2017年2月7日火曜日

中国(15):中国外貨準備高  約6年ぶりに3兆ドル割れ

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ロイター 2017年 02月 7日 21:11 JST
http://jp.reuters.com/article/china-foreign-reserve-idJPKBN15M0OE?sp=true

中国外貨準備高、1月末は2.998兆ドル 
約6年ぶりに3兆ドル割れ

[北京 7日 ロイター] - 1月末の中国外貨準備高は2兆9980億ドルとなり、12月末から123億ドル減少し、2011年2月以降初めて3兆ドルを割り込んだ。

 ロイターがまとめたエコノミスト予想は105億ドルの減少だった。

 2016年通年では、外貨準備は3200億ドル近く減少。2015年も5130億ドル減と過去最大の落ち込みを記録しており、資本流出懸念が高まっている。

 中国人民銀行が公表したデータによると、
★.1月末時点の金準備は712億9200万ドルと、12月末の678億7800万ドルから増加した。

 3兆ドルを割り込んだことで、外貨準備の減少ペースに対する懸念が広がり、当局が今後、どの程度の期間、通貨と外貨準備の両方を支えることができるかについて疑問が生じている。

 一部のアナリストは、外貨準備の大幅な減少と、大幅減の継続により、中国が2015年と同様に通貨切り下げを行う可能性を懸念している。
 切り下げがあれば世界の金融市場に混乱が生じ、米国の新政権との政治的緊張感が高まることもあり得る。

 ただ、1月の減少幅は12月の減少幅(410億ドル)と比べて大幅に少なく、7カ月ぶりの低水準となった。
 資本流出に対する当局の取り組みが、少なくとも現時点では奏功していることが示唆された。

 エコノミストらは、今回の外貨準備減少を受けて当局が規制強化を強める可能性があるとみている。

 フォーキャスト(シンガポール)のエコノミスト、チェスター・リアウ氏は
 「外貨準備が3兆ドルを下回ったことを受け、資本規制と人民元の流動性の引き締めが続くことが予想される」
と述べた。

 複数のアナリストは、1月にドルの上昇基調が続いていたら、中国の外貨準備の落ち込みはさらに激しかった可能性があると指摘。
 ドルの軟化が外貨準備の下支え要因になった。

 一部アナリストは、国際通貨基金(IMF)の指針に基づくと、
★.中国の外貨準備の必要水準は最低で2兆6000億─2兆8000億ドルになる
とみている。

 コメルツ銀行(シンガポール)の新興国市場担当シニアエコノミスト、周浩氏は
 「外貨準備が3兆ドルを割り込んだことは、中国が介入戦略を見直す必要があることを意味している」
と指摘。
 人民元の軟化が続くとの市場の見方が変わる可能性が低ければ、外貨準備を減らし続けることは大きな意味をなさない、との見方を示した。



日本テレビ系(NNN) 2/7(火) 23:51配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20170207-00000085-nnn-int

中国外貨準備高 6年ぶり3兆ドル割り込む

 中国の今年1月の外貨準備高が、およそ6年ぶりに3兆ドルを割り込んだ。
 資金流出が加速するとの懸念も出ている。

 中央銀行にあたる中国人民銀行は7日、今年1月末の外貨準備高が2兆9980億ドルになったと発表。
 およそ6年ぶりに3兆ドルの大台を割り込んだ。
 輸出の前年割れが続き経済が減速するなか、
 中国の外貨準備高はここ2年半で、1兆ドル近く、およそ100兆円減少している

 またトランプ政権への期待によるドル高の傾向のなかで、下落している人民元を買い支えたことも影響しているとみられる。

 今後、さらに外貨準備高が減って自国通貨の買い支えが困難になれば、さらなる人民元安や海外への資金流出を加速させる恐れがある。

 これに対し、中国国家外為管理局は、
 「内外の複雑な経済環境を考えると変動は正常」
とした上で、
 「減少幅自体は小さくなっていて、海外への資金流出のペースは落ちている」
との見解を示している。



