2017年4月6日木曜日

朝鮮半島有事へ動く(5):北朝鮮ミサイル発射、<米中首脳会談>対応さらに重要性増す

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● 米中会談1時間前


フジテレビ系(FNN) 4/6(木) 6:26配信
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20170406-00000543-fnn-int

「北」ミサイル発射「大きな問題だ」



 アメリカのトランプ大統領は5日、新たに中距離弾道ミサイルを発射した北朝鮮について、「大きな問題だ」と語り、6日からの米中首脳会談の主要議題になるとの見通しを示した。
 トランプ大統領は
 「われわれに課された責任に、『北朝鮮』という国がある。(北朝鮮は)大きな問題だ。正しいことをやっていない」
と述べた。
 ヨルダンのアブドラ国王との共同会見で、トランプ大統領は、自ら北朝鮮問題に言及し、4日の中距離弾道ミサイルの発射を強く非難し、6日からの中国・習近平国家主席との会談では、北朝鮮問題が主要議題になるとの見通しを示した。
 またトランプ大統領は、
 「数年前に対処していれば、責任はより容易だった」
と述べ、「戦略的忍耐」と言われたオバマ前政権の対北朝鮮政策を、強く批判した。



毎日新聞 4/5(水) 21:18配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170405-00000112-mai-int

<米中首脳会談>対応さらに重要性増す 北朝鮮ミサイル発射


●北朝鮮を取り巻く関係国の立場

 【ワシントン会川晴之、林哲平、北京・河津啓介】
 北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、6、7日に開催されるトランプ米大統領と中国の習近平国家主席との初めての首脳会談では、北朝鮮の核・ミサイル問題への対応がさらに重要性を増すことになった。
 トランプ氏が「中国による圧力強化」を求めるのは間違いないが、習氏は「対話による解決」を強調するとみられ、具体的な成果があるかは見通せない。

 ◇米国「中国は行動で」

 「北朝鮮の問題について、米国はこれまで何度も指摘してきた。
 それ以上のコメントはない」
 米中首脳会談を2日後に控えた4日夜(米国時間)、北朝鮮の弾道ミサイル発射についてティラーソン米国務長官が出した簡素な声明は、弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮へのいら立ちを象徴していた。

 ハイテン米戦略軍司令官は4日の上院軍事委員会の公聴会で、北朝鮮の2月の新型中距離弾道ミサイル発射について、「対応が困難な新しい技術や能力を示した」と指摘。
 事前の準備の把握が難しい固体燃料や、移動式発射台を使用したことが理由だ。
 今回の発射はその数時間後だった。

 ホワイトハウス高官は4日、「すべての選択肢が机上にある」と、軍事行動を含めた新たな北朝鮮政策を導入する考えを改めてほのめかしたが、決め手は見いだせないのが実情だ。
 その中で、「頼みの綱」は北朝鮮の貿易の9割を占める中国しかない。
 ヘイリー米国連大使は先月末、中国も北朝鮮の核・ミサイル開発に懸念を示していることを踏まえ、「それならば、中国は行動で証明すべきだ」と問題解決に直結する明確な回答を示すよう、要請した。

 一方、中国側は米国が主張する北朝鮮問題の「中国責任論」に敏感に反応している。
 国際情報紙・環球時報は5日付社説で、
 米側が主張する「中国責任論」を、「ワシントンが責任逃れをするため」
と批判した。

 中国は、米中関係の安定ぶりを演出するはずの会談が、北朝鮮の挑発行為で水を差される事態を懸念している。
 中国外務省の華春瑩(かしゅんえい)・副報道局長は5日の定例記者会見で、
 「各方面は自制を保ち、緊張を激化する行動をやめるべきだ」
と述べ、北朝鮮を含む関係国に抑制的な対応を求める一方、華氏は米中首脳会談への影響を「関係があるとは思わない」と強調した。

 中国側は首脳会談で従来の「対話による解決」を主張するとともに、米国が既に拒否している北朝鮮の核・ミサイル開発と米韓の軍事演習の同時停止を改めて提案する方針だ。
 「中国の対話回復の努力に各方面が積極的に呼応するよう望む」(鄭沢光・外務次官)ためだ。
 中国が議長国を務める6カ国協議は2008年12月を最後に中断しており、外交交渉は停滞している。
 中国は国連安保理決議に従い2月から北朝鮮からの石炭輸入を停止するなど、トランプ政権下での交渉再開を見すえ、地ならしを進めてきた。

