2017年5月5日金曜日

朝鮮半島の行方(6):北京を向くミサイル(3) 窮鼠猫を噛む

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● NNNニュース

 トランプのパシリとなった中国が北朝鮮を追い込んでいる。
 大国意識丸出しである。
 5年前に中国は反日デモで日本を追い込んだ。
 圧力をかければ日本がおびえて尖閣諸島を差し出すと思ったのであろう。
 結果は逆のことが起こった。
 これを「国と民族の危機」ととらえて、日本は防衛強化に乗り出すことになる。
 普通の国へ、正常な国へ、というのがスローガンであった。
 中国の圧力は日本にとっては天の恵み、予想外の援助外交となった。
 中国は大国意識でしか周囲を見ることができない。
 これによって中国は日本を蘇えらせてしまうという大失敗を犯してしまった。
 中国にとって日本はアジアの雄を争う間柄であるのに、それを利用できるチャンスを逃してしまったということになる。
 つまり、ごく簡単な外交もできないという弱点を露呈させてしまった、ということである。

 今回も同じことがおこるのだろうか。
 大国意識をもってパシリになった中国が北朝鮮を追い込むと何がおこるか。
 北朝鮮が近親憎悪をむき出しにする可能性が高い。
 やられるなら、もろともと考えることもありえる。
 金正恩が窮鼠となって、北京向けミサイルのボタンを押しかねない。
 北京には窮鼠の感情を察することはできまい。
 大国意識は自己を中心に回っている。
 周辺国はなびいて当たり前という発想しかない。
 日本はこれを黒船ととらえて、待ってましたとばかりに方向転換した。
 それができたのは、それだけの体力があったからだ。
 北朝鮮にはそれはできない。
 金正恩は自分が排除されることを恐れている。
 あるのはミサイルのボタンだけであろう。
 

フジテレビ系(FNN) 5/7(日) 1:32配信
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20170507-00000405-fnn-int

北朝鮮の「収入源」石炭輸出が激減



 北朝鮮の主な収入源である石炭の輸出量が激減した。中国との取引停止が影響した形となった。
 国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会は、北朝鮮の3月の石炭輸出量は、6,342トン(58万ドル相当)だったと発表した。
 2月の輸出量は、およそ123万トン(1億459万ドル相当)で、
 3月は、その190分の1に激減した。

 石炭は、北朝鮮の主な収入源で、安保理は2016年11月、輸出の総量を年間で750万トンに制限する制裁決議を採択し、2017年2月には、北朝鮮にとって最大の石炭輸出先である中国が、取引を停止していた。
 中国による制裁に対して北朝鮮は、「容認できない妄動」と、名指しで異例の批判を行っている。
』 


AbemaTIMES 5/7(日) 15:21配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170507-00010004-abema-int

北朝鮮はもう一度、核実験をやるのではないか?
経済制裁で降参する国ではない

 アメリカを再び偉大にすると訴えて当選したトランプ大統領は果たして世界を迷走させる道化師なのか、それとも救世主なのか。

 トランプ大統領は就任100日を迎えた。
 500回ほどのツイートと、30以上の大統領令によって次々と“トランプ砲”を炸裂させてきた。
 しかし、就任100日時点で不支持率が支持率を上回った第二次世界大戦後初めての大統領という不名誉な事実もある。

 就任翌月の日米首脳会談では、安倍総理をフロリダの別荘に招待し、ゴルフを楽しんだ。
 27ホールを共にするという破格の待遇で、個人的な信頼関係も築いた。
 しかしその数時間後、北朝鮮は中長距離弾道ミサイル「北極星2型」を発射。
 アメリカ本土が射程に入るミサイルの脅威が顕在化した。
 ここから北朝鮮問題が激化する。

 3月7日付の北朝鮮・労働新聞はミサイル発射について
 「有事の際、在日米軍基地を攻撃する部隊が参加した」
と報道した。
 安倍総理はトランプ大統領と電話会談し、
 「その(北朝鮮の)脅威は新たな段階になっていることを日米で確認した」
との認識を示した。
 またトランプ大統領もツイッターに「北朝鮮は大変な悪事を働いている」と書き込んだ。
 金正恩氏殺害による北朝鮮政権転覆、いわゆる斬首作戦も選択肢の一つだといわれている。

 そして米軍特殊部隊「シールズ」、中でもオサマ・ビンラディン暗殺を担当した「Team6」が米韓軍事演習に参加した。
 さらに米中首脳会談の最中、巡航ミサイルでシリアを爆撃し、レッドラインを超えると先制攻撃も辞さないという本気度も見せて北朝鮮をけん制した。
 これは同時に中国に対して経済制裁を強化するように圧力をかけたものと考えられている。