ロイター 2017年 02月 8日 15:55 JST  Pete Sweeney

コラム:中国の外貨準備高、越えた危険な一線

[香港 8日 ロイター BREAKINGVIEWS]
 - 1月末の中国外貨準備高が約6年ぶりに3兆ドルを割り込んだ。
 政府が資本流出を取り締まる中、減少ペースは鈍化した。
 しかし、象徴的な数字や目標、指数水準などに固執する国にしてみれば、憂慮すべき譲れない一線を越えたと言える。

 中国の外貨が減少し続けているのは、次なる一線を守ろうとする試みが一つの要因。
 つまり、1ドル=7元を超える元安にしないということだ。
 中国人民銀行は1月にオフショアで介入を繰り返し、今やそれが理にかなうかどうかにかかわらず、その節目を守らざるを得ない状況にある。
 米財務省が4月の為替報告書で中国を為替操作国に認定する可能性があるのがその背景だ。

 ただ、為替操作国認定はドルに左右される部分が大きい。
 もし長らく続くドル高がピークに近づいているなら、中国政府も安心できる。
 また、月130億ドル以下の外貨減少なら恐れることもない。
 国際通貨基金(IMF)の指針では中国に求められる外貨準備高の最低水準は2兆6000億ドルとされ、それに迫るには4000億ドル近い余裕があるからだ。

 不幸なことに、元が底値付近にあると考えるエコノミストはほとんどおらず、
 年内にさらに5%かそれ以上下落するとの見方もある。
 もし中国が市場原理に完全に委ねるとしたら、おそらく急落という結果を招くだろう。
 それが資本流出を加速し、米国の報復を招くことになる。
 中国の外貨準備高の絶対的水準はまだ問題ではないが、それがどちらに向かっているかは懸念すべきだ。

●背景となるニュース

*人民銀行が7日公表したデータによると、1月末の中国外貨準備高は12月末から123億ドル減少し、2兆9980億ドルとなった。

*1月の減少幅は12月の減少幅(410億ドル)と比べて大幅に少なく、7カ月ぶりの低水準となった。

*元の切り下げが実施された2015年8月以来、約5000億ドル減少。
 それでも、中国の外貨準備高はなお世界最大。
 元は16年に対ドルで6.6%減少し、1994年以来の下落幅となった。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。


中央日報日本語版 2/9(木) 13:08配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170209-00000026-cnippou-kr

韓経:【社説】中国の外貨保有高3兆ドル割れ、
韓国は人民元ショックに備えているのか

  中国の外貨準備高が2011年2月以来5年11カ月ぶりに3兆ドルを割った。
 中国人民銀行は先日、1月の外貨準備高を2兆9982億ドルと明らかにした。
 これは前月比123億ドル減で、7カ月連続の減少となる。
 外貨準備高が減っているのは人民元の急激な下落を懸念する中国当局が人民元を買ってドルを売る市場介入を増やしたからだ。
 人民銀行も「為替市場の需給均衡のための外貨供給が主な要因」と明らかにした。

 中国の外貨準備高3兆ドル崩壊はいくつかの面で象徴的な意味を持つ。
★.2兆ドル台に減少したからといってすぐに中国に大きな変化が生じるわけではない。
 ただ、その間3兆ドルは一種の心理的支持ラインの役割をしてきたという点で人民元安のペースが速まる可能性は高い。
 特に人民元の為替レートが1ドル=7元を超える場合はそうだ。
 人民元はこの1年間の4.7%ほど下落し、現在1ドル=6.88元ほどだ。

★.国際通貨基金(IMF)は中国の適正外貨準備高を2兆6000億-2兆8000億ドルと見ている。
 この基準ではまだ余裕がある。
★.しかし中国の外貨準備高のおよそ3分の1は流動性がほとんどない資産だという点を勘案すると話は変わる。
 さらに人民元安を防ぐための直接的な資本統制は、人民元の国際化を推進中の中国としては容易な選択でない。

