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ロイター 2017年5月20日(土)13時18分
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/05/tpp11.php
TPP、米国抜きの11カ国での発効目指す声明発表へ
[ハノイ 19日 ロイター] -
環太平洋連携協定(TPP)に参加する米国以外の11カ国は、TPP発効を目指す方針に変わりがないことを確認する声明を発表する。
11カ国間の協議に詳しい関係筋が話した。
11カ国はアジア太平洋経済協力会議(APEC)の貿易相会合に合わせて協議を重ねている。
関係筋は
「主要項目は2つ。ひとつは11カ国でなるべく早期の発効を目指すこと。
もうひとつは署名国が協定に復帰できる環境を考えることだ」
と述べた。
2018年のTPP発効を予定している。
一方、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は、中国などと2国間協議を開く予定だ。
自由貿易で世界の主導権を握りたい中国は、自らも参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を推進する方針だ。
RCEPよりはるかに包括的なTPPの協議は日本が主導する。
米国はトランプ大統領が就任して間もなくTPPから離脱した。
中国はTPPに参加していない。
TPPの協議の課題の一つは、米国のTPP参加で大きな恩恵を受けるはずだったベトナムとマレーシアを離脱させないことだ。
マレーシアのムスタパ貿易産業相は米国抜きで協議を進めるのであれば、いくらかの再交渉が必要だと話す。
ベトナムの当局者も同じような見解を示している。
ムスタパ氏は、米国がいつかTPPに復帰するとの楽観的な見方があると述べ、TPP以外の課題でトランプ米大統領が政策姿勢を変えつつある様子がうかがえると指摘した。
中国に対する態度を軟化させていることを例に挙げた。
ただ、直近では米政権にとっては北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉の方が優先度が高い。
ムスタパ氏は、TPPの先行き不透明感を踏まえると、マレーシアにとってRCEPが優先すべき課題だと述べた。
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ロイター 2017年 05月 27日 09:24 JST Robert Boxwell
http://jp.reuters.com/article/us-trump-tpp-idJPKBN18M0D7?sp=true
コラム:トランプ氏、対アジアの「ベストオプション」
[26日 ロイター] -
米国を除く環太平洋連携協定(TPP)の参加11カ国は先週、離脱した米国抜きで協定を前進させるため、アジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合に合わせてハノイで閣僚会合を開催した。
11カ国全てが、TPPに参加していない中国と交易している。
だが、地域包括的経済連携(RCEP)や「一帯一路」構想などのTPP的な代替機構を通じて中国が実現しようとしている、
同国中心の未来に取り込まれたいと考えている国はない。
そこで11カ国は「TPP-11」と呼称を改め、米国抜きでは、厳密には終わったも同然の現行協定から、生かせる部分を「救難」しようと試みている。
トランプ米大統領がTPPについて撤退方針を転換する確率はゼロだ。
だが大統領は、現在のアジア太平洋のように不安定な地域において、選択肢を狭めすぎない方が賢明だろう。
昨年の大統領選におけるトランプ氏の公約は、11カ国にとって困惑させられるものだっただろう。
同氏は有権者に対して、米国から雇用を奪うとしてTPPからの離脱を約束し、同時に中国に対して厳しく臨むと宣言していた。
だが、二つの約束は両立しない。
TPP崩壊は中国にとって歓迎すべきことだとの見方がある。
TPPが発効すれば、通商における中国の影響力を低下させていただろうが、トランプ氏はそれを破壊すると約束した。
そして、トランプ氏は就任初日にTPPからの離脱を発表し、中国に対して厳しく臨むという公約を破棄しようとしているように見える。
1988年の米大統領選で、当時のジョージ・H・W・ブッシュ大統領候補が増税はしないと公約しながら、その後一部で増税が実施された時に似た、やるべきではない公約破りだ。
米国以外の11カ国は、現段階では議論もあるが、米国が復帰してTPPを復活させることは歓迎だろう。
TPPは、貿易だけでなく、太平洋全体の安全保障の問題でもあった。
もし、より低賃金の国に必然的に資本が流れるとすれば、米国がTPP離脱により得るものは何もない。
TPPなしに、低賃金国への雇用の流れは止まらない。
輸入品に課税することで低コストの労働市場から米国を「守る」ことは、米国の製造業を競争から遠ざけることだ。
だが競争こそ、米国の競争力を常に保ってきた。
米国市場における中国製の鉄鋼製品やアルミニウムのダンピングに制裁を課すことと、労働力が安いからといって友好国に背を向けることは、別のものだ。
トランプ氏は、中国から雇用を取り戻すと熱心に主張する。
私は、米企業の強さを疑っていない。税制と通商政策が適切なら、米国のビジネスパーソンには何でもできる。
だが、雇用が中国から離れたとしても、その雇用がオハイオ州に戻るとは限らず、ベトナムやインドネシアに流れるかもしれない。
労働コストを下げたり、アジア市場への距離を縮めることを目的に
中国に製造拠点を移した企業が、再び米国に製造拠点を戻す可能性は低い。
よく練られた経済・税制政策により、起業や投資を刺激した方が、企業に米国回帰を迫るよりも、新規雇用の創出効果があるだろう。
途上国の低コスト労働力の強みを利用することにかけて、現地のビジネスパーソンに勝るものはない。
米国の政治家が何を言おうと、彼らはそれをやめない。
★.戦略的な見地からすれば、
問題は、中国からいかに雇用を取り戻すかではなく、
いかに新規雇用が中国に流れないようにするか、
という点ではないか。
中国政府は、経済発展とともに、地域での主張を強めている。
ベトナムやマレーシア、チリやペルーのようなTPP参加国は、より理論的で友好的な(新規雇用の)行先の選択肢だ。
TPPは、北米自由貿易協定(NAFA)の再現ではなく、1992年の大統領選で大富豪のロス・ペロー候補が指摘したように、「巨大な吸引音」を立てて米国の雇用を国外に流出させることはない。
(雇用流出は)すでに起こってしまった。
TPPは、参加国間の貿易障壁を減らし、新しい市場をアメリカ製品の輸出に開かせる狙いがあった。
いずれにしても、通商は、西側が中国との間に抱える最大の問題ではない。
北朝鮮の核問題や、南シナ海の軍事化問題などの戦略的課題がそれだ。
米国が、太平洋の西側を中国に明け渡すつもりがないのであれば、こうした問題の交渉に向け、地域のすべての同盟国や友好国が必要だ。
TPP参加11カ国よりも優れたグループを見つけることは困難だ。
もしTPP-11との間で新たな協定を交渉する機会を得たなら、トランプ大統領は真剣に検討すべきだ。
アメリカ人にTPP参加の利点を説明することは、ツイッターや決まり文句を使ってTPPをつぶすことよりも複雑だ。
だが後年、中国が覇権を握るようになった地域で、なぜ友好国を見捨ててしまったかを説明するよりは簡単だろう。
*筆者は経営コンサルタント会社オペラ・アドバイザーズ(クアラルンプール)取締役。
*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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