2017年3月21日火曜日

北朝鮮は(5):ICBM用新型エンジン燃焼実験成功

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jiji.com 2017/03/19-09:48
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017031900203&g=int

新型エンジン燃焼実験成功
=金氏視察、近くミサイル発射か-北朝鮮




 【ソウル時事】北朝鮮国営の朝鮮中央通信は19日、金正恩朝鮮労働党委員長が新たに開発された高出力ロケットエンジンの地上燃焼実験を視察したと報じた。
 北西部・東倉里のミサイル基地、西海衛星発射場で行われた実験は成功し、金委員長は満足の意を表したという。
 金委員長は
 「この日の偉大な勝利がどれほど大きな意義を持つかを、全世界が間もなく目の当たりにすることになる」
と宣言。
 新型エンジンを利用した事実上の長距離弾道ミサイルの発射実験が近く行われることを示唆した。
 エンジン燃焼実験は、燃焼室の推進力特性やタービンポンプ装置、制御系統などの検証が目的。
 エンジン作動の全過程で技術的指標が達成され、システムの信頼性が保証されたという。
 具体的な日付は報じていないが、金委員長は成果を称賛し「3・18革命」と名付けた。 
 このため実験は18日に行われたとみられる。
 米シンクタンク、米韓研究所は17日、衛星写真の分析結果として、西海発射場のロケットエンジン実験場で準備とみられる動きがあると指摘していた。()



ロイター 2017年 03月 19日 10:45 JST 共同通信
http://jp.reuters.com/article/idJP2017031901001040




【北京共同】北朝鮮の朝鮮中央通信は19日、新たに開発された高出力ロケットエンジンの地上燃焼実験が北西部東倉里の「西海衛星発射場」で行われ、「成功した」と報じた。
 18日早朝に実施されたもようで、金正恩朝鮮労働党委員長が立ち会った。

 軍事技術の研究を担当する国防科学院が開発したエンジンで、従来のものより大きな推進力があるという。
 燃焼実験を公表することでミサイル能力の向上を誇示し、米韓合同軍事演習や米政権の圧力強化をけん制する狙いとみられる。

 実験はエンジンの全般的な性能を確認する目的で
 「全ての系統の技術指標が予想値に正確に達し、安定的に維持された」
という。




フジテレビ系(FNN) 3/19(日) 18:44配信
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20170319-00000893-fnn-int

「燃焼実験成功」に金委員長「偉大な成功」




 北朝鮮は、弾道ミサイルを発射するための新型エンジンの燃焼実験に成功したと、19日朝に報じた。
 北朝鮮メディアによると、燃焼実験が実施されたのは、新型の高出力エンジンで、視察した金正恩(キム・ジョンウン)委員長は、
 「偉大な成功がどんな意義を持つか、全世界はすぐに目の当たりにする」
と述べたという。
 発射が警戒されるICBM(大陸間弾道ミサイル)には、具体的に言及しなかったが、新型エンジン搭載のミサイルを発射する構えを示すことで、アメリカや韓国をけん制した形となる。



朝鮮日報日本語版 3/20(月) 8:40配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170320-00000549-chosun-kr

(朝鮮日報日本語版) 【社説】
 北がICBM発射予告、
 中国は米国のせい・
 韓国は内紛ばかり

 北朝鮮は19日、新型の高出力ロケットエンジンの実験の様子を撮影した複数の写真を公表した。
 実験を見守った北朝鮮・朝鮮労働党の金正恩(キム・ジョンウン)委員長は「3・18革命」という言葉を使い「今日成し遂げられた偉大な勝利がどれほど大きな意義を持つかは、近く世界が目の当たりにするだろう」と述べた。
 北朝鮮の労働新聞が伝えた。北朝鮮において金正恩氏の言葉はまさに法律そのものとも言えるため、今回の発言も近くこのエンジンを搭載した大陸間弾道ミサイル(ICBM)クラスのロケットの打ち上げを予告したものに等しい。
 軍事分野の複数の専門家は北朝鮮のミサイル技術がすでに旧ソ連末期、あるいは近くそのレベルに到達するものとみているようだ。
 米国のティラーソン国務長官は17日にソウルで「北朝鮮が一線を越えれば(軍事的な措置を含む)あらゆる行動を取る」とすでに警告しているが、この実験により、米国を狙ったICBM開発において北朝鮮はティラーソン氏が語ったように「一線を越えた」と言えるだろう。