 2015年の下半期から本格化し、昨年初めにピークを迎えたヘッジファンドの人民元攻撃が再び強まったという分析もある
★.ジョージ・ソロスをはじめとするヘッジファンド界の大物は依然として人民元安にベッティング中であることが分かった。
 GDPの300%に迫る中国の過度な負債と
 急増する銀行界の不良債権、
 成長率の低下
などを勘案すると、人民元がさらに落ちるとみているのだ。

 人民元が急落する場合、世界市場全体に少なからず衝撃を与える。
 中国経済依存度が大きい韓国としては致命傷になると予想される。
 国外の経済動向を注視していなければ危機を迎えるかもしれない。

※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。



夕刊フジ 2/9(木) 16:56配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170209-00000015-ykf-int

習政権八方ふさがり 
外貨準備3兆ドル割れ、
今後も減少は止まりそうにもないが…

 中国の1月の外貨準備高が5年11カ月ぶりに3兆ドルの大台を割り込んだ。
 中国経済への不安感から資本流出が続いていることに加え、トランプ米大統領の通貨安批判をかわすために、人民元を買い支えていることが背景にある。
 今後も外貨準備高の減少は止まりそうもない。

 中国人民銀行(中央銀行)によると、1月末の外貨準備高は2兆9982億ドル(約336兆5000億円)。前月末と比べ約123億ドル減少し、2011年2月以来の大台割れとなった。

 習近平国家主席が1月に訪問先のスイスで「元の切り下げで(輸出)競争力を高める考えはなく、通貨安競争を仕掛けるつもりもない」と強調したが、中国当局は外貨準備を切り崩して為替介入し、人民元を必死に買い支えているのが実態だ。

 それでも人民元は昨年1年間で対ドル相場が約6・6%下落。
 これを受けてトランプ氏は、人民元安戦術による中国の輸出拡大を批判。
 中国製品に高関税をかけるほか、「為替操作国」にも指定すると恫喝している。

 トランプ政権の経済政策への期待感から景気が上向いている米国が利上げを続ければ、中国からの資本流出は一段と増大する。

 一方で、トランプ氏による批判を回避しようと人民銀行が介入を控えれば、「外国為替市場ではさらに元安ドル高への圧力が強まる」(市場関係者)という八方ふさがりだ。

 中国共産党と政府は今年の経済政策を決める昨年12月の経済工作会議で、人民元相場安定を重要政策として確認しているが、外貨準備高はトランプ政権の対中政策や市場に振り回されることになる。



人民網日本語版配信日時:2017年2月10日(金) 6時20分
http://www.recordchina.co.jp/a163246.html

外貨準備高の減少ペースは鈍化する―中国専門家

 中国人民銀行(中央銀行)が7日に発表したデータをみると、2017年1月の中国の外貨準備高は2兆9982億400万ドルで、同月に123億1300万ドル減少した。
 7カ月連続の減少で、外貨準備は11年2月以降で初めて3兆ドルの節目を割り込んだ。
 専門家は、
 「人民銀が市場に外貨資金を流し込んで外貨の需給バランスを調節したことが、外貨準備高の減少を招いた主要因だ。
 債権市場の開放など複数の要因を総合的に考慮すると、
 2017年には中国の国境を越えた資本流出の規模は縮小し、
 外貨準備高の減少ペースは鈍化するだろう」
との見方を示した。
 中国証券網が伝えた。

▽「節目」を重視する必要はない

 人民銀のデータをみると、17年1月31日現在、外貨準備高は2兆9982億ドルで、16年末比123億ドル減少し、減少幅は0.4%だった。
 国家外貨管理局関連部門の責任者は、「1月の状況から考えて、人民銀は市場に外貨資金を流し込んで外貨の需給バランスを調節しようとしており、これが外貨準備高の減少を招いた主要因だ」と指摘した。

