2017年5月10日水曜日

自衛隊この不思議な存在(1):今そこにある圧倒的な軍事力

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 自衛隊がその存在をアピールしたのは2011年の東日本大震災の時である。
 このときの活躍でこれまで無視されママコ扱いされていた自衛隊がはじめて市民権を得た。
 翌年、中国の尖閣をめぐる反日騒乱で、中国の軍事圧を身に染みて感じた日本人の中に自衛隊の積極的な貢献を期待する声が大きくなり、いまでは反自衛隊論を唱える日本人はいなくなってしまった。
 自衛隊という存在を日本人の不可分な一部にさせたのはこの2つの事である。
 すなわち
1:自然災害
2:中国の暴圧
である。
 日本政府にとっては自然災害を別にして、
 自衛隊をかくも陽の目の当たる場所に誘ってくれたのは中国の力で、ありその貢献は計りしれない。
 政府としては中国に足を向けて寝られないほどであろう。
 だが、自衛隊の存在が憲法とどうかかわるのかというと、これは別問題である。
 自衛隊は今そこにある現実であり、欠かすことのできないものになってしまっている。
 憲法は敗戦がもたらした文書の一つであり、戦後の日本を支えてきたものである。
 つまり、憲法はこれまでのもの、自衛隊は今のもの、なら将来はどうなるのか、ということになる。


JB Press 2017.5.9(火)  筆坂 秀世
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49944

2020年、自衛隊は誰から見ても「合憲」になれるのか
悲願の憲法改正にいよいよ本気で取り組む安倍首相

  安倍晋三首相は5月3日、改憲派が開いた集会にビデオメッセージを寄せ、その中で
 「東京五輪が開催される2020年は、日本が生まれ変わるきっかけにすべきだ。
 新しい憲法が施行される年にしたい」
と語った。
  改正の中身としては、9条について
 「多くの憲法学者や政党の中には、自衛隊を違憲とする議論が今なお存在する。
 『自衛隊は違憲かもしれないが、
 何かあれば命を張って守ってくれ』
というのは無責任だ
 「1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む考え方は国民的な議論に値する」
と述べた。
 また、高等教育の無償化を定める条文も盛り込むという。
  安倍首相の悲願であった憲法改正に、いよいよ本気で取り組むという決意の表明である。

■憲法と現実の矛盾を突いた巧みな提起

  9条と自衛隊の問題を具体的な改正例として提示したのは、なかなか考え抜かれた内容であると言えよう。
  憲法9条というのは、「第2章 戦争の放棄」の章に書かれた条文である。
 第2章は、この9条のみである。

  1946(昭和21)年11月3日に公布された現在の憲法が、多くの国民に歓迎されたことは間違いない。
 私自身、1948(昭和23)年生まれの団塊の世代だが、1947年から48年にかけて生まれた同級生には、憲一など憲法の「憲」の字を使った名前が少なからずあった。
 戦争によって国際問題を解決することを放棄した憲法の新理念に、強く共感したからであろう。
 長く続いた戦争と多くの犠牲、軍部の独走などに、軍事アレルギーともいうべきものが生まれていたこともあったのだろう。
 9条1項には、
 「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」
とある。
 そして2項には、
 「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」
とある。

★.安倍首相の提起は、これをそのまま残し、新たに自衛隊の存在を明記してはどうか
というものである。

 確かに多くの憲法学者が自衛隊は違憲だという見解である。
 2015年7月11日付朝日デジタルに掲載された憲法学者へのアンケートによると、122人の憲法学者のうち77人(63%)が自衛隊は
 「憲法違反にあたる」
 「憲法違反の可能性がある」
と回答している。
 一方、9条改正の必要性についての質問には、実に99人(83%)が「改正の必要はない」と回答している。

 このアンケートは、実に中途半端なものである。
 ここまで聞くのなら、自衛隊は違憲と回答した学者や、9条の改正は必要ないと回答した学者に、
 「自衛隊を解散させることに賛成か否か」
を聞くべきであったろう。

 推測するしかないが、おそらく多くの憲法学者が自衛隊は憲法違反だと言いながら、9条改正にも反対しているということだ。
 そして少なくない学者が
 「自衛隊は憲法違反だが、存在は認めるしかない」
ということではないのか。
 現に「自衛隊即時解散」などという憲法学者の主張を寡聞にして聞いたことがない。
 実は、国民の多くもこういう考え方で自分を納得させてきたのではないのか。

