2017年5月9日火曜日

日本の中国離れ(2):中国が、いまさら日本にラブコールを送りす理由 

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 中国が恫喝すれば大概の周辺国はビビル。
 北朝鮮ですら内心ハラハラである。
 しかし、この恫喝を待ってましたとばかりにチャンスととらえるのが日本である。
 中国はこんなに恐ろしい国だ! 防衛にまい進しなければ
となる。
 中国がどんなに経済大国であってもあくまで発展指数だけのこと。
 世界債権国ナンバーワンが日本であることには変わりない。
 つまり、日本は世界最大のお金持ち国家。
 サンショは小粒でピリっと辛い
というわけである。
 中国が強くでれば「中国さん、ありがとう!」とばかりに軍事力増強に走る。
 昔なら国民が反対運動するところだが、あまりの中国外交のお粗末さで、中国はまるで日本人には理性の通じないヤクザ国家に映る。
 それがゆえに、国民は軍事増強に反対しないし、政府は憲法改正までもっていこうとする。
 中国さまさま!、の日本ということになる。
 これからも日本は韓国のように中国に媚びを売ることはない。
 フィフテイフィフテイの外交が上限になり、中国の恫喝は功を奏することはない。
 もし、中国が経済貿易を断行しても、国交を断絶しても、やむ得ぬこととして受け入れる算段をつけているはずである。
 もちろんそんなことをしたら、日本より中国がやばくなるが。


現代ビジネス 5/9(火) 10:01配信 近藤 大介
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170509-00051665-gendaibiz-int

中国のナンバーツーが、いまさら日本にラブコールを送りだした理由 
来日に向けた準備が水面下で進んでいる

 公式にはまだ何も発表されていないが、今、日中外交当局者の間で、李克強首相の日本訪問の準備が着々と進められている。
 2013年3月に発足した中国の現政権のトップ習近平出席、ナンバー2李克強首相ともに、いまだ来日していない。
 早ければこの5月中にも李克強首相の訪日が実現する見通しであり、そうなればこの4年余りすっかり冷え込んでいた日中関係が、一気に視界良好になってくる。

■李克強首相が担う大役

 しかしなぜ、この時期に突然訪日するのか?
 それは、俗な言い方をすれば、「得点稼ぎ」のためである。
 李克強首相がいま置かれている立場を、改めて整理してみよう。
 2013年3月に首相に就任した李氏は、来年3月に5年の任期を迎える。
 法規上は1回限りの再選が認められているから、もう一期、すなわち2023年3月までは首相の座にいられる。
 ところが、上司である習近平主席は、李克強首相のことが気に食わない(これについては、筆者は何度も書いてきた)。
 そもそも、両者は、ポスト胡錦濤をめぐって長年の間、凌ぎを削ってきたライバル関係にあるので、そりが合わないのである。

 習近平主席は、習仲勲元副首相の息子で、北京生まれ。 
 典型的な太子党の出身である。
 それに対し、李克強首相は安徽省の貧農の出で、苦学の末に北京大学法学部に入学した秀才である。

 だから習近平主席からすれば、李克強首相は青臭いインテリに映る。
 一方、李首相からすれば習近平主席は、権力闘争ばかりに明け暮れる時代遅れで経済音痴の指導者に見える。
 つまり両者は、水と油なのである。

 2013年3月の時点では、中南海の権力闘争の結果として仕方なく両者は呉越同舟となった。
 しかし、 習近平主席の本心としては、今年後半に開く第19回共産党大会で李克強首相を更迭し、全国人民代表大会常務委員長(国会議長)の閑職に移し替えたい。
 そして意中の王岐山常務委員(共産党序列6位)を首相に抜擢したいと思っている。
 実は5年前にも同じことをしたかったのだが、前述の理由で叶わなかった。

 だが、李克強首相としては、党大会までは一縷の望みを持って、再選に向けて全力を尽くしたい。
 そのためには、習近平主席に対抗するのでなく、絶対忠誠を誓うのが最善の道だろう。
 というわけで、今回の来日となるのである。

 5月14日、15日には習主席にとって今年最大の外交イベント「一帯一路国際フォーラム」を北京で開く。
 一帯一路とは、シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードという陸上および海上で中国とヨーロッパを結ぶという壮大な試みである。

 すでにロシアのプーチン大統領以下28ヵ国の首脳が参加する予定だが、安倍首相は参加を表明していない。
 そもそも中国の一帯一路構想には、周辺国をはじめとする69ヵ国が含まれているが、日本は除外されているのだ。
 そこで、日本にもこの一帯一路に加わってもらおうという大役を担って李克強首相が来日するわけである。

■カギを握るのは習近平の「恨み」

 すでに李首相は、4月10日に河野洋平元衆院議長率いる訪中団と会見し、次のように語っている。
 「中国は中日関係を高度に重視している。
 発展の勢いを維持しつつ、正常な軌道に戻す必要がある。
 両国には1000年以上におよぶ交流の歴史がある。
 しかし前世紀、日本軍国主義が中国を侵略し、中国人民さらに日本人民にも不幸をもたらした。
 われわれは未来に向け、同じ過ちを繰り返さないためにも、この歴史を鑑とし、持続的かつ健全な関係を発展させていきたい。

 中国のGDPは現在、世界第2位だが、一人当たりに換算すれば8000ドルに過ぎない。
 つまり中国は依然として発展途上国であり、近代化への道のりはまだ遠い。
 したがって日本との経済関係には相互補完性があると思っている。
 今後は貿易、投資の新たな進展と同時に、両国の国民感情の改善にも期待する。