 同責任者は続けて、
 「旧正月の春節(今年は1月28日)があったため、 
 国民の間で海外旅行や消費活動が活発になり、企業の債務返済や決算などの財務処理も増加し、
 これにともなって外貨ニーズが高まり、外貨準備高の減少を招く季節的要因となった。
 国際金融市場では米ドル以外の通貨の対ドルレートが全体として反発しており、
 外貨準備のうち非ドル通貨を米ドルに換算して報告すると金額が上昇し、このことが外貨準備高の増加を促す主要因になる。
 また外貨準備の資金運用・回収の多様化も外貨準備高に一定の影響を与える」
と述べた。

 同責任者はさらに次のように強調した。
 「実際のところ、外貨準備は1つの連続変数であり、複雑で多様に変化する国内外の経済・金融環境の中で、外貨準備高が上下動するのはごく当たり前のことで、いわゆる『節目』を特別に重視する必要はない。
 絶対的な規模からみても、その他の充足した指標から考えても、中国の外貨準備高にはゆとりがあるといえる。
 現在、中国経済における中高速成長の持続、経常項目の黒字の維持、財務状況の好転、金融システムの安定といった基本的側面には変化がなく、こうしたプラス要因はいずれも人民元が安定した強い通貨となるよう継続的に支えており、外貨準備高が合理的でゆとりある水準を保つよう促進している」。

 招商証券の謝亜軒チーフマクロアナリストは、
 「3兆ドルは外貨準備高の最低ラインではない。
 外貨市場の構築、レートの市場化という角度から考えれば、プライベート部門は対外資産をより多く保有するべきであり、公共部門すなわち人民銀が保有する外貨準備高は緩やかに減少して、
 『国民が外貨を保有する』状態を実現することになる」
との見方を示す。

▽外貨準備の減少幅は縮小する

 同責任者は、
 「前年同期に比べ、今年1月の外貨準備高は872億ドル減少し、前月との比較では、288億ドル減少し、減少幅は明らかに縮まっている。
 為替レート切り上げという要因を考慮すると、
 外貨準備高の前年同月比減少幅および前月比減少幅はどちらもはっきりと縮小しており、
 ここから中国の国境を越えた資金流出が一時期より落ち着いていることがわかり、
 今後は中国の経済成長のエネルギーが徐々に強まるのにともなって、国境を越えた資金フローがより均衡を保つようになるものと予想される」
と述べた。

 中国民生銀行の温彬チーフ研究員は、
 「今後数カ月間、外貨準備の減少幅は縮小を続けるとみられる。
 今年1月の外貨準備は主に2つの方面の影響を受けた。
 1つは、今年1月に米ドル指数が2.64%低下し、外貨準備の投資におけるユーロ資産や円資産の価値が増大したこと。
 もう1つは、人民元の対ドルレートが下げ止まって反発し、元安が一時的に逆転するとみられ、これに外貨の合規性の審査が強化されたことが加わり、外貨の決済・購入の逆転現象に好転の可能性があるとされたことだ」
との見方を示す。

 謝アナリストは、
 「1月の外貨準備高減少には3つの季節的要因の影響がある。
 個人の外貨購入の限度額制度が復活して外貨資産保有のニーズが高まったこと、春節の海外旅行で外貨購入ニーズが高まったこと、企業が債務返済期限を迎えて外貨資金が必要になったことだ。
 債権市場の開放など複数の要因を総合的に考慮すると、17年には中国の国境を越えた資本流出の規模は縮小し、外貨準備高の減少ペースは鈍化するだろう」
と予測する。

 華泰証券の李超チーフマクロ研究員は、
 「このたびの人民元の切り上げ幅は米ドル指数の低下幅には及ばず、人民元は17年も切り上げ圧力を受けるとみられる。
 米ドル指数が上昇の動きをみせれば、人民元の切り下げ調整のペースは切り上げ調整を上回るものになる」
との見方を示す。