 北朝鮮が新型エンジンの実験を行った18日、中国では米中外相会談が行われていたが、米中の立場の違いは相変わらず際立っていた。
 米国のトランプ大統領は会談直前、ツイッターに
 「北朝鮮は米国を手玉にとってきた」
 「中国は助けになることをほとんど何もしてこなかった」
などと主張した。
 ティラーソン氏は韓国で中国による北朝鮮向けの原油供給に言及し、中国に北朝鮮への支援をやめるよう求めた。
 これに対して中国の王毅・外相は
 「北朝鮮の核問題が解決しない根本原因は中国ではなく米国にある」
と主張した。
 北朝鮮が近くICBMを発射すると予想される中、このように米中両国は互いに責任をなすりつけ合うばかりだ。

 米国と中国は4月10日前後に米国で首脳会談を行うとみられる。
 しかし北朝鮮の核問題でここまでその考え方に違いがあるようでは、たとえ首脳会談が行われたとしても、両国が何らかの解決策を見いだすのは難しいだろう。
 北朝鮮のねらいもまさにこの点にあり、この隙を利用して北朝鮮がまた新たな挑発に乗り出すのは間違いない。
 具体的にはICBMの発射や6回目の核実験をほぼ同時にやる恐れもあるはずだ。
 これに対して米国はこれ以上忍耐を続けることはできないと予測されるため、韓半島情勢はまさに一触即発の事態に陥る恐れがあるのだ。

 ティラーソン氏は18日、米国メディアとのインタビューで、韓国と日本の核武装と関連して
 「われわれの目標は非核化された韓半島だ」
と明言したものの
 「未来については予測できない。
 相互の抑止のためそれ(韓日両国の核武装)を検討すべきとなる状況になるかもしれない。
 この点をこの地域の全ての国がしっかりと理解することが重要だ」
などと述べた。
 このインタビューを通じ、米国によって近く予想される対応としてまず
★.韓半島における戦略核の再配備があり、また将来的には韓国と日本の核武装も避けられないとの考えをティラーソン氏は示したとみられるが、
 インタビューは同時にこれらの事実を中国にも警告する形になったはずだ。
 そう考えれば現在、韓半島と東アジアはまさに歴史的転換点にあるとも言えるだろう。

 ティラーソン氏はこのインタビューで日本について「最も重要な同盟国」と語り、韓国については「1つの重要なパートナー」と表現した。
 ティラーソン氏の言葉に細かく反応する必要はもちろんない。
 しかし過去において米国の国務長官が韓国をこのように表現したこともなかった。
 ただでさえ近く政権を握るとみられる共に民主党は米国よりも中国寄りの考え方を鮮明にしている。
 そのためわれわれの運命がかかった瞬間が近づいているにもかかわらず、その基盤となる韓米同盟は将来的に不確実なものとなってしまった。
 しかも韓国国内は政治的に分裂し相手に対する攻撃にしか関心がない。
 まさに憂うべき状況だ。




ニューズウイーク 2017年3月20日(月)22時30分
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/03/icbm-1.php

北朝鮮、新型ロケットエンジンを実験 
数年でICBM実用か?



●北朝鮮が18日東倉里で新型ロケットエンジンの地上噴出試験を行った (c)nodong news

<北朝鮮が19日に新型ロケットエンジンの実験を行った。
今回の実験は、米ティラーソン国務長官と中国の習近平国家主席の会談に合わせるかのようにして行われたが、これは単なる示威行為ではなく、北朝鮮がICBMの打ち上げに必要な技術を開発完了したサイン、と見られている>

 北朝鮮は18日、新型高出力ロケットエンジンの地上噴出試験を行った。
 金正恩(以下、キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が指揮をしたと、朝鮮中央放送と朝鮮中央通信が19日報道した。
 ティラーソン米国務長官が15日からの日韓中3カ国歴訪を通じ、オバマ政権とは違う北朝鮮へ強力な圧力をかけるメッセージを表明した。
 これに対して北朝鮮は、新型高出力ロケットエンジンの噴出試験を公開することで、今後も長距離ミサイルと衛星発射用ロケットなどの中核技術を発展させる作業を続けていくという意志を示したものとみられる。

 北朝鮮の朝鮮中央通信は同日、
 「国防科学者、技術者たちは、これまでのエンジンより推進力が高い大出力エンジンを完全に朝鮮独自の技術で新たに研究製作し、初めての試験で一気に成功したことで、国防工業建設史に特記するもう一つの奇跡を創造した」
と強調した。

 さらに
 「今回の試験は燃焼室の推進力特性とタービンポンプ、制御系統など高出力エンジンの全般的な技術的指標を確認することを目的として行われ、結果として目標値に到達した」
と伝えた。

 また、キム・ジョンウン総書記は、今回の実験について「今日達成した巨大な勝利がどのような思弁的な意義を持つかを全世界がすぐ見られるようになるだろう」と語り、新たなミサイルの発射を行うことを示唆している。

