2017年3月24日金曜日

過剰人口脱出法(2):求められているのは「成長経済学からの逃亡」

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(出典)国立社会保障・人口問題研究所


(出典)国立社会保障・人口問題研究所

 「人口を増やせ
という号令は「経済を成長させろ」という号令とリンクしている。
 労働人口を増やし、それが経済成長を支えるという、いまや化石となったケインズ近代経済学のテーゼである。
 近代化するには人口が必要、経済成長するには人口が必要というのは、現代にあってはカビの生えた理論でしかない。
 成長した国の口を無理やり開けさせ、それに人口を注ぎ込む、
といった理論である。
 60kgで正常なのに、80kgの肥満人を作ろうというものでしかない。
 ブヨブヨ体質が成長経済学の目標である。


東洋経済新報社 出版局 2017年03月24日
http://toyokeizai.net/articles/-/163679

「経済成長は不可欠」という神話が国を滅ぼす
チェコの奇才が教える成長より大事なもの


●『欲望の資本主義』の関連番組「欲望の世界経済史 序章」はNHKのEテレで3月25日(土)深夜25:00~25:25に放映予定

経済は必ず成長しなければならないのか、
資本主義はどこへ向かっているのか、そもそもおカネとは何なのか――。
気鋭の若手経済学者・安田洋祐大阪大学准教授が世界のトップランナーとの対話を通じて、資本主義の本質に迫ったNHK「欲望の世界経済史 序章」が25日深夜に放送される。
本記事では、番組の未放送インタビューも多数収録した書籍『欲望の資本主義』から、一部を抜粋してお届けする。

●トーマス・セドラチェク/1977年生まれ。
 チェコ共和国の経済学者。
 同国が運営する最大の商業銀行の1つであるCSOBで、マクロ経済担当のチーフストラテジストを務める。
 チェコ共和国国家経済会議の前メンバー。
 プラハ・カレル大学在学中の24歳のときに、初代大統領ヴァーツラフ・ハヴェルの経済アドバイザーとなる。
 神話、歴史、哲学などの切り口から経済学のあり方を問い直した『善と悪の経済学』は、15カ国語に翻訳され、世界中で話題を呼んでいる

●安田洋祐(やすだ ようすけ)/1980年東京都生まれ。
 2002年東京大学経済学部卒業。
 最優秀卒業論文に与えられる大内兵衛賞を受賞し、経済学部卒業生総代となる。
 2007年プリンストン大学よりPh.D.取得(経済学)。
 政策研究大学院大学助教授を経て、2014年4月から現職。
 専門は戦略的な状況を分析するゲーム理論。
 主な研究テーマは、現実の市場や制度を設計するマーケットデザイン


■成長資本主義は誤りだ

安田:
 経済成長と金利について伺います。
 現在、日本やEUをはじめとする多くの国では、マイナス金利となっています。
 それに関して、コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授は興味深いことを言っておられます。
 現在のとても低い金利は、中央銀行や財務省の間違った政策の結果であり、正しい経済政策をとれば、金利はたとえば5%などの正常な水準に戻るはずだということです。
 スティグリッツ教授のこの見解に対してどう思われますか。

セドラチェク:
 ゼロ金利やマイナス金利などの低金利政策に効果がないことは明らかです。
 工業生産も増えていない。
 日本が良い例です。
 バブル崩壊後長い間、景気が停滞していますね。
 国債を大量発行して、未来から多額のおカネをつぎ込む財政政策と、借り入れによる資金調達を安くみせる金融政策の両方から景気のテコ入れを図ってきたにもかかわらず、です。

 低金利政策も大量の国債の発行も、経済成長のための政策ですが、私は、誰もが疑おうともしない
 「成長は良いことだ」
 「経済は成長し続けなければならない」
という思い込みこそが、問題だと思うんです。

 私はこう聞きたいのです。
 私たちが生きている社会は
「資本主義」なのか、それとも「成長資本主義」なのか? 
 私は「成長資本主義」だと理解しています。
 「成長」が人々の唯一の関心事だからです。

 多くの人が、経済成長できなかったらおしまいだ、崩壊だと思い込んでいます。
 そんなこと、どこに書いてありますか? 
 聖書に? 
 空に? 
 数学モデルに?
 そんなことが過去に証明されたことがありましたか? 
 その認識は間違いです。
 経済が必ず成長するというのは、愚直な思い込みです。

 聖書の話をします。
 3500年前の、人類初の景気循環の話です。
 現在の景気循環を考えるために、人類史上最も古い景気循環の際に人々がどうしたかを見る。
 それが私の手法です。