 中国は今、経済の構造転換に直面している。
 東北がまさにそうだ。
 以前は工業基地と呼ばれ、重工業重視だったが、これからはサービス業を推進し、経済成長をけん引しなければならない。
 しかし、それは潜在力があるということでもある。
 日本の技術と東北の資源を合わせればさらなる発展が期待できる。

 中国は改革をさらに進化し、開放を拡大している。
 世界の経済構造が変化していく中でチャンスを勝ち取りたいし、そのためにも日本をはじめ外国の資本をより多く引き寄せたい」

 だが、李克強首相の訪日が成功するかどうかは予断を許さない。
 中国のある関係者は次のように語る。
 「習近平主席は何としても李首相の再選を阻止したい。
 それには李首相の業績面でのマイナス点を作るのが一番だ。
 これまでは中国経済の悪化を李首相の責任にしようとしていたが、今後は外交面でのマイナス点を指摘してくる可能性がある。
 なにより習近平主席自身、かつての上司で李首相の親分でもある胡錦濤前主席に同じことをやられてきたのだから」

 この発言で思い当たるのが、2009年12月の習近平副主席(当時)の訪日である。
 この時、習副主席が天皇陛下に会う会わないという問題で日中間に摩擦が生じた。
 当時、私は北京に住んでいたのでよく覚えているが、習副主席は初めから天皇陛下に謁見したい意思を示していた。
 ところが、中国外交部は天皇陛下に会うには1ヵ月前までの申請が必要であることを分かっていながら、日本側に申請を出さなかったのだ。
 この時、外交部を牛耳っていたのは胡錦濤主席の盟友、温家宝首相であり、またその部下である李克強副首相であった。
 その後、結局、小沢一郎元民主党代表が宮内庁に圧力をかけて習副主席と天皇陛下との会見は実現した。
 だが、習副主席は外交部に対して怒り心頭で、日本滞在中、一度も東京の中国大使館に立ち寄ることはなかったのだ。

 習近平主席は、自分の対外イメージを悪くされたこの時の恨みを、当然ながら今でも忘れていないだろう。
 その意味で、李克強首相としては、せっかく得点を稼ぐための訪日なのに、かえって足をすくわれる“鬼門”となるリスクをもはらんでいるといえるのである。
 実際、2012年の夏から秋にかけては、李克強首相の親分である胡錦濤主席も親日派のレッテルを貼られ、中南海の権力闘争に巻き込まれた。
 同年11月に開かれた第18回共産党大会において、胡錦濤主席の意中のひとであった李源潮、汪洋、劉延東らは親日派のレッテルのおかげで、常務委員(トップ7)入りを果たせなかった。
 尖閣諸島を国有化した日本に擦り寄る売国奴扱いされたのである。

■あわよくば日中韓サミットに

 ところで、李克強首相を迎える日本側は、まだ水面下の交渉段階ではあるが、前向きである。
 本来なら昨年中に日中韓サミットで来日する予定だったのだが、韓国の朴槿恵大統領がスキャンダルに巻き込まれ、来日が不可能となった。
 すると中国は、韓国を理由に、3ヵ国が揃わないと意味がないといって、訪日の意思を見せなかったのである。
 図らずも、5月9日、韓国で文在寅新大統領が誕生する見込みである。
 文新大統領も含めた日中韓サミットになれば、開催国の日本としてはこれに勝る喜びはない。

 ともあれ、もしも李克強首相の来日が実現すれば、日中関係が大きく改善するための重要な一歩となるだろう。
 アメリカでトランプ政権発足して以降、東アジアの情勢が不安定になる中で、対中関係が改善することは、日本にとって間違いなく大きな利益となるだろう。



Record china配信日時:2017年5月17日(水) 19時0分
http://www.recordchina.co.jp/b178440-s0-c10.html

「日本の対中姿勢に微妙な変化」=中国紙が社説で伝える

  2017年5月17日、環球時報は強硬的だった日本の対中姿勢がさまざまな要因により微妙に変化しつつあるとする社説を掲載した。

 「一帯一路」サミットに出席した自民党の二階俊博幹事長は習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談し、安倍晋三首相の「熱意が詰まった」書簡を手渡した。
 安倍首相は「疑問が解消されればアジアインフラ投資銀行(AIIB)加入を考える」とも語っている。

 記事は、「これまで強硬、対抗の姿勢を保ってきた安倍政権が新たな態度を見せた背景には、近ごろの日中関係を取り巻く環境の変化に伴う圧力の存在がある」と指摘。
 「米中首脳会談以降の米中関係の安定化」
 「日本が中国をけん制するうえでの拠り所としてきた環太平洋経済連携協定(TPP)、アジア太平洋リバランス戦略をトランプ米大統領がやめたこと」
 「自由貿易や経済のグローバル化に消極的な米政府に変わり、中国のリーダーシップ発揮を求める声が欧州で起きたこと」
の3点を挙げた。

 そして、
 「日中間の実力関係の変化、アジア太平洋の新たなパワーバランスに加え、歴史問題では譲歩しない一方で日中間の競争を煽らないという中国政府の安定した対日姿勢により、安倍政権が対中強硬政策を維持しづらい状況となっている」
と説明。
 「中国はすでに日中関係をコントロールする主導的立場を掌握しており、日本の態度に必要以上に驚く必要はないのだ」
と論じた。