 この発表についてNEWSISなど韓国メディアは、北朝鮮がこれまで新しいエンジンの試験を行うときにはどのような用途のものかを明確にしていたのに、今回は明らかにしなかった理由について注目されると報じている。

 専門家によれば、北朝鮮の発表した写真をもとに昨年9月に試験をした静止衛星運搬用ロケットエンジンの発展系とみられ、大陸間弾道ミサイル(以下、ICBM)のエンジンとして開発されている可能性が高いという。

 キム・ドンヨプ慶南大学極東問題研究所教授は、
 「全体的な大きさと点火時の炎の長さが昨年9月に試験したエンジンと似ている。
 しかし、補助エンジンが新たに追加されている点に注目する必要がある。
 北朝鮮が複数のエンジンを制御するのではなく、1基のエンジンだけでICBMの1段エンジンを構成させようという意志が込められている」
と分析した。

 キム教授は
 「今回公開したエンジンに外装をしたらそのままでも完成されたICBMの1段エンジンになりかねない。
 キム・ジョンウン総書記がICBMの完成段階を言及しただけに、初試験発射が近づいているとみられる」
と付け加えた。

 韓国国防部も20日の定例記者会見で、
 「北朝鮮の新型高出力ロケットエンジン試験では、主エンジン1基と補助エンジン4基が接続されたものと見られる。
 エンジン性能に意味のある進展があると評価される」
と明らかにした。
 韓国メディアのヘラルド経済などが伝えた。

 北朝鮮は今年に入って2月12日に2月12日北極星2型という中長距離弾道ミサイル(IRBM)発射と3月6日スカッドミサイル発射などを通じて、ICBMの基本的な多段ロケットの分離と姿勢制御、固体燃料エンジンによるコールドローンチなどの技術を誇示している。

 18日の実験でICBMのロケットエンジン部分の開発が進んでいることが明らかになったが、実際にICBMを打ち上げるためには、
★.核爆弾の小型化技術と
★.大気圏への再突入技術
を管制させなければならない。
 特に大気圏への再突入に関しては
★.超高温になるミサイルの外壁に必要な炭素複合材料、
 標的への誘導技術など最先端の技術が必要
となる。

 現在世界の多くの国が北朝鮮について経済制裁をしている中で、こうした技術を確保し、
★.実用化するまでには早くて5年、遅くても10年がかかる
というのが、軍事関係の関係筋の多くが一致した見方だという。



フジテレビ系(FNN) 3/21(火) 1:05配信
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20170321-00000009-fnn-int

「北」新型エンジン燃焼実験 トランプ氏が非難




 アメリカのトランプ大統領は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長を、名指しで「ひどい振る舞いをしている」と攻撃した。
 トランプ大統領は19日、
 「北朝鮮について会議した。(金正恩委員長は)極めて悪質に振る舞っている」と述べた。

 そのわけは。
 朝鮮中央テレビは19日、「(金委員長は)『きょうの巨大な成功がどんな意義を持つのかを、全世界はすぐに見ることになる』と述べられた」と報じた。
 北朝鮮は19日、弾道ミサイルに使われる新型エンジンの燃焼実験に成功したと発表した。
 実験を視察した金正恩委員長は、満面の笑みを浮かべていた。
 実験は、ICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発を念頭に置いたものとみられ、近く長距離弾道ミサイルの発射実験が行われるとの見方も出ている。

 こうした中、韓国の国防省は、北朝鮮の新型エンジンについて、性能が一段と向上しているとの見方を示した。
 その根拠となったのが、写真にとらえられていたエンジンで、1つのメインエンジンに、4つの補助エンジンが連結されたものとみられている。
 2016年9月に行われた燃焼実験の写真には、補助エンジンは見当たらない。
 さらに、エンジンの火柱の色も、2016年に比べ鮮明になり、韓国メディアは、2016年の実験の時より、推進力が向上したと報じている。
 3月6日、日本海へ向け、弾道ミサイル4発を同時に発射したのに続き、新型エンジンの燃焼実験を強行した、北朝鮮。

 20日、3年4カ月ぶりに再開された、日本とロシアの外務防衛担当閣僚協議「2+2」でも、北朝鮮問題が話し合われた。
 岸田外相は
 「特に北朝鮮の核ミサイル問題について、突っ込んだ議論を行った。
 今後も、日ロ間で率直に話し合い、協力していくことで一致した」
と述べた。
 日本とロシアは北朝鮮に対して、安保理決議の順守を強く求めていくことで一致した。
 一方で、ラブロフ外相は
 「制裁は北朝鮮を罰する手段ではなく、対話に参加させる手段だ」
と、対話を重視する姿勢を示し、日本との違いが明確になっている。










【2017年 大きな予感:世界はどう変わるか】







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