 一方、北朝鮮は軍事パレードでアメリカ本土を核攻撃できるICBM(大陸間弾道ミサイル)を披露。
 さらに特殊部隊も初公開して軍事力を誇示した。

 軍事的な挑発を続ける北朝鮮に対して、米軍は原子力空母カール・ビンソンを朝鮮半島近海に展開して威嚇するが、北朝鮮は
 「いつ何時でも事前通告なしに我が軍が殲滅的攻撃をできることを肝に銘じるべきだ」
と対抗の構えを崩さない。

 国際ジャーナリストの小西克哉氏は
 「米軍は朝鮮半島近海に軍事力を集中させているが、これは戦争をする時の兵力集中とは考えられない」
と話す。
 さらに
 「こんなおもちゃを持っていますという情報を出して、メディアに餌を与えている状態。
 圧力というよりも、オバマ政権時とは違うということを示しているだけ」
との見方を示した。

 そしてロシア軍が北朝鮮の国境付近に部隊を集結させていることも判明した。
 難民流入など、朝鮮半島の有事に備えているということなのだろうか。

 朝鮮半島の緊張が高まる中、トランプ大統領は、ブルームバーグのインタビューで金正恩氏との直接対話に言及した。
 トランプ大統領は
 「金委員長と会うことが私にとって適切であればもちろん会談する。
 実現すれば、光栄なことだ」
と話した。

 北朝鮮に対し、圧力一辺倒に見えるトランプ大統領だが、実は金正恩氏を持ち上げるかのような発言が続いている。
 先月29日には、
 「金委員長はとても若い時に権力の継承に成功した。
 とても利口な人物だということは明白だ」
と述べている。
 この態度の急変ぶりは、一体何を意味するのだろうか。

 小西氏はこのことについて
 「あまり深読みをすると見誤る。
 あまり深く考えてないというのが、私の考え」
 「彼のCBSのインタビューでの発言には、『子供のくせに』結構賢いというニュアンスが含まれていて、ちょっと上から目線」
との見方を示した。
 一方、アメリカの北朝鮮研究グループ「38 North」が新たな衛星画像を公開し、北朝鮮西部の造船所にSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の発射台があると発表した。
 さらに、東部にあるSLBMの発射台では、すぐそばで作業を行うクレーンやトラックが確認でき、北朝鮮がSLBMの開発を加速させているのではないかと分析している。

 北朝鮮・労働新聞は
 「朝鮮半島で核戦争が起きた場合、アメリカ軍の基地になっている日本が真っ先に放射能の雲に覆われるだろう。
 日本が自国の利益を考えるなら平和的解決のために努力するべきだ」
との記事を掲載した。

 元米議会上院補佐官の中林美恵子氏はアメリカ国内の報道について
 「どこにいるのか示してはいけないような戦艦があるということをアナウンスするくらいアピールする局面も出てきている」
と話す。
 さらに
 「潜水艦などはどこにあるのか普通は言わないが、それを報道したりもしている。
 それはやはり、軍事力を抑止力にしようという努力の表れでもある」
と解説した。

 また、トランプ大統領はこのタイミングで中東への遊説を発表した。
 このことについて中林氏は「中東は一番大事な地域」だと指摘する。 
 その理由として
 「北朝鮮問題は確かに大きな問題だが、中東も同じく大きな問題。
 義理の息子のジャレッド・クシュナー氏も中東に一番関心を抱いている」
と述べた。

 また、小西氏は「サミットがイタリアであり、それに行かなければいけない。サミットありきのスケジュールでは」と指摘した。

 コリア・レポート編集長の辺真一氏は
 「北朝鮮問題はしばらく中国に任せておこう」
ということではないか、との持論を展開した。
 しかし、その中国に対して北朝鮮が対抗姿勢を取っているという懸念もある。
 3日付の朝鮮中央通信は
 「中朝関係の根本を否定し、親善の伝統を抹殺する妄動だ。
 友好がいくら大切だとしても命同然の核と引き換えにしてまで懇願しない」
との記事を掲載した。
 中国と北朝鮮の比較的友好だった関係が悪化し、中国が北朝鮮に対する締め付けを強化すれば、トランプ大統領としては狙い通りということになるのだろうか。

 今後のアメリカの動きについて小西氏は
 「サミットが終わるまでアメリカから動くということはほぼ考えられない」
 「数カ月はアメリカから先制攻撃をするとか、斬首作戦に出ることはありえない」
と見ているという。

