2017年2月27日月曜日

中国(20):北朝鮮メディアが中国批判

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Record china配信日時:2017年2月26日(日) 17時30分
http://www.recordchina.co.jp/a157320.html

北朝鮮メディアが中国批判
「友好国を名乗る隣国が北朝鮮をおとしめた」

 2017年2月25日、参考消息網は記事「北朝鮮官製メディア、中国を暗に批判」を掲載した。

 北朝鮮は12日、弾道ミサイルの打ち上げを実施した。
 国際社会が批判を強めるなか、北朝鮮の後ろ盾となってきた中国も厳しい姿勢を示している。
 中国商務部は18日、北朝鮮からの石炭輸入を年内いっぱい停止すると発表した。

 北朝鮮の朝鮮中央通信は23日、この問題に関する記事を掲載。
 記事には
 「友好国を名乗る隣国が北朝鮮の核技術は初期段階にとどまっているなどミサイル打ち上げ成功の意義をおとしめ、国連決議を理由に民生に関わる対外貿易を遮断した」
とある。
 名指しこそしていないものの中国を批判していることは明らかで、習近平(シー・ジンピン)政権誕生以来ぎくしゃくしてきた中朝関係がさらに悪化したことをうかがわせる。


Record china配信日時:2017年2月26日(日) 10時50分

最も「反中」なのはどの国のメディアか、
ビッグデータ分析結果が中国で話題に

 2017年2月21日、米マサチューセッツ工科大学の客員教授、陳碩堅氏が紹介した「最も反中なのはどの国のメディアか」との分析結果が中国で大きな話題となっている。 

 これはニュース報道についてのGDELTと呼ばれるデータベースを利用したもので、
★.報道が中立である場合、「褒貶指数」は0となり、
★.報道が否定的であるほど指数はマイナスの数値が大きくなり、
★.報道が肯定的であるほど指数はプラスの数値が大きくなる。 

 多くの人は直感的に、西側メディアは中国に対し否定的だと思いがちだ。
 だが欧米主要国メディアの中国に対する褒貶指数を見ると、
 英国=1.335、
 米国0.307、
 ドイツ1.186、
 フランス1.202、
 イタリア2.034、
 イスラエル2.229、
 オーストラリア1.256、
 カナダ0.766
と、すべてプラスの数値を示している。 

一方、中国に対し否定的な報道が多い国は
 韓国=ー1.639、
 日本=ー1.554、
 ベトナム=ー1.420
だ。 

 次に中国メディアの自国及び主要国に対する褒貶指数を見ると、
 対中国1.222、
 対パキスタン0.857、

 対英国=ー0.859、
 対ドイツ=ー1.111、
 対フラー2.091、
 対日本=ー2.527
という状況だ。
 この結果から分かるのは、中国メディアは最も「愛国」だということだ。
 自国に対する肯定的な報道が他国に対するそれを大きく上回るという状況は他の国では見られない(自国に対する褒貶指数は、英国ー0.365、米国ー0.876)。 

 総括すると
 「西側大国メディアの対中国報道は肯定的なものが多い」
 「中国メディアの対西側大国報道は否定的なものが多い」
 「英米メディアは自国に対して否定的な報道が多い」
 「中国メディアは自国に対して肯定的な報道が多い」
 「中国メディアの外国に対する報道は自国に対する報道より否定的」
ということになる。 

 この記事は、中国のさまざまなメディアで取り上げられ、関心を集めている。
 調査結果については
★.「中国メディアはプロバイダー(情報の提供者)だが、
★.欧米メディアは政府を監視するのが役割だ。
 同じ土俵で比較するのはおかしい」
などの反対意見も出ている。



ダイヤモンドオンライン 2017.2.23 陳言:在北京ジャーナリスト
http://diamond.jp/articles/-/119004

金正男暗殺に中国激怒、
政府系メディアに「統一容認」論

 金正男暗殺事件について中国政府系メディアは、事件発生直後には金正恩氏を擁護したものの、3日後、『人民日報』傘下のチャットである「侠客島」に出現した論評は、読者の度肝を抜くほど、これまでの対北朝鮮への姿勢と異なるものだった。
(在北京ジャーナリスト 陳言)