 エジプトの話です。
 ファラオが夢を見た。
 夢には7頭のよく肥えた牛と7頭のやせ細った牛が出てきた。
 夢判断ができないファラオは、ヘブライ人の預言者ヨセフを呼び、夢の意味を尋ねます。
 ヨセフは言います。
 「7年の豊作の後に7年の飢饉が訪れるでしょう」。

 ファラオは対策を尋ねます。
 ヨセフの助言はこうです。
 「豊作の年は、収穫したものをすべて消費してしまうのではなく、貯めておくことです」。
 財政政策に似ていますね。
 ファラオは助言に従いました。
 そして、飢饉が訪れたとき、倉庫いっぱいに蓄えられた穀物のおかげでエジプトは苦境を乗り越えることができた。
 ファラオが見た夢は人類初のマクロ経済予測だったのです。

 毎日晴れという甘い前提では良い船は造れない

 この話を分析する方法はたくさんあります。
 いちばん興味深い解釈はこうです。
 人類は、現在の苦境よりもはるかに深刻で痛みを伴う飢饉という危機を、一銭の借金もせずに乗り切った。
 現在では想像もできないことです。
 そのような選択肢は検討されることすらない。

 旧約聖書にも書かれているとおり、景気は昔からつねに上下変動を繰り返してきました。
 毎年毎年、成長を続けるのは無理です。
 そんなことはいまだかつてない。
 にもかかわらず、多くの人が成長し続けないと経済は崩壊すると思い込んでいます

 経済が成長し続けるものだという前提で、経済活動を行ったり、政策を立案したりするのは、毎日順風が吹くという甘い前提で船を造るようなものです。
 それでは良い船は造れない。
 なぎでも嵐でもうまく航行できるのが良い船でしょう。
 天候に恵まれるに越したことはないですが、毎日の好天を前提にすれば、風雨に立ち往生する船しか造れません。

 しかし、私たちがつくった社会は、甘い前提でつくられている。
 経済は当然ながら失速したり停滞したりするのに、私たちの社会モデルや年金モデル、そして銀行業務すら、経済成長を前提にしている。でも、経済は成長しないときもあります。

 「成長が必要だ」という言葉をつねに耳にします。
 私は「そのとおり。でも成長していないのです」と答えます。
 「晴れの日が必要だ。晴れの日が必要だ」とお題目を唱えるのと同じです。
 「ええ。でも今、外は雨です」――。

■大人を無理やり成長させても醜く太るだけ

セドラチェク:
 ですから、現実的になりましょう、というのが私の主張です。
 恒久的に本当の意味での成長をつくり出すのは無理です。

 経済は、どの国でも上向いたり下向いたりです。
 私はこれを「メリーゴーラウンド危機」と呼んでいます。
 60年前はイギリスがヨーロッパ経済のがんでした。
 15年前はドイツで、今はギリシャです。

 1991年にはソ連が崩壊してフィンランドがヨーロッパのがんとなり、大量の学歴ある若者が失業しました。
 好況や不況がひとつの国にとどまることはない。
 これがいいところです。
 ですが、将来、どの国が勝者に、どの国ががんになるかは予想できない。

 私は成長に反対していません。
 そこは強調しておきます。
 好天に反対する人はまれです。
 でも、毎日晴れるのが当然で、いつも上機嫌でいなければならないと思い込んでいれば、悪天候に見舞われることもある人生は鬱々(うつうつ)としたものになるでしょう。
 雨の日や風の日もあり、それは必要です。

 私の論敵は成長するのが当然だとよく言いますが、それは間違いです。
 子どもは成長しますが、大人は成長しない。
 経済は子どもですか? 
 大人を無理やり成長させようとすれば、背が伸びるのではなく、醜く太るだけです。
 経済も同じです。
 成長するのが当たり前というのは、経済学における神話です。
 数字で示されているわけでもないのに、成長神話ができてしまったのです。

■いちばん大事なのは「自由」だ

安田:
 つまり、成長には反対しないけれども、人々が成長にとらわれ過ぎだと考えているのですね。

セドラチェク:
 成長に対して異常な執着がある。
 システム全体が成長で定義されています。
 私は旧共産主義国の出身ですが、わが国が共産主義・全体主義政権を捨てて資本主義を導入し始めていた頃に私が信じていて、今でも信じていることがあります。
 それは、民主資本主義の本質的な意義は「自由」にあるということです。

 もちろん成長するに越したことはないけれども、成長は必ずしも必要ではない。
 成長は大事ですが最優先ではない。
 車でいえば最高速度のようなものです。
 重要かと聞かれれば答えはYESですが、最も重要かと聞かれればNOです。