 かつて日本社会党が苦し紛れに、「違憲だが合法」という支離滅裂な「違憲合法」論を主張したことがあったが、これもその一種である。
 現在の共産党も
 「自衛隊は違憲だが、国民がもう自衛隊は必要ないと判断する時までは残す」と言い、
 「いざとなったら自衛隊を活用する」とも言っている。
 違憲状態を半ば永久的に続けるということだ。
 共産党の志位和夫委員長は、憲法記念日の演説で「憲法改正ではなく、憲法通りの政治を」と訴えていたが、共産党自身が憲法通りの政治を否定しているのである。
 このような政党が「立憲主義守れ」と言っても、何の説得力もないことは明白だろう。

 共産党と違い、民進党や自由党などは自衛隊の存在そのものは認めているはずだ。
 だったら違憲論が現に存在する中で、憲法に自衛隊の存在を明記しようという安倍首相の提案に反対できないはずである。
 護憲派と称する憲法学者や政党の無責任極まる主張に鋭い楔を打ち込んできたのが、今回の安倍首相の提起である。
 今回の安倍首相の提起によって、野党の側が追い詰められているということだ。

■ようやく本来の党是を前面に

 安倍首相も語ったように、自民党は結党以来、自主憲法の制定を掲げてきた。
 自民党が1955(昭和30)年に結党された際、「党の政綱」の中で「六、独立体制の整備」という項目を立て、
 「平和主義、民主主義及び基本的人権尊重の原則を堅持しつつ、現行憲法の自主的改正をはかり、また占領諸法制を再検討し、国情に即してこれが改廃を行う」
 「世界の平和と国家の独立及び国民の自由を保護するため、集団安全保障体制の下、国力と国情に相応した自衛軍備を整え、駐留外国軍隊の撤退に備える」
と唱えていた。
 この間、ほとんどの時期を自民党は政権党であった。
 だが現在の安倍政権を除いて、本気で憲法を改正しようとした自民党政権はあっただろうか。

 もちろん、その責任がすべて自民党にあるとは思わない。
 やみくもに憲法改正を提起すれば、それでことが成就するというほど簡単な課題ではないからだ。
 それは憲法改正についての世論調査を見ても明らかだ。
 ときには改正に賛成が反対を上回る場合もあるが、その逆もしばしばある。
 世論の動向を政党として無視できないのは当然である。

 また日本には、日米安保条約に基づいて強力な米軍が駐留し、安全保障をアメリカの核の傘に委ねているという事情もある。
 この米軍と自衛隊の協力強化に注力すれば良いという考え方が蔓延しても不思議ではない。

 ましてや日本において憲法改正というのは、簡単な仕事ではない。
 相当な説得力を持たなければ、国民多数の賛同を得ることは困難である。
 こんなリスクの大きい仕事をどの政権も避けてきたということだ。

 だが今、安倍一強体制のもとで、ようやく自民党が本来の党是を前面に押し出してきたということである。

■憲法改正を難しくした「自衛隊合憲論」

 1950年6月に北朝鮮の南進による朝鮮戦争が勃発した。
 日本に駐留していた米軍はこの戦争に参戦したため、国内の治安維持のため警察予備隊が創設された。
 これがその後、自衛隊になっていく。

 憲法9条2項には、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と明記されているにもかかわらず、なぜ自衛隊を保持できるのか。防衛相のホームページには、次のようにある。
 「平和主義の理想を掲げる日本国憲法は、第9条に戦争放棄、戦力不保持、交戦権の否認に関する規定を置いています。
 もとより、わが国が独立国である以上、この規定は、主権国家としての固有の自衛権を否定するものではありません。
 政府は、このようにわが国の自衛権が否定されない以上、その行使を裏づける自衛のための必要最小限度の実力を保持することは、憲法上認められると解しています」
 これが自衛隊合憲の論建てである。

 憲法の専門家などの一部では、芦田修正(憲法改正小委員長だった芦田均による修正)によって、9条2項に「前項の目的を達するため」という文言が挿入されたことによって、侵略を目的とする戦争や武力行使のための戦力は保持できないが、自衛目的の戦力なら保持が可能になったという説もある。
 ただ歴代政府は、この解釈は採用していない。
 そのため自衛隊を「戦力」ではなく、「自衛力」としてきた。
 自衛隊は、国際的には軍隊と見なされているにもかかわらず、
 軍隊ではないというのが政府見解である。

 しかし、この憲法解釈が憲法改正の足かせとなってきた。
 「自衛のための合憲の実力組織があるのだから、9条改正は必要ない」
という理解を生んでしまったからだ。
 安倍首相は、9条2項もそのまま残すという考えを表明しているが、依然として「戦力」ではない自衛隊ということで良いということなのだろうか。

 いずれにしても、この問題は安倍首相が言うように、「国民的議論に値する」ことであることだけは確かである。
 改憲派、護憲派という枠をこえて、真摯な議論が国民の間で行われることを強く期待したい。



