの「負の遺産」を抱え、貧しさの象徴的な存在であった。
 その脱却からの推進役の一つがAfDBだ。

■最優先は医薬・農業・災害・技能

 アフリカ大陸の人口は推定10億人。
 うち8.5億人がサハラ砂漠以南のサブサハラ(49カ国)に住む。
 いまだに内戦状態にある国があり、
 1日2ドル以下で暮らす人々は5億人とされる一方、10億人のうち
 5000万人は先進国並みの生活水準にあり、
 中間層は4.5億人とされている。

 2000年代の平均実質GDP(国内総生産)の伸びは5.8%と高成長を遂げた。
 AfDBによると、資源価格の軟化などで、16年のアフリカの経済成長率は前年の3.4%より低下して2.2%に落ち込んだものの、17年は3.4%、18年は4.3%の成長が見込まれるという。

 AAGCは、昨年11月のモディ首相の訪日時に、安倍晋三首相との首脳会談で合意されたもの。
 古代から文化、ヒト、モノなどの交流に貢献した海路の役割を再度見つめ直し、
 「アフリカ大陸、インド、南アジア、東南アジアそれに太平洋の国・地域を自由にかつ開放的に結び付ける」
ことを目的に掲げている。

 発表された骨子は4本の柱からなる。
 中でも最優先課題
★.健康・医薬品、農業、農産品加工、災害管理、技能開発の開発プロジェクト
 以下、
★.質の高いインフラと各機関間の連携構築、
★.能力・技術の向上、
★.人と人とのパートナーシップ構築
―の4点だ。

 骨子は、
 国際協力機構(JICA)、
 国際協力銀行(JBIC)、
 ジェトロ・アジア経済研究所、
 ジャカルタにある東アジア・ASEANセンター(ERIA)、
 インドの政府系機関であるRIS(Research and Information System for Developing Study)
が共同でまとめた。

■海路を核とした産業回廊

 日本政府は1993年、国連、国連開発計画(UNDP)、アフリカ連合委員会、世界銀行とともにアフリカ開発会議(TICAD)を立ち上げた。
 珍しく日本政府主導の大規模な国際会議づくりの成果だが、昨年8月には、日本を離れ、ケニアのナイロビで第6回TICADを開いた。
 とはいえ、日本の経済界・産業界のアフリカに対する事業展開は、中国のアフリカ進出などと比べ、低調であることは否めない。

 しかし、ここ数年、日本企業もアフリカ市場に注目するようになり、ジェトロによると、長年、アフリカとの経済・人的面で関係の深いインドをアフリカビジネスの拠点として活用する機運が出てきているという。
 大手メーカーの中には、インド法人に中近東・南アジア・アフリカ事業の地域本社機能を持たせるところも出てきている。

 安倍首相は5日の都内での講演で、「一帯一路」構想について、「洋の東西、そしてその間にある多様な地域を結びつけるポテンシャルを持った構想」と評価。
 インフラ整備では「透明で公正な調達」や債務が返済可能なことなどの重要性を指摘しながら、同構想に対する姿勢を軟化させた。

 AAGCは、中国が進める「一帯一路」構想をにらみ、
 海路の自由航行を基本とした、持続的成長に向けた産業回廊の構築
を打ち出している。
 AAGCの具体的内容は、7月の独ハンブルグでのG20サミット時ないし9月とされる安倍首相の訪印時に明らかにされる予定だ。

 AAGCの推進には、何より民間の力が欠かせない。
 日本企業の間からは「インド企業と付き合うのは疲れる、難しい」との声も聞かれる。
 だが、遅ればせながらの日本企業の本格的なアフリカ進出で、インド企業との連携が役に立つ面もあろう。
 AAGCを機に、構想力に富んだ対アフリカ経済・産業協力事業の推進を民間に期待したい。