 また李研究員は、
 「人民元の対ドルレートが双方向に変動し、変動幅が拡大していることは人民銀の目下の相場コントロールの方向性に合致している。
 これと同時に、外貨準備の持続的な減少は人民銀の金融政策を牽制することになり、国内の金融政策が安定・ニュートラル、マージナルという点で引き続き引き締め基調を取る状況は変わらず、国際収支の受け身の局面を転換させることになる」
と強調した。

(提供/人民網日本語版・編集/KS)



人民網日本語版配信日時:2017年2月12日(日) 6時30分
http://www.recordchina.co.jp/a163478.html

中国の外貨準備高、増えても減っても懸念の声?―中国紙

 最近、中国の外貨準備高をめぐって論争が巻き起こり、もちろん反対の声もあるものの、
★.為替の変動を気にするのではなく、外貨準備を減少させないことを考えるべき
との声が高まっている。
 中国人民銀行(中央銀行)が公表した最新データによると中国の外貨準備高は3兆ドル(1ドルは約112.3円)を割り込み、再び懸念の声が上がっている。経済参考報が伝えた。

 実際には、外貨準備高は、増えることもあれば減ることもあるものだ。
 数年前は、その額が増加の一途をたどり4兆ドルを超えるのではないかと懸念されていた。
 しかし、近年は逆にその額が減り始め懸念の声が上がっている。
 増えても心配、減っても心配という状態なのだ。
 実際には、大幅な減少や制御不可能な減少でなければ、心配する必要はない。
 今年1月末の時点で、中国の外貨準備高は2兆9982億ドルとなった。
 多くの専門家は3兆ドル以上を維持すると予想していたが、3兆ドルを割り込んだのも全くの予想外というわけではなかった。
 これまで、その額は6カ月連続での減少となっており、月ごとに見ると、1月は123億ドル減少し、411億ドル減だった12月より288億ドル少ない。

 外貨準備高の減少は主に「当局にあった為替準備を国民が活用した」結果だ。
 人民元高が続いていたここ約10年、中国経済は急成長の段階にあり、実体経済の投資収益率は高かった。
 それに加えて、不動産などの資産価格なども、予想を上回るほど好調な状態だったため、中国の企業や個人は外貨資産を所有することを望まず、受け取った外貨資金をすぐに人民元に換えていた。
 そのため、中国の外貨準備高は増え続けていたのだ。
 同期間、人民元高や中国と海外の利子の差などに目を付け、海外から融資を受ける企業や個人も多く、そのことも外貨準備高の増加を促進した。
 もちろん、それによってもたらされたホットマネーも一部ある。

 当時、中央銀行も為替準備を分割し、国民にも活用してもらおうと努力を払ったが、個人や企業は理性的に最大の利益を得ることを考え、結局、ほとんどの外貨が中央銀行に残ることになった。
 そのため、多くの国と比べると、中国において個人や企業は、人民元高になる局面では外貨資産や海外資産を極端に減らす。

 しかし、人民元高に歯止めがかかり、特にここ数年は、中国国内外のさまざまな要素の影響を受け、人民元安になり、今後もその流れが続くとの予測が高まり、中国の個人や企業の外資資産に対するスタンスに大きな変化が生じた。
 そして、外貨資産や海外投資を増やす個人や企業が増え始めた。
 それを背景に、全体図に変化が生じ、これまで中国に流れていたホットマネーも流出し始めた。
 また、これまでの外貨建て借金の返済が加速し、人民元建ての借金に移行し始めた。
 全体的に見ると、ここ約2年間で外貨準備高が減少しているのは、中央銀行にあった外貨を国民が活用するようになった結果だ。

 外貨準備高の減少を心配する必要がないとする主な原因は、
 中国経済が基本的に良好な状態にあるからだ。
 一つの国において通貨危機が発生するかは、外貨準備高の規模ではなく、主に経済ベースにかかっている。
 加えて、中国の現在の外貨準備高は依然として適正な規模を大幅に上回っている。
 複数の国際組織の予想では、中国は昨年、世界で最も経済成長幅が大きい国となり、世界経済の成長に最も貢献したという。
 中国の供給側の構造改革推進が深化するにつれ、中国経済は落ち着いたペースで回復に向かっており、経済構造の最適化が継続され、成長のクオリティや効率も向上すると見られている。