JB Press 2017.5.10(水)  田中 伸昌
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49943

徹底解説自衛隊:憲法改正が喫緊の課題である理由
自衛隊の歴史を読み直す(8)
~日本周辺の差し迫った危機

 安倍晋三首相は5月3日、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に憲法を改正したい意向を示した。
 北朝鮮の核とミサイル開発が着実に進み、脅威が目の前に迫っているなか、また中国の軍事拡大が日本周辺の軍事バランスを大きく崩し始めているなか、これ以上、今の自衛隊という組織では日本を守り切れないという認識である。

 これまで7回にわたって自衛隊の歴史を振り返ってきた。
 現憲法下でも自衛隊は国内にそして国外で様々な活動を行い、成果を上げてきた。
 しかし、本当に差し迫った危機にあっては、自衛隊という法律の規定が日本の防衛を危うくしてしまう。

 最終回の今回は、この問題を徹底解説する。(前回の記事はこちら)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49841

■憲法に明示的な規定のない自衛隊

 日本国憲法のどこにも「国防」についての規定はない。
 ましてや憲法制定後に「警察予備隊」から「保安隊」を経て創設された「自衛隊」の規定があるわけもない。
 憲法では、前文で、我が国の安全と生存を諸国民の公正と信義に依存すると謳い、この考え方に従い、第9条1項で戦争の放棄を規定し、同2項で陸海空軍戦力の不保持及び国の交戦権を認めないことを規定している。
 第1項の戦争放棄規定は、1928年の不戦条約に淵源し、この考え方は国連憲章に引き継がれるとともに、駒澤大学名誉教授の西修氏によれば、
 「世界の成典化憲法188を調べたところ、平和条項を持つ憲法が158(84%)にのぼることがわかった」
と述べておられる。
 すなわち、戦争放棄規定が日本独自のユニークなものでないことは明らかであるし、また不戦条約は自衛権を否定するものではないことは、条約の審議、調印の過程で国際的に確認されている。

■憲法に明示的な規定のない自衛隊が、
 なぜ存在しているのか?

 それは政府が時代とともに変えながら行ってきた憲法解釈によってである。 
 朝鮮戦争の最中、国内治安維持のため警察の予備の部隊として発足させた警察予備隊から保安隊へ、そして自衛隊へと転換し今日に至る過程で、政府は憲法解釈を変えてきた。
 しかし、現在の政府解釈では、
 「日本国憲法は、第9条に、戦争放棄、戦力不保持、交戦権の否認を置いている。
 我が国が独立国である以上、この規定は主権国家としての固有の自衛権を否定するものではない。
 我が国の自衛権が否定されない以上、その行使を裏づける自衛のための必要最小限度の実力を保持することは、憲法上認められる」
としている。
 このような政府による憲法解釈に基づき自衛隊は存在し、創設以来今日まで、日本の領土、領海、領空で国家主権の維持のために、そして国民の生命と財産を守るために行動してきた。

 海外においても、世界中のあらゆる地域に展開して、国際平和維持活動、災害救援や人道支援のための国際緊急援助活動、あるいは海賊対処活動など、憲法の下にある自衛隊であるがための特殊な条件の下ではあるが、世界から派遣されている各国軍隊と共同で粛々と任務を遂行し、しかるべき成果を上げてきた。
 国の存立にとって不可欠な自衛のための実力組織が、国の基本法典である憲法において明示的な規定もなく、その時々の憲法解釈によって辛うじて存在たり得ているという事実は、果たしてこれが独立主権国家の姿として正しいのか、という疑問を抱かざるを得ない。
 ましてや外国人にとっては理解し難いであろうし、日本に対して不信感を持つことにつながるのではなかろうか。

 ここでは、これまで述べてきたような自衛隊が国内外で行ってきた各種行動の実績を踏まえて、国家存立の基本法であり最高法規である憲法に「国家防衛」およびその手段としての「実力組織(軍隊)の保有」についての明示的な規定がないことによる問題点を挙げる。

■ぬえ的な存在

★.第1点は、自衛隊をぬえ(鵺)的存在たらしめていること。

 憲法学者の大半が自衛隊の存在は憲法違反であると判断していると言われており、このことが法曹界や一般国民に与える影響は大きい。

 歴代政府は国会において、次のように言明してきた。
 「自衛権は、国が独立国である以上、その国が当然に保有する権利である。憲法はこれを否定していない」
 「憲法は戦争を放棄したが、自衛のための抗争は放棄していない」
 「自衛隊は、自衛のための必要最小限度の実力を有する組織であって憲法に違反しない」
 さらに、
 「自衛隊は通常の観念で考えられる軍隊ではないが、国際法上は軍隊として取り扱われており、自衛官は軍隊の構成員に該当する」と述べている。