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日本の武器・装備が脇役から主役:日米共同訓練の目的とは

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 2012年の中国による反日デモによってそれまで平和ボケで寝込んでいた床からたたき出された日本が寝ぼけ眼で「普通の国へ」とあゆみ初めて5年がたった。
 枕を蹴飛ばし、たたき起こしたのは中国だが、5年たってやっとこさ動けるようになったのが今の日本の状況であろう。
 中国が強圧的に出れば出るほど、日本は反作用として防衛強化に奔走することになる。
 日本は歴史的は軍事経験からみて、その資質をもっている。
 中国の周辺国とは異質の国である。
 その国に強く出て頭を押させこもうとすることは危険なことである。
 日本に軍事大国化へのいい口実大義名分を与えるだけになる。
 うまくソフト的外交で出ていけばいいものを、「俺が大将」とばかかりに豪圧をひけらかすスタンスで臨んだために事がややこしくなっている。
 中国の外交姿勢の限界ということだろうか。
 日本は中国が強く出れば出るほど、それに比例して軍事大国化していかざるを得ない。
 戦争キャリアからして、日本は海空戦力で中国に負けるとは本質的に思っていない。
 「必要ならお相手しますよ」
といった気概さえもっている。
 これは危険なことである。


Record china配信日時:2017年6月11日(日) 6時20分
http://www.recordchina.co.jp/b180584-s0-c10.html

米空母2隻と護衛艦「ひゅうが」参加の共同訓練、
日本が「脇役から主役に」と警戒―中国メディア

2017年6月10日、米国の原子力空母2隻と海上自衛隊の護衛艦「ひゅうが」などが参加した共同訓練に中国メディアが強い関心を示している。
 「ひゅうが」を「準空母」と見なしているためで、「尋常ではない変化が起きつつある」と指摘。
 「日本の武器・装備が脇役から主役に変わり始めた」
と警戒している。

 日本メディアによると、共同訓練は能登半島沖の日本海で6月1日から3日間にわたり実施。
 米海軍の原子力空母「カール・ビンソン」「ロナルド・レーガン」の2隻の空母艦隊と「ひゅうが」、イージス艦「あしがら」や航空自衛隊のF15戦闘機などが参加した。
 軍事的挑発を続ける北朝鮮に日米の連携姿勢を示す狙いだった。

 中国が神経をとがらす「ひゅうが」は、基準排水量13,950トン、全長197メートル。
 外観は空母と同じで広い甲板を備え、ヘリコプターを最大11機搭載できる。
 同型艦の「いずも」「かが」「いせ」と同様に国際的には「準空母」とされる。

 今回の共同訓練について、中国網は「日本の護衛艦『ひゅうが』が日米共同訓練に参加、改憲の加速が狙いか」との記事を掲載。
 「日米両国の空母3隻が出動して共同訓練を行うのはこれが初めて
 この情報は特段変わった点のない情報に見えるが、
 日本の海上自衛隊の準空母の運用には尋常ではない変化が起きつつある
と論評した。

 記事は
 「ここ数年、日本の自衛隊は各国の軍事演習でずっと脇役を演じてきた。
 武器・装備の発展でも脇役だった。
 しかし、安倍政権の時代になってから、日本の軍事政策は自衛隊により大きな役割を発揮させる方向に転換した。
 このために、日本は『空母の作戦能力を持つ』駆逐艦、すなわち『準空母』を開発した」
と強調。
 「この種の『準空母』は徐々に海上自衛隊の主力艦艇となり、日本海の日米共同演習での役割にも変化が発生している。
 この静かな変化は非常に注目に値する」
としている。

 さらに、
 「日本の海上自衛隊が空母を配備してから、日本の武器・装備が日米共同演習で果たす役割は脇役から主役に変わり始めた」
と言及。
 海外メディアの「日米の武器・装備で平等なパートナーシップ現象が発生している」との分析を引用し、
 「この傾向が続けば、近い将来、日米共同軍事演習で日本の武器・装備は主役を担う可能性がある。
 アジア太平洋地域で米国の覇権を支える軍事的存在の中で、日本の自衛隊は主役を演じ、米国の手先となる可能性がある」
とみている。

 その上で中国網は
 「日本が手先となるのには狙いがある。
 日本政府は自衛隊が軍隊の『身分』を手に入れることを望んでいる」
と報道。
 「安倍政権は準空母の海外での役割発揮を皮切りに、
 自国の専守防衛を任務とする自衛隊が海外活動に従事し、軍隊としての役割を果たせるようにしたいと考えている。
 安倍政権はこうして『憲法改正』に向けた動きを加速している」
と警戒感を深めている。