 一方、北朝鮮の動きについて辺氏は
 「圧力制裁に屈しないという意思表示をしなければならない。
 もう一度、核実験をやるのではないか」
と予想した。

 アメリカ議会下院は4日、北朝鮮に対する制裁を一段と強化する法案を賛成多数で可決した。
 この法案は、北朝鮮の核やミサイルの開発資金につながるとして、外国人や外国企業が北朝鮮の労働者を雇用して不当に働かせたり、北朝鮮から大量に農産物や天然資源などを輸入したりした場合、アメリカ政府が制裁を科すことができるようにするというものだ。
 中林氏は「この制裁強化で核開発を諦めてほしいという狙いだろう」と分析した。

 しかし、この制裁強化について辺氏は
 「北朝鮮は経済制裁で降参するような国じゃない。
 この制裁強化が、より一層の緊張状態を生むのでは」
との懸念を示した。

 韓国の大統領選挙の影響について辺氏は
 「もし文在寅政権誕生となれば、文大統領は羽交い締めにしてまでもアメリカの北朝鮮攻撃を止めるだろう」
と分析する。
 北朝鮮の核保有を認めることになっても、アメリカの北朝鮮に対する攻撃を止める考えを示しているという。

 予断を許さない北朝鮮情勢に引き続き注視していくことが必要だ。



AbemaTIMES 5/7(日) 18:02配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170507-00010008-abema-int

金正男氏に賭けた中国の不快感 
中朝関係は過去最悪?
専門家「ポイントは6回目の核実験」

 北朝鮮の国営メディアは3日、「中国がアメリカに同調し圧力をかけている」と中国を名指しで批判した。
 北朝鮮が中国を名指しで批判するのは異例のことで、また「中国との友好が大切なものだとしても、生命も同然の核と引き換えにしてまで哀願する我々ではない」と核やミサイルの開発を続ける考えを強調した。

 一方、アメリカのティラーソン国務長官は「北朝鮮の行動によっては追加制裁を実施する用意がある。金正恩政権が、未来に向けた別の道があると悟ることを望む」。
 また北朝鮮の体制転換は求めないと強調し「適切な条件であれば対話に応じる用意がある」と話した。

 北朝鮮が中国を名指しで批判したことに東京新聞編集委員の五味洋治氏は「中国から経済制裁を受けても、北朝鮮は核開発とミサイル開発を続けていくという宣言ととれる」。
 中国にとって北朝鮮は資本主義国と国境を接しないための緩衝地帯であり、北朝鮮も理解の上で強気な言動に出ている可能性もあるという。

 また、北朝鮮が中国に乗っ取られると危機感を抱いていることに五味氏は
 「昔から言われている。
 金正日の時代から今まで中国の言うことを聞かないなら、体制を変えて中国に近い指導者を送り込もうと。
 その1人が金正男だったが、暗殺されて中国政府も不快感を持っている」
と説明した。

 そしてロシアとの関係についても
 「北朝鮮とロシアの関係は中国との関係より古い。
 金日成氏を指導者として送り込んだのもソ連。
 もともとは朝鮮半島に大きな利権があったが、今は中国に全部取られてしまっている。
 隙があれば自分の利権を増やしていくだろう」
と話した。

 トランプ大統領とロシアのプーチン大統領は、先日初めて電話会談を行い、プーチン大統領がトランプ大統領に北朝鮮情勢について抑制と緊張の緩和を求めたという。
 ロシアが北朝鮮に接近すれば、国際社会での存在感も高まり、経済的なメリットもあるという。

 緊迫が続く半島情勢だが、制裁によって北朝鮮が先制攻撃など“暴発”してしまう可能性について五味氏は
 「北朝鮮にとって何よりも大切なのは体制維持。
 追い詰められて自分から手を出すと反撃を食らうので暴発はないと思う」
と否定的な見解。

 しかし
 「軍の内部では食料不足が続いていて
 『戦争が始まると変化がおきていい。その時は思い切りやろう』
といった考えの人もいる。
 そういった前線の暴発が何かのきっかけで起こる可能性もある」
 “暴発”した場合、1300キロも国境で接している中国には難民が押し寄せることも考えられる。

 2016年9月に北朝鮮による5回目の核実験が行われたが、五味氏は
 「6回目の核実験がポイント。
 中国がこれを越えてはいけないレッドラインとしている。
 これをやった場合、北朝鮮と中国がどれだけ険悪になるのかが心配」。
 5月9日には韓国大統領選挙も控えており、落とし所を見つける緊張は続きそうだ。

(AbemaTV/AbemaPrimeより)