 いったい「自衛隊は軍隊なのか軍隊ではないのか」、
 そして「自衛官は軍隊の構成員に該当するが軍人ではなくシビリアン(文民)でもない」とするならば、
 自衛官はいったい何者なのか?
 まさに自衛隊を鵺的存在たらしめていると言わざるを得ない。

 憲法第9条2項で「陸海空軍の戦力はこれを保持しない」と言っているために、「軍」という用語を使うわけにはいかない。
 従って、国際通念では軍隊ではあるが「自衛軍」とは言わず「自衛隊」ですと言い逃れる。
 また、自衛隊が保持しているのは「防衛力」であって「戦力」ではないということになる。
 これに類した用語の使い分けは、自衛隊の装備品の名称であるとか自衛官の階級の呼称など随所に見られる。
 このような国家の存立を左右する重要事項が、憲法違反の議論の俎上に上り、あるいは国内と国際社会とで使い分けるダブルスタンダード状態のまま放置されていることが、許されていいとは思われない。

■憲法解釈の制約下に置かれた組織

★.第2点は、自衛隊は憲法解釈に基づく様々な制約の下に置かれた組織である。

 自衛隊創設以来、自衛隊と憲法の関係について、国会において様々な議論が行われてきたが、現在における自衛隊と憲法の関係についての政府の見解は、上に述べたように、

(1):自衛権は独立国が保有する当然の権利であり、憲法はこれを禁止していない
(2):自衛権行使の手段としての実力組織である自衛隊を保有することは憲法に違反しない
(3):自衛隊が保持すべき実力は自衛のための必要最小限度を超えるものであってはならない

 というものである。
 このことから言えることは、防衛・安全保障に関する法律や規則、防衛力整備等を決めるにあたって、
★.「それは自衛のためか?」そして
★.「そのための必要最小限度を超えないか?」
ということが決定的な評価要素となる。
 そして、「取得する装備品の性能」であるとか「戦術・戦法」や「交戦規定(Rule of Engagement)」などが決められる。
 その結果、この条件に合致するものをリストアップして「ものごと」を決めるということになる。
 例えば、平成27(2015)年度に制定された「平和安全法制」における「重要影響事態安全確保法」や「国際平和支援法」に基づき自衛隊が行動するに当たっては詳細な条件が定められていて、その条件を満たす場合のみ行動することができると定められている。

 このように我が国の防衛・安全保障に関する法律・規則などは、「ポジティブ・リスト」で作成されている。
 すなわち、「やっていいこと」が定められていて
 「それ以外はやってはいけない」ということになる。

 また「自衛のための必要最小限度」ということから、防衛力整備についても、敵基地攻撃能力を有する爆撃機とか長距離弾道弾を装備することは認めておらず、もっぱら我が国の領土・領海・領空において、侵攻してくる敵や飛翔してくる弾道弾を迎え撃つことしかできず、これによって我が国の防衛を全うするということになっている。

 これに対して国際法や世界各国の戦争に関わる法規類は、「ネガティブ・リスト」で作成されている。
 すなわち、「やってはいけないこと」がリストアップされていて、それ以外は臨機応変に判断して目的達成のための最適手段を選択して行動することができる。
 それは、千変万化する状況の変化に適宜対応していかなければならないことが、戦場の常態であるという本質に立脚しているからである。

 ところが我が国の場合は、戦いの現場の指揮官にとってみれば、眼前の状況は定められた条件のすべてをクリアしているか否かを瞬時に判断して決心し、部下に行動を命じなければならない。
 指揮官は極めて過酷な状況に置かれていると言わざるを得ない。
 我が国においても国際社会の軍隊並みの「ネガティブ・リスト」による法規類へと変更してもらいたいものである。

どこまでを「自衛」と言うのか、
 また「必要最小限度」とは攻撃側との相対的な関係で決まるが、
 何をもってどう評価・判断するのか。
 今日における高度に発達した軍事技術、複雑な国際情勢や防衛・安全保障環境を考えるとき、これまでのように憲法解釈によってその場を取り繕う対応は、もはや限界にきていると言わざるを得ない。

 政府はこれまでも少しでも「自衛」のレベルを超えると疑われる装備品は性能を下げて取得するなど、大きな政治問題とさせないレベルでの解決を図ってきた。
 その分、自衛隊の装備や行動に様々な制約を加えるという結果をもたらしている。

 この結果、自衛隊は、他国に侵略的脅威を与えない装備品をもって、我が国の領土・領海・領空において、侵攻してくる敵を迎え撃つことのみに専念することとなる。
 いうところの「専守防衛」である。
 これでは敵を打ち負かすことはできないし、もしこれで防衛を全うしようとするならば、スイスのように国土全域を要塞化するとともに国民全員が銃を持って立ち上がる気概と装備が必要である。