 今秋の党大会を控え、初めての首脳会談で協調ムードを演出したい習氏。
 「具体的な成果はあいまいでも、
 米中関係が発展する方向性さえ打ち出せれば、会談は成功」(北京大国際戦略研究院の于鉄軍・副院長)
というのが実情だ。

 ◇米中首脳会談けん制の政治的メッセージか

 【ソウル米村耕一】北朝鮮が5日、新型弾道ミサイルを発射したのは、大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発に向けた進展を示し、首脳会談をけん制する政治的メッセージがありそうだ。

 朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は5日、「米帝国の核のこん棒を一息に折る朝鮮」との見出しの記事を掲げ、「世界中が米国の対(北)朝鮮敵視政策を非難している」と主張した。
 米中首脳会談で北朝鮮の核・ミサイル開発が議題の一つとなるとみられる中で、北朝鮮は朝鮮半島の緊張を招いている責任は米国にあり、自らの核やミサイルは自衛目的だと訴えている。

 また、同じ労働新聞の別の論評で、米国が米韓合同軍事演習で最新の戦略兵器を相次いで投入したことを非難し
 「我々とあえて対決しようとする米国とは言葉が通じない」
と指摘した。

 北朝鮮の核・ミサイル問題を巡って米国は、国連安全保障理事会の閣僚級会合を4月末開催で呼びかけ、国際的な圧力強化の動きも見せている。
 北朝鮮は公式報道では米朝交渉の可能性を否定しながらも、トランプ政権が圧力だけでなく、米朝対話に乗り出す意思があるのか反応をみている可能性もある。



ロイター  2017年 04月 6日 11:54 JST
http://jp.reuters.com/article/abe-trump-idJPKBN1772ZE

日米首脳が電話会談、
「最大限の軍事力で守る」とトランプ氏

[東京 6日 ロイター] - 日米両首脳は6日、北朝鮮による前日の弾道ミサイル発射を受けて電話で会談した。
 トランプ大統領は「最大限の軍事力で米国と同盟国を守る」と表明。
 両首脳は中国の関与が重要であるとの認識で一致し、安倍晋三首相は6日からの米中首脳会談について「中国がどう対応するか注目している」と伝えた。

 ホワイトハウスによると、会談でトランプ大統領は同盟国である日本と韓国を支えることを強調した。
 その上で「抑止力を強化し続け、米国と同盟国を最大限の軍事力で守る」と語った。

 トランプ政権は過去20年間の北朝鮮政策が失敗だったとしており、あらゆる選択肢を排除しない方針を表明している。
 トランプ氏は今回も同様の認識を示したとみられ、安倍首相は会談後に記者団に対し、
「トランプ大統領からは、全ての選択肢がテーブルの上にあるとの力強い発言があった」
と明らかにした。

 日本側の説明によると、両首脳は北朝鮮問題で中国が果たす役割が重要との考えでも一致した。
 6─7日に米国で開かれる米中首脳会談では、トランプ大統領が中国の習近平国家主席に対し、北朝鮮に影響力を行使するよう迫るとみられている。
 中国は2月に北朝鮮からの石炭輸入を停止したが、日本政府関係者によると、 両首脳は不十分との問題意識を共有した。

 両首脳の電話会談は午前6時33分から約35分間行われ、北朝鮮の核・ミサイル開発が安全保障上の重大な脅威であるとの認識で一致した。
 韓国を含めた3カ国が緊密に連携することも確認した。



AbemaTIMES 4/7(金) 13:10配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170407-00010009-abema-int

北朝鮮ミサイル、次は本州越えか 動画で米国を挑発

 安倍総理大臣は6日朝、アメリカのトランプ大統領と電話で会談し、北朝鮮による弾道ミサイル発射は「重大な脅威だ」という認識で一致した。

 電話会談は午前6時半ごろから約35分間、行われた。
 この中で、安倍総理は6日から行われる米中首脳会談に関連して
 「北朝鮮の問題で中国がどのような対応をしていくか注目している」
と述べ、北朝鮮に対する中国の圧力が十分ではないという認識で一致した。

 また、トランプ大統領は北朝鮮に対して「すべての選択肢がテーブルの上にある」と軍事的圧力も念頭に対応する考えを示唆したうえで、「アメリカは日本を100%支える」と強調。