 特筆すべき点は、外貨準備は使うためにあるのであって、貯めるためにあるものではないことだ。
 貯めるのは使うためで、一定の金額に達しているかどうかということに固執する必要は全くない。
 外貨準備は、国際収支のバランスを保ったり、為替を安定させたりするのが主な用途。
 自国の通貨が主要な国際通貨で、変動相場制を採用し、資本勘定の開放を行っている先進国であっても、自国通貨の為替変動に全く無関心であるはずはない。
 その理由は、市場が完全なものであるわけではないからだ。外貨準備や金準備の主な目的は、必要時に為替に介入することだ。

 現在、人民元レートは依然として完全に市場化しておらず、為替市場もまだ未熟な状態だ。
 このような状況下で、為替の変動を野放しにしておけば、必ず問題が発生し、実体経済にとっても打撃となる。
 そのため、外貨準備高を減らさないためには、為替の変動を野放しにしないというのが理性的な選択といえる。

(提供/人民網日本語版・編集KN)
  外貨準備高はないよりあった方がいい、に決まっている。
 言い訳に四苦八苦が読み取れる。


ロイター  2017年 02月 16日 15:29 JST
http://jp.reuters.com/article/china-jan-fdi-idJPKBN15V08G?sp=true

中国1月対外投資は36%減、
資本流出規制で不動産投資が減少

[北京 16日 ロイター] -
 中国商務省が発表した1月の金融を除く対外直接投資(ODI)は、前年比35.7%減の532億7000万元(77億7000万ドル)と16カ月ぶりの低水準となった。
 政府による資本流出規制で海外不動産投資が落ち込んだ。

 1月の海外不動産投資は84.3%減少した。
 中国は、人民元相場の下押しや外貨準備の一段の減少につながる資本流出への規制を強化している。
 こうした規制を受けてODIは昨年12月に前年比39.4%減の84億1000万ドルと、同年として最低の水準に落ち込み、1月も大幅減の流れが続いた。

 商務省の報道官は「1月のODIは減少したが、全般的な構造は改善している」と指摘した。
 1月のODIでは不動産に加え、文化・スポーツ・娯楽分野への投資も93.3%落ち込んだ。

 一方、当局が規制の対象を選別していることを反映し、海外の製造業セクターやIT(情報技術)セクターへの投資はトレンドに逆行、それぞれ79.4%、33.1%増加した。

 中国国家外為管理局(SAFE)は先週、ロイターへの声明で「リスクに関する規制当局からの警告や短期的な資本規制が成果を上げている。
 国内企業は自社の状況に応じて、より秩序的かつ合理的にODIを行っている」との認識を示した。
 2016年全体のODIは44.1%増の1701億ドルだった。

 フィッチ傘下のBMIリサーチ(シンガポール)のシニアアナリストは
 「(資本規制の)影響はおそらく限定的だ。
 数カ月間は流出を抑制するとみられるが、
 中国経済のファンダメンタルズは依然弱く、
 長期的には資金流出の圧力はまだかなり強い」
との見方を示した。

■<海外からの直接投資も減少>

 1月の海外からの直接投資(FDI)は前年比9.2%減の801億元(116億8000万ドル)。
 商務省の広報担当者は、比較対象である前年同月が高水準だったことや、今年は春節(旧正月)が例年より早い時期となったことが、減少の主な理由だと説明した。
 16年12月のFDIは5.7%増の814億2000万元、16年年間では4.1%増の8132億2000万元だった。



人民網日本語版配信日時:2017年2月19日(日) 17時30分
http://www.recordchina.co.jp/a164254.html

中国の1月の対外投資35.7%減、
虚偽投資の摘発と関連―中国メディア

 商務部(商務省)が16日に発表したデータによると、2017年1月の中国の対外投資額は532億7千万元(約8803億8千万円)に上り、前年同月比35.7%減少した。
 投資先が実体経済と新興産業により集中するようになった。新華社が伝えた。