 従って、この様に限定された能力しか発揮できない自衛隊のみで我が国を防衛することはとうてい不可能であり、従って敵基地攻撃能力や外洋における攻撃能力を日米安保条約に基づき米軍に依存することが、必須の要件となる。

■憲法9条のおかげで平和を維持できたという幻想

★.第3点は、「憲法9条があるから戦後の日本は平和を維持できた」という幻想。

 戦後、我が国が戦争の惨禍に見舞われることなく、あるいいは戦争に巻き込まれることもなく平和を維持してこられたのは、政治、経済、外交、軍事など様々な分野での多くの努力があって、それらの総合的な成果として平和を維持できたのである。

 「憲法9条があるので我が国は平和を維持できた」というのは、現実を無視した空想的な観念論であり幻想である。

 これまでの歴史が証明しているように軍事は平和を達成し維持するための重要な要素でありながら、軍事について知ることを忌避してきた多くの日本人にとって眼前にある平和は所与のものとして受け入れられてしまっている。

 その背後にある様々な努力、なかんずく軍事に関わる様々な努力があったことには思い致らない、と言うか「軍事」であるとか「戦闘」という言葉はタブーであってそのことについては考えないというのが我が国の現状である。

 戦後我が国は、朝鮮戦争を契機に国内治安維持のための警察予備隊を発足させた。
 その後の対日講和条約締結により我が国は主権を回復し、GHQは廃止されたが、占領間に制定された憲法を変えることなく、米軍の駐留を認めて我が国の防衛を米軍に依存する体制を選択した。
 その延長線上に今日の自衛隊がある。
 1991年のソ連邦消滅に至るまでの冷戦間、我が国は日本海およびオホーツク海を挟んで東側共産主義陣営の盟主であるソ連と対峙していた。
 冷戦間、自衛隊は米軍と協力してあらゆる手段を駆使してソ連空軍、海軍および陸軍の動向を監視し、その都度必要な措置を講じてきたことは、先に述べてきたとおりである。

 我が国は、西側自由主義陣営の一員として米国の核の傘及び通常戦力による庇護、そして自衛隊による主権を守るための必死の努力、このような自衛隊の存在と行動が、日米安保条約に基づく米軍の存在と相まって、極東ソ連軍の軍事行動の制約と抑止へと作用し、ひいては結果として冷戦の勝利につながっていったと言えないであろうか?

 冷戦後、中国は世界第2位の経済大国となりそれに伴って軍事力および海警の増強を驚異的な速度で進め、力を背景にした現状変更やその試みが、国際問題となりあるいは周辺国や我が国にとって大変な脅威となっている。
 我が国の周辺では尖閣諸島をめぐる東シナ海における中国による領海宣言および海警による恒常的な領海侵犯、防空識別圏を独自に設定して行っている航空活動など、これらに対する海上自衛隊および海上保安庁による警戒監視活動、さらに航空自衛隊による空域監視と領空侵犯に対する対処行動など、自衛隊員や海上保安官は過酷な状況の中で職務を遂行している。

 さらに、北朝鮮による核開発疑惑および弾道ミサイル開発と配備の進展、特に弾道ミサイル発射に対しては航空自衛隊および海上自衛隊は破壊措置命令に基づきその都度対処行動をとっている。

 これらの事案は、日本の主体的な判断と処置が第1義的に求められるものであって、かつての冷戦時代におけるソ連に対する事案を米軍との協調の下で対処するのとは異なるものである。
 現在の自衛隊は、冷戦時代とは異質な過酷さの中で職務を遂行している。
 国際社会にあっては、我が国は、国連の平和維持活動、国際緊急援助活動および海賊対処のための活動など様々な国際的な共同活動に自衛隊を派遣し、自衛隊員はそれぞれ世界各地において、平和維持、人道支援、被害・災害復旧、国家建設支援など、目に見える貢献をしている。

 このような戦後から今日までの現実を見てくると、我が国周辺においては、
 朝鮮戦争、
 冷戦間におけるソ連の行動、
 冷戦後の近年における中国および北朝鮮の動向
など、これらの現実に直面して、これらを警戒・監視し対処するのに軍事力(あるいはそれに相当する実力組織)以外にどのような手段があるであろうか、ということを考えざるを得ない。

 一方、国際社会に目を転じてみても、戦後から今日まで戦争や紛争そしてテロや暴動などが世界各地で生起し、現在も続いている。

 これらに対して国連あるいは多数国が協力して、まずは軍事力をもって対処している現実がある。
 世界は公正と信義を信頼できる国々でできているとは到底考えられないし、これら不測事態に対処するのに軍事力抜きでは考えられないというのが現実である。