 脱共産化の革命の頃、私たちチェコの人間は、民主資本主義は成長に最も適した肥沃な土壌だと信じていたけれど、ここ20年間でこの関係は逆転し、今では、私たちは成長が市場経済民主主義の必須条件だと思い込むようになりました。
 私はそれを信じていません。
 間違った信念だと思います。

 成長が市場経済民主主義の必須条件だとの説を信じるなら、資本主義は成長なくして維持できないことになる。
 だから、無理やりにでも成長し続けることが必要になってしまう。
 債務や銀行経営、その他いろんなものを犠牲にしてでもです。

 それは、まさに現在、チェコがやっていることです。
 これではギリシャと同じ運命が待ち受けていることになります。
 実は、ギリシャは後れを取っていたわけではなく、誰よりも先を行っていて、他の国々よりも20年くらい早く破綻したにすぎない、ということになりかねません。
 ですから、何を信じるかがとても重要です。
 もし、民主資本主義の本質的な意義は「自由」にあるという最初の説を信じていれば、成長しなくても、マイナス成長ですら問題ない。
 なぜなら、私たちが信じるのは民主主義であり、資本所有の自由だからです。
 が、残念なことに、そうはなっていない。
 私たちは知らず知らずのうちに「成長資本主義」に取りつかれてしまっているのです。

■経済が成長しないのは
 これ以上成長する必要がないから

安田:
 成長への執着をなくすにはどうしたらよいのでしょうか? 
 特に先進国では成長が当然というのは共通認識になっています。
 人々のマインドを変えるのは難しく、時間もかかると思います。

 私は、日本の若い世代がヒントになるかもしれないと思っています。
 生活満足度の統計では、10代から20代前半の若い世代で満足度が高くなっています。
 これは仮説にすぎませんが、日本の若い世代は経済のゼロ成長やマイナス成長に慣れているため、期待値が低くなっていて、成長への執着がないのかもしれません。

セドラチェク:
 そうかもしれませんね。
 これも仮説ですが、日本が成長できないのは、優秀な経済学者がいないからではない。
 むしろ日本の教育は世界トップレベルなのに、それでも成長ができない。
 その理由としてひとつ考えられるのは、皆がアイパッドを2台持っていて3台目はタダでも欲しくないような状況にあること。
 つまり、「黄金の天井」説です。

 その説を信じるかどうかは重要ではありません。
 重要なのは、「黄金の天井」説が正しいとすれば、なぜそれを「悪いこと」だと思うのかということです
 見方を変えれば、これは資本主義の終着点に到達したということですよ。

 もうすべて手に入れた。
 誰も欲しがらないものを作っても意味がないから、そんなに働かなくてもいい。
 1度きりの人生なのに、誰も欲しがらない物を作るラットレースを走り続けるのはばかげたことです。

 私に言わせれば、これは「万歳!」と祝うべき瞬間です。
 でしょう? 
 経済が成長しないのは、これ以上成長する必要がないからなんですから。

 鬱(うつ)状態を引き起こす最も一般的な引き金のひとつが目標の達成であることは、心理学や精神医学では常識です。
 ずっと結婚したいと思っていた女性と結婚できた。
 夢の職業に就けた。
 学生だったら、猛勉強して難しい試験に合格した途端に鬱状態に陥ったりする。

 むなしくなってしまうんですね。
 達成してしまうと、目標がなくなってしまうからです。
 現在私たちが経験している資本主義の不況も、
 いわば成功の後の憂鬱のようなもので、もう見るべき夢がない状態なのかもしれません。



TED 2017/3/17(金) 17:54配信 Rainer Strack ライナー・ストラック
https://headlines.yahoo.co.jp/ted?a=20170317-00002144-ted