 アメリカの国防当局はAFP通信に対し、5日に北朝鮮が発射したのは改良型の弾道ミサイル「スカッドER」だったと報告。
 アメリカの太平洋軍は発射直後に「新型の中距離弾道ミサイル」という分析結果を出したが、これを修正した形になった。
 アメリカの国防当局は「弾道ミサイルは固定された発射台から打ち上げられ、約60キロ飛行した後、不具合が起きて日本海に落下した」との見方を示している。

 一方、北朝鮮メディアは5日の弾道ミサイル発射について一切報じていない。
 韓国の国防省は、ミサイルの種類は「北極星(プッククソン)2型」という見方を変えていないものの、飛行距離や高度、速度などから、追加で分析をしている。

■アメリカ本土に向けてのテストか

 これについてコリアレポートの辺 真一(ピョン ジンイル)編集長は
 「(ミサイル発射は)失敗ではないのでは」
との見方を示している。
 辺氏によると新型ミサイルの最初のテストはいつも短い距離であり、今回はアメリカ本土に届くICBM(大陸間弾道ミサイル)に向けてのテストだった可能性があるという。
 また、辺氏は次のテストでは日本の本州越えを狙う可能性が十分あると指摘している。

 北朝鮮のミサイルが日本の本州を超えたことは過去に2度ある。
 1度目は1998年8月、テポドン1号が三陸沖に着弾した。
 2度目は2009年4月にテポドン2号が約4000km飛んで太平洋上に着弾した。

 必要あらばアメリカや韓国を先制攻撃すると繰り返し宣言していた北朝鮮。
 先月26日には北朝鮮の対外宣伝サイトにアメリカ本土をターゲットにした動画がアップされていた。
 この挑発を受けてトランプ大統領はどのような対応に出るのだろうか。

 テレビ朝日前アメリカ総局長の名村晃一氏は
 「対話ではなく、強硬策もありえる」
と話す。
 6カ国協議など対話で解決策を模索してきたオバマ前大統領に対して、トランプ大統領は対話ではなく、武力行使に出ることも考えられるという。



ロイター 2017年 04月 5日 08:10 JST
http://jp.reuters.com/article/usa-china-summit-idJPKBN17609G?sp=true

焦点:「正反対」の米中首脳、摩擦激化もあり得る初会談の行方

[ワシントン/北京 3日 ロイター] - トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が、6─7日に米フロリダ州で初の直接会談に臨む。今回の会談では、両国の政策面の大きな隔たりだけでなく、両首脳の性格の違いも改めて浮き彫りになりそうだ。

 2人とも自国を再びに偉大にすると表明している点こそ共通するかもしれないが、それ以外は政治姿勢から外交経験までほぼ正反対。
 思ったことをすぐ発信する「ツイート王」のトランプ氏に対し、
 習氏は慎重に計算し尽した言動に終始する人物
と言える。

 そのトランプ氏は大統領選勝利から5カ月を経てもなお、中国に歩み寄ることなく真正面から対峙する路線を変えておらず、両国が妥協点を見いだせるのかどうか疑問が広がっている。

 トランプ氏はツイッターで、中国の貿易慣行が米国の雇用を損なっている点を踏まえると、習氏との会談は「非常に困難」になると発言した。
 トランプ氏が北朝鮮の核問題について、米中の貿易関係の重要性をてこに中国側の北朝鮮への圧力強化を引き出そうとするのかどうかも注目される。

 ホワイトハウスの一部関係者は、トランプ氏の女婿のジャレド・クシュナー氏が対中姿勢を和らげるよう、とりなす役割を果たす可能性があるとの見方を示した。
 クシュナー氏は中国の駐米大使とともに首脳会談のお膳立てをしたとされる。

 ただ手はず通りに事態が進行することを重視する中国側にとって、政策面の衝突より怖いのが、トランプ氏の予測できない振る舞いによって習氏が公の場で当惑を見せることだ。
 ある中国政府高官は
 「習氏の面目を保つことに万全を尽くすのが、わが国にとって最優先事項だ」
と話した。

 トランプ氏が首脳外交の場で、ドイツのメルケル首相が求めた握手を無視するようなそぶりをしたり、オーストラリアのターンブル首相との電話会談で乱暴な口調になったことが、中国側の警戒感を誘っている。