■おわりに

 これまで縷々述べてきたように、自衛隊は、国内においては、国家主権(領土・領海・領空、統治機能)および国民の生命と財産を守るために行動し、そして海外においては、国連憲章で謳われた普遍的な価値観の追求と実現および国連創設の目的達成のために協力し、国際社会で名誉ある地位を得んと努力する国家の意図に従って、身命を賭して行動している。

 これほどの行動を命じる国家でありながら、国の最高法規である憲法に自衛隊についての規定は一切ない。

 それにもかかわらず命を受けた自衛隊員は、何を拠りどころに行動しているか、それは少なからぬ国民の理解と支援があるということと、国防に直接携わるということおよび国際社会に貢献できるということに誇りと使命感を持っているからにほかならない。

 本稿で述べてきたことが、自衛隊に対する認識を深め、その上で「憲法に国防や自衛隊についての規定がない」ということの是非を考える一助となれば幸いである。



ニューズウイーク 2017年5月12日(金)18時30分 辰巳由紀(米スティムソン・センター主任研究員)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/05/post-7584.php

「自衛隊は軍隊」は国際社会の常識

<安倍首相の改憲メッセージにむやみに反発するより、
国民が自覚を持って自衛隊の存在意義を判断すべきだ>

  安倍晋三首相がついに、憲法改正について率直な発言をした。
 4月下旬に行われた読売新聞のインタビューでは、憲法改正の内容と時期を詳細に語った。
 また日本会議の主催する集会には、憲法改正の決意を語るビデオメッセージを寄せた。

 このことが大きく報道されたのは、安倍が憲法改正に関する自らの見解と目標とする時期を具体的に提示したからだ。
 例えば、彼は9条の改正を目指すことを明言した。
 この条項は、平和を愛する国としての戦後日本のアイデンティティーの象徴であり、神聖にして侵すべからざるものとされてきた。
 安倍は
★.国際紛争の手段としての戦争放棄を定める1項と、
★.戦力の保有を否定する2項
を維持することを明らかにしつつ、
★.自衛隊の憲法上の地位を明確に正当化する第3項を加えたい
と語った。
 スケジュールについては、2020年の東京オリンピック開催までに改正憲法を施行したいと述べた。

【参考記事】自衛隊の南スーダン撤退で見えた「積極的平和主義」の限界

 この発言に対する反響は大きかった。
 例えば朝日新聞は、安倍の9条改正の意向を批判する社説を掲載し、現在の憲法が過去70年にわたって日本人の大多数の支持を得てきたことを否定してはならないと主張。
 毎日新聞は、日本が国際平和に貢献するためには9条の改正が必要だという結論に性急に飛び付くべきではないと警告した。
 ニューヨーク・タイムズも、日本国内で上がった反対の声を報じ、ソーシャルメディアでの批判や、5万5000人の抗議集会などを紹介した。

 憲法9条の改正という提案がこれほど強い批判を巻き起こしたのはなぜか。
 主な理由は2つあると思われる。
★.1つは、現在の憲法を少しでも改正することに対する強い嫌悪感だ。
 日本人は憲法、特に9条を、平和への貢献を志す国としての戦後日本の自己イメージの究極の象徴と見なしてきた。
 それゆえ、どんな形であれ9条の改正案は極端な嫌悪感を引き起こす。

 さらに安倍発言を批判する人々は、彼の真意に疑いを抱いている。
 実際には、安倍の9条改正案は非常に抑制された良識的なものだ。
★.現在の1項、2項は維持し、日本の安全を守るための軍事組織として自衛隊を合憲と認める第3項を付け加えることを提案しているだけだ。

 だが北朝鮮からの大きな脅威に直面し、中国との緊張が続くこの時期に声明を発表したタイミング、そして日本会議という現代史に関する歴史修正主義的な主張で批判されることの多い保守的なグループにメッセージを送ったことから、安倍の意図を勘繰る人もいる。
 彼らが懸念しているのは、最初は国民に受け入れられやすい改正案を提示し、憲法改正の実績を作った上で、より野心的な改憲を後継政権に託すというシナリオだ

【参考記事】日本の国是「専守防衛」は冷徹な軍略でもある
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2017/04/post-910.php

■最終判断は国民投票に

 そのような批判には、憲法9条の規定と、日本の現状、特に自衛隊にまつわる現実との間のギャップが戦後日本において拡大し続けているという認識が欠けている。
 今日の自衛隊は外観も行動も軍隊そっくりの組織であり、日本以外では軍隊と見なされている。
 憲法上、そして法律的、政治的、社会的に制約を受けていながら、自衛隊は設立以来、世界で有数の先進的な軍隊に進化し、今では日本国民からも強い支持を受けている。