:2030年 驚きの労働人口クライシス
―そして今からどう対策を始めるか

<<動画あり>>
●動画撮影日:2014/10/20(月) 0:00

翻訳
 2014年は私にとって特別な年です コンサルタントとして20周年 結婚20周年 一ヶ月後には50才になります
 私は1964年にドイツの小さな街に生まれました
 灰色の11月のある日 予定日を超えていました
 病院の産婦人科は忙しく その日多くの出産が予定されていて 実際 1964年はドイツで最も 出生率の高かった年なのです
 130万人以上が生まれました
  比べて去年は60万人 半分の数です
 これはドイツの人口(年齢) ピラミッドで ここの上にある小さな点が私です (笑)(拍手)
 赤は潜在的労働力人口 15歳から65歳までの人口で 私はこの赤いエリアに興味があります
 簡単なシミュレーションで この年齢構造が数年でどう変わるか見てみましょう
 このように ピークが右へ移動して 多くのベビーブーマーと同じく 私は2030年に定年退職を迎えます
 ところで この赤いエリアを予測するのに 出生率の予測値は必要ないんです
 この赤い部分 つまり 2030年の潜在的労働世代人口は 今日もう確定していま
  もし移民の流入率がそれ程 変わらないとすればですが 2030年と2014年の赤い部分を比べると かなり小さくなるのが分かりますね
 労働力の供給は― 労働者たちの数は ドイツで劇的に減少します 
 労働力の需要はどうでしょう? 
 ここが難しい部分ですが コンサルタント達の得意の答えは 「時と場合によります」 なので私もそう言っていました
 未来を予測することは避けたのです
 憶測に過ぎない要素が 大きすぎるからです
 その代わりに― ドイツのGDPと生産性の成長を 過去20年に渡って見てみました
 そして次のシナリオを計算したのです
 もしドイツがこのGDPと生産性の 成長率を続けた
 この緑のラインは労働力の需要です
 ドイツは早くから人材不足に直面します 800万人が不足することになります。

 これは現在の労働人口の20%以上になります
 とても大きな数です
 ギャップを埋めるのに ドイツは劇的に移民の数を 増やさなければならず 女性の労働力をもっと 増やさなければなりません
 退職年齢を先に延ばし― これは今年早められたばかりですけれど― これらの政策が一度に必要になります
 ここでドイツが失敗すると 経済成長は停滞することになります
 もう成長は見込めません 
 何故か?
 それはこの成長の基盤となる 労働者たちがいないからです
 企業は他の場所で従業員たちを 探すことになります
 でも一体どこで?
  我々は世界のGDPの70%以上を占める 世界の15経済圏について 労働力の需要と供給をシミュレートしました
 すると2020年までに このような姿が浮かび上がります
 青は労働力の供給過剰 赤は労働力の不足 グレーはその間のボーダーラインの国々です
 2020年までにいくつかの国々では まだ労働の供給過剰が見られます
  イタリア、フランス、アメリカ等です
 しかし2030年にはこれは劇的に変化し 世界的にほとんどの大きな経済圏で労働力が不足します
 これはBRICの内の3カ国を含みます
 過去の一人っ子政策の影響が現れる中国 ブラジルとロシアです
 さて 実を言うと 現実には 状況は更に困難になります
 ここでお見せしているのは平均値に過ぎません
 これを平均値から戻し スキルレベル別に内訳を見てみると 見えてきたのは
★.ハイスキル労働力の不足率が更に高まり 
★.ロースキル労働力が部分的に 余剰する
という状況です
 つまり 全体的な労働力不足に加えて 将来 社会はスキルのミスマッチが 蔓延する状況に直面することになります
 これが意味するところは 至る所で 教育、資格、 政府や企業でのスキルアップ等の 大きな課題が生まれるということです

 次に目を向けたのは ロボット、自動化、テクノロジーです
 テクノロジーは生産性を押上げ この未来図を塗り替えるでしょうか? 
 これへの短い答えは 先ほどの数値はテクノロジーによる 生産性の押上げをすでに含んでいた というものです
  長い答えはこうなります
 また ドイツを例に取ってみましょう
  ドイツ人達は 生産性に関しては 定評があります
 90年代に私は2年ほど ボストンオフィスで働きました
 そこを去る際 シニアパートナーが 私に言ったのは

 「もっとドイツ人達をよこしてくれ 機械みたいに働いてくれるからね」 (笑)
 1998年のことでした
  16年後 きっと全く逆のことを言うでしょう
 「もっと機械をよこしてくれ ドイツ人みたいに働いてくれるからね」 (笑)(拍手)
  テクノロジーが製造業だけでなく 多くの仕事に取って変わるでしょう
 オフィスワーカー達も例外無く ロボットやAI、ビッグデータや自動化によって 取って代わられるかも知れません
 もはや鍵となる問いは―テクノロジーが こうした仕事をするようになるのか ではなく
 いつ どの位早くその時が訪れ どの位の規模で?
という問いです
 言い換えれば テクノロジーは世界的な労働力不足を 解決するのか? 
 答えは イエス アンド ノー です。

 今の答えはより洗練された 「時と場合によります」ですね (笑)
 自動車産業を例に取りましょう
 そこでは40%以上の産業ロボットが 既に導入されており 自動化が始まっています
★.1980年には電気部品は 自動車の生産コストの 10%以下しか占めていませんでしたが
 今日これは30%以上になり
  2030年までに50%以上になる
でしょう
 これらの新しい電子部品や アプリケーションは 新たなスキルを必要とし 新たな雇用を生み出しました
 認知システム工学のようなものです