 トランプ氏と習氏はともにナショナリズムを掲げており、これが両国の摩擦を激化させかねない。
 トランプ氏は、中国などの外国に長年経済的に欺かれてきた米国は輝きを取り戻す必要があると主張。
 習氏は、古代の大帝国であった中国が国際社会で存分に力を行使したいと考えている。

 アジアが専門だった元政府高官は
 「習氏とトランプ氏は自然な友人ではない。
 問題はトランプ氏の『米国を再び偉大にする』という方針と
 習氏のスローガン『中国夢(チャイニーズ・ドリーム)』
がぶつかった場合、どんな結果になるかだ」
と懸念を示した。

 米中貿易戦争が両国にとって利益とならない点からすれば、トランプ氏が中国への圧力を高める政策にポピュリズム(大衆迎合主義)的な要素を盛り込むかどうかはっきりしない。
 だが複数の側近は、特にトランプ氏が何十年も前から声高に論じてきた通商問題で強硬姿勢を引っ込めることはないとみている。
 そうなると北朝鮮や南シナ海を巡る問題で米中がお互いに折り合えるかどうかは分からない。

 またアナリストの中からは、政治外交手腕に長けているとみなされている習氏に対してトランプ氏が優位に立てるのだろうかとの疑問も聞かれる。
 トランプ氏は大統領になってまだ10週間余りだが、習氏は2013年に国家主席の座に収まってからずっと対米戦略に磨きをかけてきた。

 トランプ政権発足から間もない今の時期に首脳会談開催を決めたことから、米中双方とも首脳間の個人的な関係を築くのは有意義だと考えていることが分かる。
 それでもトランプ政権のアジア政策チームは内部に意見対立を抱え、政権としての対中政策が完全に出来上がっているわけでもない。

 こうした事情もあり、両国ともに今回の会談で目に見えるような成果が得られるとはあまり期待していない。
 2013年の習氏とオバマ前大統領の会談のような、お互いを知る機会という位置付けだ。

 2月の日米首脳会談と異なり、「ゴルフ外交」も予定されていない。
 中国共産党は汚職追放運動の一環として政府当局者によるゴルフの自粛を求めている。

(David Brunnstrom、 Matt Spetalnick、Ben Blanchard記者)



中央日報日本語版 4/7(金) 15:31配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170407-00000047-cnippou-kr

「トゥキディデスの罠」の前に立ったトランプ氏・習近平氏、
激戦地は韓半島

 BC5世紀に台頭した都市国家アテネと既存の盟主スパルタは、ギリシャと地中海の主導権をめぐって戦争を行った。
 歴史家トゥキディデスが書いた『ペロポネソス戦争史』の内容だ。
 約2400年後、新興強国の中国とスーパーパワーの米国の両首脳が6日(現地時間)、国際秩序の覇権をめぐって向かい合う。
 約2400年前の覇権国スパルタと新興国アテネの地中海衝突の構図はもはや米国と中国の韓半島(朝鮮半島)激突に置き換えられている。

 新興強国と既成大国間の覇権争いが極端に走る場合、戦争につながるという「トゥキディデスの罠」を作った人はハーバード大学のグレアム・アリソン教授だ。
 彼は2日(現地時間)、ワシントン・ポスト(WP)の寄稿で「台頭する中国は米国が積み重ねてきた支配力に挑戦している」と分析した。
 それによると、過去500年間新興強国と既成大国間の衝突は16回が起きたが、その中で12回が戦争につながった。
 19世紀末の新興強国として登場したドイツが全世界の制海権を握っていた英国に対抗して起きたユトランド沖海戦(1916年)、
 20世紀最強国になった米国に新興国家の日本が挑戦状を出して起きた太平洋戦争(1941年)が代表的な例だ。

 米中が直ちに戦争を行う可能性はないというのが国際社会の常識だ。
 だが、戦争まではいかなくてもトゥキディデスの罠をほうふつさせるような米中の覇権争いはすでに始まっている。
 その最前線の一つが韓半島だ。