 第1の任務である国防はいうまでもなく、国内外の災害出動から国連平和維持活動への参加まで、自衛隊がさまざまな形の活動を求められてきたことからすれば、日本としても自衛隊を合憲な存在と認めることぐらいはするべきであろう。

 現在の日本国内の議論には、このことに関して日本の国民に決定権があるという論点が欠けているようだ。
 多くの人が安倍の「真の」意図に関して不平を言っているかもしれないが、国民の過半数は安倍政権のもたらす政治的安定と、北朝鮮問題やロシアとの平和条約締結交渉、中国との関係など複雑で難しい外交と安全保障の問題に取り組む決意を支持しているようにみえる。

 改憲派の議席数が、改正の手続き上重要な衆参両院の3分の2を超えている現状でこの発表を行ったというタイミングを批判する声も多い。
 だが、議会の3分の2の議席を与えたのは日本の有権者だ。
 そして最終的に、憲法改正には国民投票で過半数の賛成が必要となる。
 言い換えれば、連立与党と改憲派が3分の2以上の議席を占めているという現在の政治環境だけで、安倍の求める憲法9条の改正が実現するわけではない。

 つまり安倍の提案した憲法改正の運命は、最終的には日本国民がこの提案にどう向き合い、自分たちの問題として引き受けるかどうか、そして国民投票で責任ある決定を下せるかどうかに懸かっている。



Yahooニュース 5/12(金) 11:57 児玉克哉  | 一般社団法人社会貢献推進国際機構・理事長
https://news.yahoo.co.jp/byline/kodamakatsuya/20170512-00070880/

世界の軍事力ランキング~日本は7位、北朝鮮は23位

 世界の軍事力ランキングはどのようになっているのか。
 軍事力の評価は実際にはかなり難しい。
 軍事費だけでなく、兵器の数、質、種類なども影響する。
 兵士も数だけでなく、質と志気、統制力なども関係する。
 核兵器はジョーカー的な要素を持つわけで、その評価は状況によって大きく分かれる。
 また、軍事同盟の状況も大きな意味を持つ。
 アメリカやロシアとの同盟関係、NATOへの加盟状況などは1国としての軍事力だけでは測れない価値を持つ。

 こうした非常に複雑な問題だけに、軍事力ランキングは何に比重を置くかでかなり変動はある。
 アメリカの軍事力評価機関の「Global Firepower」が世界127カ国の対象国としてランキングを発表している。
 かなり複雑な評価のようで、
 兵器の数、質、種類から 
 地政学的考察、
 資源力、
 産業構造、
 潜在的兵士の数(人口)、
 核兵器ボーナスポイント、
 NATOなどの軍事同盟ボーナスポイント
などが総合的に評価されている。
 まずは30位までのランキングをみてみよう。

世界の軍事力ランキング(Global Firepower:2017年)
1 アメリカ (0.0891)
2 ロシア (0.0963)
3 中国 (0.0977)

4 インド (0.1663)

5 フランス (0.2001)
6 イギリス  (0.2198)
7 日本 (0.2227)

8 トルコ (0.2614)
9 ドイツ (0.2634)
10 イタリア (0.2772)
11 韓国 (0.2804)

12 エジプト ( 0.3095)-
13 パキスタン (0.3367)
14 インドネシア (0.3471)
15 イスラエル (0.3589)

16 ベトナム (0.3701)
17 ブラジル (0.3771)
18 ポーランド (0.3876)
19 台湾 (0.3901)
20 イラン (0.4024)

21 タイ (0.4061)
22 オーストラリア (0.4173)
23 北朝鮮 (0.4327)
24 サウジアラビア (0.4452)
25 カナダ (0.4465)

26 アルジェリア (0.4477)
27 スペイン (0.5027)
28 ギリシャ (0.5142)
29 スウェーデン (0.5787)
30 ウクライナ (0.5851)

注目される点をみてみよう。

1):日本の軍事力

 まず、日本が7位にランクされている。
 ランキング指数をみれば、1位~3位と4位~7位にグループが出来ている。
 特に5位のフランス、6位のイギリス、7位の日本の差は僅かだ。
 4位のインドも人口の加算点もあるから、4位から7位はほとんど差がないとみていいだろう。
 1位から6位まではすべて核兵器保有国だ。
 非核保有国の中では日本の軍事力がトップということになる。

 憲法9条は以下のとおりだ。
 「第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」

 ただ、世界の中での軍事力が7位で、第二グループにいるとなると、憲法の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とかなりイメージは異なる。