 金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄・金正男(キムジョンナム)氏が、2月13日にマレーシアで殺害された事件が中国世論を沸騰させたが、これは中国政府にとってまさに「不都合な真実」を暴かれることを意味した。

不都合な真実とは金正男氏が長期にわたって、北京やマカオに居住していたことである。
 北朝鮮事情を多少なりとも理解している普通の中国人ならば誰でも知っていることであったが、以前はこのことを知らなかった人の間にも、暗殺事件後、急速にこの事実が広まった。

 殺害された翌々日の2月15日に、「財新ネット」は、
 「管窺金正男 叫父兄太沈重!」(金正男の一側面を覗く 兄貴と呼ばれてあまりにも重い!)
という記事(寄稿者:劉檸)を掲載した。
 記事は日本で2012年にベストセラーになった『父・金正日と私 金正男独占告白』(五味洋治著)からの引用が中心だが、この中で金正男氏が「大部分の時間は北京、マカオに居住している」と語っていることを明らかにしている。
 これは、暗殺された北朝鮮の「廃太子」(王位継承を廃された人)が、事実上ずっと中国の保護下にあったことを意味している。

■事件直後には金正恩を擁護も
ネット民は反論と嘲笑で一蹴

 今回の金正男氏殺害については、全世界が北朝鮮、それも異母弟の金正恩の仕業だと指摘している。
 中国のメンツは丸つぶれで、ネット上では次のような表現が流れている。

 「大衆の面前で顔を殴られた」に等しく、しかも「弟」が「長兄」の顔を殴ったということだ。
 さらに中国のネットユーザーは
 「さいわい暗殺は中国国内で発生しなかった。
 これは殴られはしたが、ともかくも顔につばを吐きかけられなかった、ということだ」
と強烈に皮肉った。
 中国外務省報道官が表明した中国政府の姿勢は、「現在、事態の進展を見守っている」だが、これは何も言っていないに等しい。
 それでいて、都合の悪い状況はなるべく早く解消してほしいといったところだろう。

 その意味では、中国共産党の機関紙『人民日報・海外版』微信(WeChat)の公式アカウントである「侠客島」が2月15日午前1時50分、事件発覚からわずか数時間後に掲載した
 「事件全体が謎に包まれている、誰が彼を殺したか?」
という記事は、興味深いものだった。
 極力、「情理」と「ロジック」に沿って分析・論証すると、実は金正恩氏がこの件に関わっている可能性は大きくなく、むしろ韓国ないしは米国の容疑が小さくない……と言わんばかりの内容だったのである。

 もし金正恩氏が関わっていなければ、「顔を殴られた」という不都合さは自然に消滅することになるが、残念なことに、この文章の「情理」と「ロジック」は非常に薄弱であり、ここでその内容をまとめて伝える価値はまったくない。
 そのつぶやきに対しては、ネット上で飛び交っているのは、ほとんど一方的な反論と嘲笑だけだ。

 「侠客島」も論拠薄弱と感じているのか、文中の視点は編集部に属しないと敢えて断り、しかも「青丘言」を名乗る「半島方面に近いベテラン」の見解だとしている。
 笑止千万なのは、この「ベテラン」の奇異な名前を、これまでに誰も耳にしたことがないことだ。

■中国政府の本音が表れた「微信」でのつぶやき

 さらに、「侠客島」は3日後の2月18日夜、
 「北朝鮮が崩壊すると予言するのは、時期尚早であろう」
とのつぶやきを微信で発信した。
 これは中国の政府系メディアの一貫した姿勢であり、見出しからはまたも金正恩擁護の内容かと思いきや、そうではない。

 続いて掲載された具体的な記事は読者の度肝を抜くものであった。

 「現状を見れば、
 南シナ海紛争は沈静化し、
 釣魚島、台湾問題においても常軌を逸する動きはいまだあり得ず、
 北朝鮮の核問題がおそらく中米両国間の最大の変数になっており、
 トランプ政権のアジア太平洋政策の重点となるだろう」

 「金正男氏の死によって、韓米は必然的に北朝鮮に対して一層強硬姿勢を取るだろう。
 もし事件が北朝鮮の行為だと広範に認定されれば、韓米が北朝鮮に打撃を与える次の行動は、おそらく国際世論の広範な支持を得られるだろう」