 アリソン教授が「鏡に映ったお互いの姿」として似たものと描いたドナルド・トランプ大統領と習近平中国国家主席が対抗しながら両国の対決は一層明らかになっている。
 トランプ大統領は「偉大な米国」を宣言し、習主席は「中国の夢」を掲げた。
 トランプ大統領は昨年、大統領選期間中に「中国がわれわれを食い物にしている」として中国を厳しく非難した。
 一方、習主席は新型大国を前面に出して中国を米国に劣らない大国として認め、事実上、中国の領域内の覇権を尊重するように要求している。
 コロンビア大学のハワード・フレンチ教授は著書『空の下の全てのもの』(原題)で
 「中国はアジアで享受してきた過去の地位を回復しようとしている」
と指摘した。
 中華の復活だ。
 だが、戦略国際問題研究所のマイケル・グリーン副所長は著書『摂理以上に』(原題)で
 「米国は他のいかなる国もアジア太平洋地域で排他的ヘゲモニーを確保することを許さない」
と言っている。
 両国の衝突地点は貿易と南シナ海、そして北朝鮮だ。
 全部米政府が米中首脳会談の核心議題として発表した懸案だ。
 米政府の高位当局者は3日、首脳会談の事前記者会見で「大統領は貿易不均衡問題に対して率直でかつ生産的に取り上げようと考えている」と明らかにした。
 「米国は国際法が許容する範囲内では飛行や航海を継続していく」
と断言した。

 米中が明らかに対立している対象は北朝鮮だ。
 北朝鮮は相次いだ弾道ミサイルの発射や核実験準備で両国の衝突に火を付けた。

 トランプ大統領は会談を一日前にした5日、安倍晋三首相との電話会談で「すべての選択肢がテーブルの上にある」と明らかにしたと、安倍首相が伝えた。
 トランプ大統領はこの日、米政府では
 「北朝鮮はわれわれが抱えているもう一つの責任」とし、
 「大きな問題を抱いている。これは私の責任になるだろう」
と北核解決の断固たる意志を示した。
 一次的には
 「中国を北朝鮮に対する経済制裁に集中させる」
 「軍事行動も選択から排除していない」
というメッセージを盛り込んだ。

 一方、中国は韓半島の非核化を原則として全面に出しながら高高度防衛ミサイル(THAAD)体系を配備する韓国に報復措置を取り、北核よりむしろ韓半島の米軍戦力の増強を大きな脅威と見なしているという考えを露わにした。
 国立外交院のキム・ヒョンウク教授は
 「中国は北朝鮮の核保有に反対しているが、米国の介入をもっと懸念しているという証拠」
と指摘した。

 核を追求する金正恩(キム・ジョンウン)政権に対する不安感は他の側面でも米中間衝突を憂慮させている。
 アリソン教授は
 「北朝鮮が混乱に陥る場合、米国は特殊部隊を動員して(北朝鮮内)核弾頭の破壊に乗り出す可能性がある」
とし、
 「しかし、核施設が中国との国境に近い地域にあると見られているだけに、中国の特殊部隊が米軍と衝突する可能性がある」
と話した。金正恩政権の崩壊も深刻な状況を招く可能性があるということだ。

 国際社会が米中首脳会談の結果に注目している一方で、北核問題の当事者、北核を頭に載せている韓国は第三者に押されている状況だ。
 米中両国がトゥキディデスの罠にもう一歩近づくかどうかが6日、トランプ氏と習近平氏2人の出会いにかかっている。



中央日報日本語版 4/7(金) 15:31配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170407-00000049-cnippou-kr

【グローバルフォーカス】強大国は韓国統一を望まない?

 大韓民国には「強大国は南北統一に反対する」という認識が密かに広まっているようだ。
 歴史の本、政治談論、世論調査結果を詳しく見てみると、「強大国が韓国を分割し、分断状態の維持を望む」という考えを読み取ることができる。
 事実だろうか。

 20年余り前、私は米外交協会(CFR)のために韓半島(朝鮮半島)の未来に対する大型タスクフォースを運営して日本や中国の官僚とともにこの問題について討論したことがある。
 ジョージ・W・ブッシュ大統領当時、国家安保会議(NSC)に約5年間勤務していた時も、この問題を検討した。
 各政府はなかなか韓国統一に対する本音を明らかにしない。
 私は米国・日本・中国側の人々と数百時間にわたって討論した結果、強大国の本音をある程度把握することになった。

 もちろん、米国にもさまざまな見解があるが、トルーマン政府以降、
 米国の政策はソウルによる究極的な統一だ。
 この原則が揺れた米政府はなかった。
 時間が立つにつれて大韓民国による統一という原則に別の条件が追加された。
 まず、統一韓国には核兵器があってはならない。
 次に、統一韓国は韓米同盟の持続を自由に選択できるようにするべきだ。
 最後に、国際社会全体が統一韓国を経済的・外交的に支援しなければならない。