  同部の孫継文報道官は同日に行われた記者会見で、
 「1月の中国の対外投資は主に製造業と情報伝送・ソフトウェア・情報技術(IT)サービス産業に向かい、前者は同79.4%増加し、後者は同33.1%増加した。
 設備製造業への投資は22億9千万ドル(約2597億6千万円)に上り、前年同月の2.7倍だった。
 不動産業への投資は同84.3%減少し、文化・スポーツ・娯楽産業は同93.3%減少した
と述べた。

 対外投資データの落ち込みについて、専門家は
 「これは関連当局が虚偽の対外投資を摘発したことと関係がある。
 対外投資を誘導することで実体経済にサービスを提供し、対外投資のより健全な発展を推進することになった」
との見方を示す。

 データをみると、1月には
 「一帯一路」(the belt and road)沿線諸国への非金融分野の直接投資が対外投資全体に占める割合は10.6%に上り、16年の通年の割合を2.1ポイント上回った。

(提供/人民網日本語版・編集KS)

 元の海外持ち出しが大きく規制されている、ということの証左なのであろう。


サーチナニュース 2017-05-10 16:12
http://news.searchina.net/id/1635402?page=1

このままでは日本と同じ道を
・・・中国企業の海外不動産投資が過熱=香港

 近年の中国では一般市民のみならず、多くの企業が海外の不動産や企業に対して投資を行うようになっている。
 まるで1980年代にバブル景気に沸いた日本を見ているような光景だが、こぞって海外投資に走ることについては危険性はないのだろうか。

 香港メディアの鳳凰網は5日、「中国企業は海外の不動産への投資に熱くなり過ぎている」と伝え、このままではバブル当時の日本と同じ道をたどる可能性があると警鐘を鳴らす記事を掲載した。

 まず記事は、
★.中国企業による海外投資は「まだ初期段階で始まったばかり」
という指摘があることを紹介し、マクロ経済が今後も安定していれば「中国企業の海外投資はまだまだ拡大する見込みだ」と論じた。
 また中国政府は資本流出を防ぐために様々な制限を講じているものの、それでも中国企業の海外投資は衰えることなく拡大を続けており、
★.2016年に中国企業が海外の「不動産」に投資した額は前年比50%増の330億ドル(約3兆7199億円)
に達したと紹介した。

 続けて、中国企業による海外不動産への投資はまるで「1980年代の日本を連想させる」と指摘。
★.バブル当時、日本企業が米国の不動産を購入したり、買収したりした金額は780億ドル(8兆7926億円)
に達したと伝える一方、バブル崩壊によって当時の日本企業は購入した不動産を安値で売却せざるを得ず、多額の損失を被ったことを紹介し、
「盲目的に海外の不動産を買いあさる中国企業はかつての日本と同じ道を歩むことになるかもしれない」
と指摘した。

 さらに記事は、「日本という前例がある以上、中国企業や中国の投資家は警戒をお怠るべきではない」とし、そもそも海外の企業が資産を売りに出しているのは「何らかの問題が存在する可能性がある」と紹介、「海外の不動産への投資に熱くなり過ぎている」中国企業に対して、冷静になるよう呼び掛けた。

 中国では多くの人が不動産や株式などへの投資を行っているが、
★.中国人は不動産投資において、利回りではなく、売却益を重視する傾向にある。
 だが、中国ではすでに不動産価格が大都市を中心に高止まりし、値上がりの幅も小さくなっており、売却益がさほど見込めない状況となっている。
 そのため、中国では海外の不動産を購入する動きが活発化しているが、そのせいでオーストラリアやカナダでは不動産価格が上昇し、現地の人びとの暮らしを圧迫しているとの指摘もあり、中国マネーの流入に対して反発の声も上がっている。




【2017年 大きな予感:世界はどう変わるか】



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