2):中国の軍事力

 中国は急速に軍事力を強めている。
 このランキングでは、1位アメリカ、2位ロシア、3位中国となっているが、ロシアと中国との差はわずかになっている。
 最近の中国の軍事費の増加率は非常に高いので、中国が2位になるのは時間の問題となっている。
 アメリカとソ連が戦後、ずっと2大軍事大国として世界に君臨してきたが、すでに世界は米露中の3大軍事大国時代に入っている。
 インドの経済成長が続き、軍事費が増大していけば、米露中印の4大軍事大国時代が訪れる可能性もある。

3):韓国と北朝鮮の軍事力

 韓国のランキングは、2014年には9位、15年には7位と上昇していたが、16年に11位に落ち、17年も同じ11位だ。
 ただ、8位のトルコと11位の韓国までの軍事指数の差は僅かであり、第三グループに入っている。
 一方、北朝鮮のランキングは上昇している。
 2014年には35位、15年には36位だったのが、16年には25位に上がり、17年は23位となっている。
 金正恩体制に入ってから、急速に軍事化していることがわかる。



ロイター 【共同通信】2017年 05月 12日 22:11 JST
http://jp.reuters.com/article/idJP2017051201001893

国民投票、国政選挙と同時可能

 菅義偉官房長官は12日の記者会見で、憲法改正の是非を問う国民投票と国政選挙を同時実施しても問題ないとの認識を示した。
 「首相の衆院解散権の制約はないと思っている」
と述べた。
 これまでの与野党内での改憲議論では、国政選と国民投票とは分けて実施する方が望ましいとの意見が大勢。
 公明党の井上義久幹事長も会見で同様の考えを示しており、政権内で見解が対立した形だ。

 安倍晋三首相(自民党総裁)は、自民党の保岡興治憲法改正推進本部長と党本部で会い、憲法9条への自衛隊明記や2020年の改正憲法施行を訴えた自らの提案を踏まえ、党独自の改憲案を作成するよう指示した。



Record china配信日時:2017年5月15日(月) 1時0分
http://www.recordchina.co.jp/b163659-s0-c10.html

世界の軍事力ランキング、中国3位、韓国11位、日本は…
=「わが国は永遠に発展途上国だから」
「実戦能力なら日本はもっと上」―中国ネット

  2017年5月13日、中国メディアの環球時報は、韓国メディアの報道を引用し、世界の軍事力ランキングの結果を伝えた。

 2017年世界の軍事力ランキング(GFP)が11日に発表された。
 これは、人口、陸海空の戦力、資源、国防予算など50項目を総合的に考慮して指数化したものだ。

 このランキングによると1位が米国、2位がロシア、3位が中国、4位がインドだった。
 また、日本は7位で、韓国は11位、北朝鮮は昨年より2つランクを上げて23位となった。

 このほか、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が先月末に発表した世界の軍事支出に関する報告書によると、軍事支出1位は米国で2位が中国だった。
 韓国は367.77億ドル(約4兆2000億円)で10位だった。

これに対し、中国のネットユーザーから
 「わが国は永遠に発展途上国だからな。ただ発展するよう努力を続けるだけ」、
 「わが国は発展途上国なのだからそんなにすごいわけがない」
などのコメントが寄せられた。

 また、
 「2位から10位までを全部足しても1位の方がすごい」
 「実戦能力なら日本は3位に入れると思う」
などの意見もあった。



読売新聞 5/18(木) 6:13配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170517-00050111-yom-pol

自民、年内に憲法改正案…来年の通常国会提示へ

 自民党は、安倍首相(自民党総裁)が2020年の憲法改正を目指す考えを表明したことを受け、年内に党としての改正案をとりまとめる方向で調整に入った。

 衆参両院の憲法審査会での議論に時間がかかる可能性を踏まえ、18年の通常国会での提示を目指す。
 改憲項目としては、首相が訴えた自衛隊の根拠規定の追加など3項目を中心に検討する。

自民党が検討する憲法改正項目
1:憲法9条
 1項と2項を維持し、自衛隊の根拠規定を追加
2:高等教育までの無償化
 幼時から大学教育などの高等教育までの授業料の無償を規定
3:緊急事態条項
 大災害などの緊急時の国会議員の任期延長や、内閣の権限強化を認める

 自民党の二階幹事長と下村博文幹事長代行ら幹部は17日、党本部で協議し、党憲法改正推進本部(本部長・保岡興治元法相)の下に新たな組織を設ける方針を決めた。
 改正案作成に向けた議論を加速するため、小委員会の設置などを想定している。
 二階氏は18日に保岡氏らと会談し、今後の議論の進め方や新組織のあり方などを詰めたい考えだ。