 米政府には北朝鮮の崩壊と韓国による統一のための戦略計画がない。
 1994年の金日成(キム・イルソン)死亡後、クリントン政府は北朝鮮の崩壊が迫っていると見て金泳三(キム・ヨンサム)政府と非常対策準備に着手した。
 だが、北朝鮮の崩壊を積極的に誘導する計画を用意することはなかった。

 事実、米国はその反対に米朝基本合意を通じて北朝鮮政権を支えた。
 ジョージ・W・ブッシュ大統領の国家安保会議は政権交代戦略の効果を研究したが、ブッシュ大統領は圧力と6カ国協議を通した関与政策を取った。
 オバマ政府は初期に深い水準の対北朝鮮関与政策を約束したが断念した。
 北朝鮮の2009年核実験以降、しばらく政権交代を検討したものの、リスクが非常に高いという判断のために「戦略的忍耐」政策に素早く後退した。
 トランプ政府は新しいアプローチ法を謳いながらもまだ具体的な政策を樹立していない。

 米国議会には韓半島の民主的な統一に対する広範囲の支持がある。
 だが、政策決定者にとっては統一の性格もまた重要だ。
 北朝鮮が全面的に崩壊すれば核兵器が流出するおそれがあり、米国と中国の間に意図しなかった軍事衝突も発生する可能性がある。
 一部の人々は北朝鮮の人々を解放して北朝鮮の核脅威を終息させることが、危険を甘受するほどの目標だと主張する。
 要約するなら、米国には統一原則に対する強力な超党派的支持があり、北朝鮮の急変事態にどのように備えるのかについて韓米両国は非常対策を今も話し合っている。
 だが、米国内では韓国統一に向けた具体的な合意や計画はない。
 これは適切だと見ることができる。
 統一過程はソウルが主導しなければならないというのが米国の見解であるためだ。

 李明博(イ・ミョンバク)政権時、中国の官僚は過去初めて統一を支持するという意向を表明した。
 だが、中国側が具体的にどんな表現を使ったのか詳しく見てみる必要がある。
 北京が好むのは「自主的な統一」だ。
 「自主的な統一」は平壌(ピョンヤン)とソウルが米国の影響を受けないで成し遂げる統一だ。
 中国はまた、統一韓国が米国と同盟関係を廃棄することを期待する。
 北京の立場からは、韓国統一は中国が力を蓄積する時まで、遠い未来に先送りするのが最善だ。
 時間を稼ぎながら韓国を米国の同盟ネットワークから離脱させて平壌に対する統制力を強化するためだ。

 もちろん、中国でも韓半島の未来に対する静かだが深みのある討論が行われている。
 多くの中国学者が統一韓国が米国と同盟関係の民主国家であると予想する。
 これは避けられないということだ。
 さらに、一部自由主義的な中国学者はそうなることを希望する。
 北京に自由化の圧力を加えるためだ。
 別の中国人専門家は個人的に統一が近い将来行われることを期待する。
 疲れて危険な金正恩(キム・ジョンウン)政権を除去するためだ。
 中国が公式に希望している「自主的な統一」は、本質的に中国がその過程と結果に影響力を行使する統一だ。
 また、暗黙的にソウルが単独で主導する統一に対する反対が内包されている
 少なくとも現在ではそうだ。

 日本の立場は変化した。
 20年余り前、日本の官僚と学者は統一韓国が日本に背を向けると考えて統一を敬遠した。
 だが、今は北朝鮮の対日ミサイル・核兵器脅威のために多くの日本の官僚と学者は北朝鮮政権の終焉が北朝鮮の脅威と日本人拉致者問題を解決する唯一の方法だと結論を下したようだ。
 日本人戦略家が提示する主な統一条件は、統一韓国が米国と同盟関係を維持しなければならないということだ。

 韓国の学者・言論人・政策決定者は強大国が統一に反対するという仮定に慎重に対処しなければならない。
 米国は統一に反対したことがない。
 日本の立場は変わった。
 中国が好む「自主的な統一」もまた、平壌(ピョンヤン)の漸増する挑発のために実験台に載せられた。

マイケル・グリーン/米戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長
◆外部者執筆のコラムは中央日報の編集方針と異なる場合があります。






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