 運転手と電子制御システムとの やりとりを最適化する仕事です 
 1980年には誰もそんな仕事が生まれるなど 想像もできませんでした 
 そして実は 車の製造に関わった人々の数は ロボットや自動化が始まっても 過去10年に渡り少ししか変わっていません 
 これは何を意味しているのでしょう?
 もちろん テクノロジーは多くの作業に取って代わります
 でも同時に多くの新たな仕事やスキルが生まれて そのことはテクノロジーは全体的にスキルの ミスマッチを悪化させるということを意味します
 このような脱・平均値化は 政府や企業にとっての危機的な 課題を露わにしていきます
 高スキルな人々― 人材は次の10年 重要になります
 もしこうした人材達が不足しがちな資源だとすれば 彼らのことをより良く理解するべきです
 彼らは海外で働いても いいと思っているだろうか?  
 どんな仕事を好むだろうか?
 答えを見つけるために 今年 我々は世界的に調査を行いました
 189カ国からの20万人の 求職者たちが対象です
 移住はギャップを埋める主要なポイントです
 少なくとも短い期間の解決策になります
 ですから流動性について質問しました
 これら20万人の60%以上が 海外で働いてもいいと回答しました
  私の予想より高い値でした
 21歳から30歳の従業員たちをみると その数値は更に高いものでした
 国別に見てみると 確かに世界で人々は流動的でしたが 一部だけだとわかりました
 最も移住を好まない国は ロシア、ドイツ、アメリカでした 
 では人々の好む移住先は?
  7位はオーストラリア 28%の人々が 移住していいと考えています 
 そしてフランス、スイス、ドイツ、 カナダ、イギリスと続き
  世界で一番の人気はアメリカです 

 さてこの20万人達の好む仕事は?
 仕事に何を求めているのでしょう? 
 26のリストのうち 給料は8番目 
 上位4つは職場の文化についてでした
 第4位 上司との良好な関係 
 第3位 ワーク・ライフ・バランス
  第2位 同僚との良好な関係 
 第1位は世界中で同じです 自分の仕事に対して評価されること つまり 感謝されるということです
 年に一度のボーナスじゃなく 毎日のことです
 つまり 世界的な労働力危機は個人的な問題に集約されます 
 人は認められたいのです

 皆そうではないでしょうか?
 それでは点と点をつないでみましょう
 私たちはこれから 世界規模の危機に直面します
 全体的な労働力不足 
 スキルのミスマッチ 文化的な課題 
 そしてこの世界規模の労働力不足は 目前に迫っています
  今私たちはちょうどターニングポイントにいます
 私たち―政府や企業は何ができるのでしょう?
 全ての企業は そして全ての国々は 人材戦略が必要です
 そして今直ぐに行動すること です
 この人材戦略には4つの柱があります
 1つめは 計画 様々な仕事やスキルについて 需要と供給を予測します 労働力プランニングはファイナンシャル・ プランニングよりも重要になります
 2つめは優れた人材を どう惹きつけるかということ ジェネレーションY、女性、 そして定年退職者達もです
 3つめ 従業員の教育とスキルアップです スキルアップの課題が山積みです
 4つめ どう優れた人材を維持するるか ということは 職場でどう感謝と良好な関係の 文化を実現するかです
 しかしその根底にある重要な要因は どう私たちの態度を改善するかです
 従業員は資源であり資産です
  コストでもただの頭数でもなければ 機械でもなく・・・ 「ドイツ人達」でもないのです

ありがとうございました (拍手)

 直感的に分かり難いかも知れませんが、
★.2030年までに世界の大経済圏の多くでは労働人口が需要を下回ることになります。
 人材専門家であるライナー・ストラックはこのデータ豊富で―極めてチャーミングな―トークで、国は移住を厭わずやる気のある求職者たちに国境を超えて目を向けるべきだと言います。
 そしてその為にまず企業や組織において職場の文化を改善していくことから始める必要があるのです。
 ( translated by Eriko T. , reviewed by Daiji Kuwano )






「欲望の資本主義2017 ルールが変わる時」

http://www.dailymotion.com/video/x57a5jd

http://www.dailymotion.com/video/x57a66d_%E5%BE%8C%E7%B7%A8-%E6%AC%B2%E6%9C%9B%E3%81%AE%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9%EF%BC%92%EF%BC%90%EF%BC%917-%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%8C%E5%A4%89%E3%82%8F%E3%82%8B%E6%99%82-20160103_news