 「当然のことながら、もし半島情勢がこのまま推移すれば、中国にとって極めて不利である。
 それでは、中国はどのように介入すれば、国益を維持、擁護できるのか?」

 「第1、中国が介入する根本的出発点は中国の核心的利益の保護にあることは当然であり、
 非核、改革、開放の北朝鮮政府ならば支持すべきであり、
 核保有国家を継続的に擁護すべきではない。
 繰り返される北朝鮮の核実験は国際社会容認の限界に達しており、同様に中国の利益と安全を損なっている。
 中国政府も北朝鮮が『主体(チュチェ)革命』思想の指導下では、国際社会と協力共生の関係を構築することは難しいというはっきりとした認識がなければならない」

第2、中国介入の力点は韓米同盟が電撃戦方式で北朝鮮全土を占領、制御する事態を抑止することに置くべきである。
 韓国が劇変を利用して『急襲統一』戦略を実行し、もし朝鮮半島に統一韓国が出現すれば、おそらく(中国の)思うようにならない地縁政治がもたらされるに違いないことを、中国は考慮すべきだ」

第3に、中国が介入する最終目標は朝鮮半島問題を共同で解決し、朝鮮半島の恒久平和を実現することである。
 中米は国連安全保障理事会で朝鮮半島問題に関する決議を採択する必要があり、
 国連朝鮮半島事務機関を創立して、人道主義に対する挑戦を速やかに解決するために指導と支援を行い、北朝鮮の改革開放と対外関係の正常化を促進しなければならない」

 上記の文言は、金正恩氏に次のように語っているのに等しい。
 つまり、あなたの果てしない乱行は、国際的な人心を失っており、米韓がひとたび刺激され行動を取れば、あなたの政権を転覆させることになる。
 その時になって私を非難してもあなたを助けることはできない。
 あなたを助けられないばかりか、新政権を樹立することに参画し、中国の意図に合うかたちで再編を図りたい(韓国の「急襲統一」は受け入れず、国連が前面に立つかたちであれば容認する)。
 新政権が中国の国益の助けになるならば、私は喜んで事に当たる……というわけである。

■外部勢力による北朝鮮政権改変を政府系メディアが容認!?

 このような論調は、これまで中国の政府系メディアに現われたことはなかった。
 金日成(キムイルソン)政権から金正恩政権に至るまで、いかに北朝鮮が中国のメンツをつぶしても、迷惑をかけても、利益を害しても、政府系メディアの北朝鮮に対する姿勢が、どんな厳しくても、慎重にボトムラインを守ってきた。
 それは、いかなる「外部勢力であっても、それによる北朝鮮政権の現状改変」に関連した主張に、断固反対することだった。
 ところが今回は、このボトムラインが単に破られただけでなく、それこそ大幅に突破したのである。

 この寄稿の筆者は注釈に「山東大学中韓関係研究センター特任研究員・韓国高麗大学博士梁立昌」とあり、「侠客島」編集部ではない。

 実は、中国の対朝政策に関して、別の一部の学者(例えば中央党校の張璉瑰教授)は、もっと激烈な主張をしているが、彼らの主張は全て、学術的なメディアあるいは政府の意思を代弁していないとされる市場のメディア上に現れるだけで、一般的に外界(北朝鮮を含む)からは政府の本音を代表していないと見なされていた。
 つまり梁氏がこの文章を『人民日報』に属するメディアで発表したのは、ただならぬことであり、非常に強烈なシグナルなのである。

「事態の進展を見守っている」と表向きには冷静さを保ちながら、今回の事件に対して、中国政府が激怒していることがうかがえる。

 今後の焦点は、エネルギーと穀物の対北朝鮮との貿易動向だろう。
 この2つは、中国が北朝鮮に影響力を行使する切り札であり、本当にいざという時でなければ支援を打ち切らないようにしている。
 その点で、金正男氏が殺害されて以降、北朝鮮からの石炭輸入と、石油と穀物の北朝鮮に対する輸出に何らかの変化が生じていないかどうかが注目される。

 結局、北朝鮮の一般市民に痛みが及ぶような政策を実行しなければ、もはや金正恩氏に影響を及ぼせなくなるかもしれない。
 これまで国際社会と中国民衆は、中国政府の北朝鮮に対する尽きることのない忍耐に一再ならず嘆息してきたものだが、現状を見ると、中国の忍耐はもう限界に近づきつつある。


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